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ワールドインテック Research Memo(12):14/12期は不動産事業の急拡大が寄与し2ケタ増収増益継続へ

注目トピックス 日本株
■成長戦略

(1)2014年12月期の業績見通し

2014年12月期の連結業績見通しは、売上高が前期比25.1%増の70,620百万円、営業利益が同26.4%増の2,680百万円、経常利益が同18.8%増の2,571百万円、当期純利益が同44.0%増の1,201百万円と2ケタ増収増益を見込んでいる。

その他事業を除くすべての事業で2桁成長を見込むなかでも、とりわけ不動産事業については売上高で前期比72.9%増、セグメント利益で同74.0%増と急拡大する見通し。自社開発の分譲マンションを首都圏で2プロジェクト(73戸)、東北で2プロジェクト(126戸)、また戸建て分譲を首都圏で1プロジェクト(11戸)それぞれ販売することが大きく寄与する。事業別の見通しについては以下のとおり。

○ファクトリー事業

ファクトリー事業の今期業績は、売上高が前期比22.7%増、セグメント利益が同19.8%増を見込む。前期に獲得した大型案件が継続するほか、今期に入って新たに機械分野の大手メーカーから新規大型案件を獲得したことが寄与する。1月から既に稼働しており、当面の契約期間は2014年10月までとなっているが、状況によって延長の可能性もある。第3四半期のピーク時には人員規模として500名程度まで拡大する見込み。稼働初期は立ち上げ負担等で収益面では重しとなるが、後半にかけては収益性も向上してくる見通しだ。

また、前期に大きく伸びたeコマース事業者向けに関しても、追加の案件が打診されてきている。人員の手配にめどがつけば、受注する方向だ。そのほかにも車載系デバイスメーカーの取引が拡大見込みとなっているなど、国内における受注案件は引き続き増加傾向にある。

こうしたなかで懸念されるのが、人材の確保である。前述したように、ワールドインテック<2429>では一部、外部からの派遣を受け入れるなどで対応を進めているが、そのほかにも採用強化の取り組みも進めている。具体的には、派遣応募者の登録受付システムである「Jobpaper」のサイトを2013年9月に全面リニューアルし、スマートフォンにも対応した。こうしたことで、同サイトへのアクセス数が約1.9倍に増加し、また、同サイト経由での応募者数も月平均で従前と比較して9.9倍に急増(月平均33名→327名)するなど、その効果が顕在化しており、今後の受注拡大に対応した人員増加が見込まれる。


○テクノ事業

テクノ事業の今期業績は、売上高が前期比15.3%増、セグメント利益が同20.5%増を見込んでいる。引き続き設計開発分野における高単価の案件に注力し、売上拡大と同時に収益性も高めていく方針だ。今期は大手メーカーと設計分野での共同事業を進めていく。顧客側においても設計開発コストの低減ニーズは強く、同社の人材を活用することによって、トータルコストの削減効果が期待できるといったメリットがある。

また、情報サービス分野では2015年のマイナンバー制度導入を控えて、システムエンジニアの不足が深刻化しており、こうした分野での受注獲得も期待される。課題はファクトリー事業と同様、人材の確保にある。いかに採用コストを抑えながら人材を拡充していけるかがポイントとなってこよう。同社では、子会社のアドバン(パソコンスクール事業)との連携強化により、スクールで育成したエンジニアをテクノ事業で採用していくことも考えている。
○R&D事業

R&D事業の今期業績は、売上高が前期比20.4%増、セグメント利益が同49.0%増を見込む。再生医療分野など今後の成長が見込まれる分野への営業を強化し、新規顧客の開拓を進めていくほか、DOT社とのシナジーを活かしながら、既存顧客内での取引拡大につなげていく考えだ。

特にDOT社に関しては2018年度に売上高で3,000百万円、営業利益率で23.0%を見込んでおり、今後のR&D事業の成長ドライバーとして期待される。超高齢化社会が進む中で、先進医療、再生医療分野での規制改革が進み、DOT社が主力とする臨床試験の受託業務等の需要も拡大していくとみられる。

収益目標を達成するための施策として、営業力の強化や採用力の強化を進めていく。営業力に関してはワールドインテック主導の営業部をスタートさせ、顧客リソースの共有を図ると同時に、新規顧客の開拓においても協業していく。また、採用力の強化に関しては、新卒採用のほか、ワールドインテックとの人材リソースの共有、人材紹介会社に頼らない独自手法による人材採用方法を導入する。DOT社の人員に関しては2014年度の81名から2018年度には286名まで増員していく予定となっている。

また、事業面での強化分野としては、臨床研究では再生医療分野に注力し、海外メーカーの国内窓口としての業務支援サービスなども行っていく方針だ。

○その他

その他事業の今期業績は、売上高が前期比7.7%増、セグメント利益が同20.3%減と唯一減益見込みとなっている。CB事業の拡大が見込まれるほか、前期から立ち上げたOCS(オフィス系派遣、コールセンターオペレーター派遣)事業も拡大が見込まれるが、OCSの拠点開設費用などの先行投資負担が減益要因となる。

○情報通信事業

情報通信事業の今期業績は、売上高が前期比10.7%増、セグメント利益は同10.9%増を見込んでいる。スマートフォンの販売台数はスローダウンが見込まれるものの、過去5年間分の販売実績に応じた手数料収入が見込まれることから、安定した成長が期待できる。また、前期に始めた来店型保険ショップに関しては、状況を見ながら少しずつ店舗を増やしていく意向となっている。

○不動産事業

不動産事業は前述したとおり、首都圏と東北エリアで複数のプロジェクトが寄与することから、今期業績は売上高で前期比72.9%増の15,017百万円、セグメント利益で同74.0%増の889百万円となる見通し。物件の仕入れに関しては、2013年12月期に売上換算で27,300百万円相当分の仕入れを完了している。

既に決まっているプロジェクトとしては表のとおりとなっており、2014年12月期の東北の2つのプロジェクトに関しては、ほぼ売却のめどが立っている模様だ。また、2015年12月期には首都圏、東北に続いて、新たに近畿圏でのマンション販売も開始し、供給戸数も拡大する計画となっている。セグメント利益率に関しては、販売時の市場環境にもよるが大きな変化がなければ、利益率は増収効果によって上昇する可能性が高いとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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