ブイキューブ Research Memo(3):「いつでも、どこでも、誰でも」参加できる「Web会議」サービスが強み
[14/03/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)事業概要
ブイキューブ<3681>の事業を簡単に言えば、「インターネットを経由したビジュアルコミュニケーションサービスの提供」である。この代表例として、Web会議サービス、Webセミナーサービスなどがある。このビジュアルコミュニケーションサービスをクラウドを使って提供する「SaaS(Software as a Service)」(月額課金方式)が同社の主力事業となっている。以下が同社のビジネスモデルの概要である。
●Web会議の特色
以前から電話会議やTV会議などは多くの企業で利用されていたが、これらのサービスを利用するためには特定の機器が必要であり、その機器を設置してある場所でしか利用できなかった。これに対して同社が提供するWeb会議サービスはインターネットを介して提供されるため、ネットへの接続が可能な場所であればどこでも利用が可能である。さらに専用の機器や端末は不要で、一般的なPC、スマホ、携帯電話、タブレット端末などで利用可能である。すなわち、「いつでも、どこでも、誰でも」参加できるのがWeb会議サービスの特色であり、強みである。
●収入の源泉
同社がサービスを提供するのは法人であり、個人とは取引を行っていない。取引先は中小企業から上場大手企業まで幅広く、特定の業種に偏っていることはない。最大参加人数によって月額料金が異なって(5千円から数百万円までとかなり幅広い)おり、5万円〜8万円が最も多い。したがって、契約企業数を増やす(積み上げていく)ことと、1社当たりの利用料を増加させることが同社の売上増(業績向上)につながる。
月額の利用料の幅が広く、少額企業の増加から受ける影響が軽微であるため、利用顧客数こそ公表されていないが、一度契約すると途中解約する企業は少なく、大部分が契約を継続する状況にあるもようだ。
現在では売上高の85%がクラウド型(月額課金型)となっているが、セキュリティの関係からクラウド型を敬遠する顧客もあり、これらの顧客に対しては専用サーバーを使った「オンプレミス型」、つまり「売り切り型」のサービスも提供している。オンプレミス型の価格はクラウド型約3年分の利用料相当のようだが、オンプレミス型でも保守契約は継続されるため、こちらも顧客数を「積み上げる」ことが重要である。
●主なコスト
同社の主なコストは、サーバー、通信回線(専用線)、ソフト開発費、営業費用など。サーバーは外部のデータセンターを活用しているが、一部は同社専用として利用している。顧客(利用量)の増加に伴ってある程度サーバー料金も増加するが、規模が大きくなればなるほど売上高に対する比率は下がっていく。通信回線費用も同様で、売上規模の拡大ほどにはコストは増加しない。言い換えれば、売上高が損益分岐点を越えると、その後の売上増は利益率向上につながる構造になっている。
一方、ソフト開発や営業費用などは「先行投資」的な要素があり、必ずしも規模(売上高)に比例しない場合もある。そのため計画によっては利益率向上の抑制要因になる。先行投資期間として、これらのコストは当面増加する傾向にある。先行投資の内容については、中長期戦略で述べる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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