ワールドインテック Research Memo(10):ファクトリー事業は前期比121.5%増の大幅増益を達成
[14/03/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■2013年12月期の業績概要
(2)事業セグメント別動向
事業セグメント別の業績に関してみると、前期比では不動産事業を除いたすべての事業が増収に、セグメント利益ではR&D事業を除いたすべての事業が増益となった。ただ、R&D事業の減益要因はDOT社の子会社化に伴うのれん費用(102百万円)によるものであり、のれん費用を除けば増益となっている。
また、期初計画比で見るとファクトリー事業、テクノ事業、R&D事業がそれぞれ計画を下回った格好となっているが、これはワールドインテック<2429>が発表する事業別業績計画において、人材・教育ビジネスに関しては、営業目標値をそのまま発表していることによる。保守的な数値で発表してしまうと、日々の受注活動において社員の目標達成意識も低下してしまう懸念があるためだ。このため人材・教育ビジネスに関しては元々会社計画が高めに設定してあり、その部分の調整として情報通信事業を保守的な計画で見積もっている。情報通信事業は一般消費者向けの携帯ショップ事業であるため、保守的な計画を立てても、実際の現場への影響はほとんどないためだ。
○ファクトリー事業
ファクトリー事業の業績は、売上高が前期比4.7%増の18,738百万円、セグメント利益が同121.5%増の1,083百万円と大幅増益となった。
従来の主力であった半導体、自動車、精密分野向けは減少したものの、スマートフォン関連の電子部材関連や液晶ディスプレイ、大手eコマース業者向け物流拠点など大型案件が売上げに寄与したことが大きい。業種別売上構成比で見ると、物流分野向けが前期の6.7%から10.8%へ、電気電子分野向けが18.8%から21.6%へと伸張し、全体を牽引したことがうかがえる。
また、利益率も2.7%から5.8%へと上昇したが、これは2011年より収益構造改革の一環として進めてきた顧客の入れ替えによる効果(2年間で顧客の半分が入れ替わった)と、大型案件を中心に現場での生産性改善活動に取り組んできた効果が顕在化したものと思われる。原価低減施策の1つとして、請負業務案件でコストの安い地元企業からの派遣を取り込んだことも改善要因につながっている。例えば、2012年末時点では国内における在籍社員数が6,428名、他社からの派遣受入れ人数が数十名規模であったのに対して、2013年末には在籍社員数が5,660名へと減少する一方で、他社派遣の人数は約700名と増加した。他社派遣の受け入れは、募集費の抑制にもつながっている。
○テクノ事業
テクノ事業の業績は、売上高が前期比3.7%増の6,424百万円、セグメント利益が同60.4%増の571百万円と大幅増益となった。テクノ事業の業種別売上構成比で見ると、主力だった半導体業界向けが前期の58.9%から51.0%と大きく低下したのに対し、情報通信サービス業界向けが14.8%から18.5%へと、自動車業界向けが6.2%から7.1%へとそれぞれ上昇し、全体の売上を牽引する格好となった。
利益率が5.7%から8.9%へと上昇したが、この要因としては、高単価の設計開発分野の売上比率が上昇したことが大きい。在籍人員に関しても設計開発分野が全体の半分を占めるまでになってきている。特に、情報サービス、自動車関連分野での設計開発のニーズが強く、新規顧客の開拓を積極的に行ったことで、顧客数は前期末比69社増の293社に増加し、このうち新規顧客が112社と全体の4割を占めるなど、顧客の構成が変わったことも利益率の上昇要因になったとみられる。
○R&D事業
R&D事業の当期売上高は前期比23.8%増の3,693百万円、セグメント利益は同27.8%減の194百万円と増収減益となった。このうちDOT社の子会社化(2012年11月)で550百万円の増収要因となったが、のれん費用を102百万円計上したことで営業利益は減益となった。DOT社分を除いた既存事業ベースでは1ケタ台の増収増益だったとみられる。再生医療分野や臨床研究分野における需要は旺盛で、顧客数は前期末比17社増の224社に増加した。また、在籍従業員数も需要の拡大に対応するため積極採用し、前期末比で101名増加の687名となった。
○その他
その他の業績は、売上高が前期比6.2%増の5,818百万円、セグメント利益が同33.1%増の281百万円と好調に推移した。特に、アパレル業界向け販売員派遣のCB事業の売上高が、顧客数の増加(前期末比64社増の247社)に伴って大幅に増加したことが牽引した。また、行政受託事業も震災復興関連を中心に堅調に推移した。また、当期より新たにコールセンターオペレーターやオフィス系派遣事業をスタートしたほか、家電製品などの修理・アフターサービスを行うリペア事業も本格化させるなど、事業領域の拡大を進めている。
○情報通信事業
情報通信事業の業績は、売上高が前期比12.3%増の13,092百万円、セグメント利益が同8.2%増の441百万円となった。スマートフォン、携帯電話の販売台数は同4.7%増の31.5万台とややスローダウンしたものの、新たに併設店舗としてスタートした来店型保険ショップ2店舗が順調な滑り出しとなったほか、法人向けLED照明の販売も好調に推移した。来店型保険ショップに関しては、携帯電話と同様、ストック型のビジネスモデルとなるため、当面は費用が先行する格好となるが、今後は安定した収益源に育っていくものとみられる。
なお、スマートフォン、携帯電話の販売台数を四半期別で見ると、第4四半期(2013年7-9月)が前年同期比でマイナス成長となっているが、これはiPhone5Sの発売を待った買い控えの影響によるもので、2013年10-12月の販売台数は前年同期並みまで回復している。
○不動産事業
不動産事業の業績は、売上高が前期比1.3%減の8,683百万円、セグメント利益が同10.8%増の511百万円となった。自社開発物件の新築マンションは首都圏で引渡し戸数が94戸とほぼ予定どおり推移し、売上高で5,166百万円となった。そのほか、宅地等の不動産販売で3,091百万円、販売受託等で426百万円の売上高となり、売上高に関しては期初計画を若干上回って着地した。また、セグメント利益に関しても、建築コストが上昇するなかで、採算重視の仕入れ活動や販売費用の効率化を進めたことで、減益見込みから一転増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2)事業セグメント別動向
事業セグメント別の業績に関してみると、前期比では不動産事業を除いたすべての事業が増収に、セグメント利益ではR&D事業を除いたすべての事業が増益となった。ただ、R&D事業の減益要因はDOT社の子会社化に伴うのれん費用(102百万円)によるものであり、のれん費用を除けば増益となっている。
また、期初計画比で見るとファクトリー事業、テクノ事業、R&D事業がそれぞれ計画を下回った格好となっているが、これはワールドインテック<2429>が発表する事業別業績計画において、人材・教育ビジネスに関しては、営業目標値をそのまま発表していることによる。保守的な数値で発表してしまうと、日々の受注活動において社員の目標達成意識も低下してしまう懸念があるためだ。このため人材・教育ビジネスに関しては元々会社計画が高めに設定してあり、その部分の調整として情報通信事業を保守的な計画で見積もっている。情報通信事業は一般消費者向けの携帯ショップ事業であるため、保守的な計画を立てても、実際の現場への影響はほとんどないためだ。
○ファクトリー事業
ファクトリー事業の業績は、売上高が前期比4.7%増の18,738百万円、セグメント利益が同121.5%増の1,083百万円と大幅増益となった。
従来の主力であった半導体、自動車、精密分野向けは減少したものの、スマートフォン関連の電子部材関連や液晶ディスプレイ、大手eコマース業者向け物流拠点など大型案件が売上げに寄与したことが大きい。業種別売上構成比で見ると、物流分野向けが前期の6.7%から10.8%へ、電気電子分野向けが18.8%から21.6%へと伸張し、全体を牽引したことがうかがえる。
また、利益率も2.7%から5.8%へと上昇したが、これは2011年より収益構造改革の一環として進めてきた顧客の入れ替えによる効果(2年間で顧客の半分が入れ替わった)と、大型案件を中心に現場での生産性改善活動に取り組んできた効果が顕在化したものと思われる。原価低減施策の1つとして、請負業務案件でコストの安い地元企業からの派遣を取り込んだことも改善要因につながっている。例えば、2012年末時点では国内における在籍社員数が6,428名、他社からの派遣受入れ人数が数十名規模であったのに対して、2013年末には在籍社員数が5,660名へと減少する一方で、他社派遣の人数は約700名と増加した。他社派遣の受け入れは、募集費の抑制にもつながっている。
○テクノ事業
テクノ事業の業績は、売上高が前期比3.7%増の6,424百万円、セグメント利益が同60.4%増の571百万円と大幅増益となった。テクノ事業の業種別売上構成比で見ると、主力だった半導体業界向けが前期の58.9%から51.0%と大きく低下したのに対し、情報通信サービス業界向けが14.8%から18.5%へと、自動車業界向けが6.2%から7.1%へとそれぞれ上昇し、全体の売上を牽引する格好となった。
利益率が5.7%から8.9%へと上昇したが、この要因としては、高単価の設計開発分野の売上比率が上昇したことが大きい。在籍人員に関しても設計開発分野が全体の半分を占めるまでになってきている。特に、情報サービス、自動車関連分野での設計開発のニーズが強く、新規顧客の開拓を積極的に行ったことで、顧客数は前期末比69社増の293社に増加し、このうち新規顧客が112社と全体の4割を占めるなど、顧客の構成が変わったことも利益率の上昇要因になったとみられる。
○R&D事業
R&D事業の当期売上高は前期比23.8%増の3,693百万円、セグメント利益は同27.8%減の194百万円と増収減益となった。このうちDOT社の子会社化(2012年11月)で550百万円の増収要因となったが、のれん費用を102百万円計上したことで営業利益は減益となった。DOT社分を除いた既存事業ベースでは1ケタ台の増収増益だったとみられる。再生医療分野や臨床研究分野における需要は旺盛で、顧客数は前期末比17社増の224社に増加した。また、在籍従業員数も需要の拡大に対応するため積極採用し、前期末比で101名増加の687名となった。
○その他
その他の業績は、売上高が前期比6.2%増の5,818百万円、セグメント利益が同33.1%増の281百万円と好調に推移した。特に、アパレル業界向け販売員派遣のCB事業の売上高が、顧客数の増加(前期末比64社増の247社)に伴って大幅に増加したことが牽引した。また、行政受託事業も震災復興関連を中心に堅調に推移した。また、当期より新たにコールセンターオペレーターやオフィス系派遣事業をスタートしたほか、家電製品などの修理・アフターサービスを行うリペア事業も本格化させるなど、事業領域の拡大を進めている。
○情報通信事業
情報通信事業の業績は、売上高が前期比12.3%増の13,092百万円、セグメント利益が同8.2%増の441百万円となった。スマートフォン、携帯電話の販売台数は同4.7%増の31.5万台とややスローダウンしたものの、新たに併設店舗としてスタートした来店型保険ショップ2店舗が順調な滑り出しとなったほか、法人向けLED照明の販売も好調に推移した。来店型保険ショップに関しては、携帯電話と同様、ストック型のビジネスモデルとなるため、当面は費用が先行する格好となるが、今後は安定した収益源に育っていくものとみられる。
なお、スマートフォン、携帯電話の販売台数を四半期別で見ると、第4四半期(2013年7-9月)が前年同期比でマイナス成長となっているが、これはiPhone5Sの発売を待った買い控えの影響によるもので、2013年10-12月の販売台数は前年同期並みまで回復している。
○不動産事業
不動産事業の業績は、売上高が前期比1.3%減の8,683百万円、セグメント利益が同10.8%増の511百万円となった。自社開発物件の新築マンションは首都圏で引渡し戸数が94戸とほぼ予定どおり推移し、売上高で5,166百万円となった。そのほか、宅地等の不動産販売で3,091百万円、販売受託等で426百万円の売上高となり、売上高に関しては期初計画を若干上回って着地した。また、セグメント利益に関しても、建築コストが上昇するなかで、採算重視の仕入れ活動や販売費用の効率化を進めたことで、減益見込みから一転増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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