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テラResearch Memo(1):樹状細胞ワクチン「バクセル(R)」の承認取得に向けた取り組みが本格化

注目トピックス 日本株

テラ<2191>は東大医科研発のバイオベンチャー。がんの最先端治療法である「樹状細胞ワクチン療法」(免疫細胞療法)等、細胞医療に関する技術ノウハウの提供及び研究開発を行っている。

がん治療における第4の治療法として注目されている樹状細胞ワクチン療法において、同社は独自に改良を重ねた技術を「バクセル(R)(Vaccell)」と名付け、がん治療用再生医療等製品として承認を取得するための取り組みを進めている。2014年12月期中に治験届を提出し、2015年12月期中に膵がん患者を対象にした治験開始を目指している。再生医療市場の成長加速を目的に導入される条件付(早期)承認制度を活用する。また、治験を進めるなかで、パートナー企業との提携も進めていく方針だ。

同社は2020年12月期に売上高15,000百万円を目指しているが、このうち「バクセル(R)」で約半分を占め、残りを既存事業の拡大や海外市場、先端医療周辺事業への展開などで伸ばしていく考えだ。

2013年12月期の業績は樹状細胞ワクチン療法の症例数が伸び悩んだこと、「バクセル(R)」の研究開発費増加によって、営業利益が前期比89.5%減の23百万円と減益となった。2014年12月期については、売上高は前期比35.7%増大幅増を見込む。一方、営業利益は135百万円の赤字を見込んでいる。薬事承認に向けた「バクセル(R)」の開発費増加に加えて、先端医療周辺事業として2013年12月期に設立した子会社の立ち上げ費用など先行投資費用がかさむのが要因だ。

2015年以降は「バクセル(R)」の治験費用がどの程度かかるか、あるいはパートナー企業がどの段階で決定するかによって左右されることになる。ただ、治療が困難ながん患者において効果が期待される「バクセル(R)」の潜在的なニーズは大きいとみられ、海外展開も含めた中長期的な成長ポテンシャルは高いと言えよう。

★Check Point
・契約医療機関は着実な伸び、今春からは「バクセル(R)」を使った治療がスタート
・保険適用を目指す「バクセル(R)」はがんワクチンとして最適化された技術
・アジアのがん患者数は約380万人増、海外での売上拡大にも期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)



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