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ブイキューブ Research Memo(7):55万社がターゲット企業、導入社数拡大に余地あり

注目トピックス 日本株

■中長期戦略

ブイキューブ<3681>は「アジアナンバーワンのビジュアルコミュニケーションプラットフォーム」と言うミッションを掲げ、主に以下の3つを中心に中長期的な事業戦略を進めている。

(1)国内シェアの拡大と潜在市場の開拓

同社では、国内の潜在市場はまだまだ未開拓であり、市場開拓を進めると同時にシェアアップを図ることでさらに国内売上高を伸ばすことは可能と見ている。

総務省の統計では、国内には約421.3万社(大企業1.2万社、中堅企業53.6万社、小規模企業366.5万社)があるが、同社事業のターゲットとなるのは、上位の約55万社だ。現在、この55万社のうち「Web会議」を導入しているのはわずか1万社にとどまっており、さらにこれら1万社の中でも全社導入している企業は少ない。したがって、「Web会議」の市場は、全社導入を加速させること、導入社数を増加させることでまだまだ拡大の余地はあるようだ。

また現在でも画像を使ったコニュニケーションツールとして「TV会議」(ハイエンド)やPCを利用した「ビデオチャット、Skype等」(ローエンド)などの利用は多いが、それぞれ以下のような欠点を持っている。

(TV会議)
・コストが非常に高い(特に拠点数が増加した場合)
・決まった場所でしか利用できない
・資料共有など、映像以外の機能が貧弱
・ハードウェアの故障や陳腐化が激しい

(無料のビデオチャット等)
・セキュリティが不安
・通信の安定性に欠ける
・ビジネス利用のための機能がない
・サポートを受けられない

同社の提供するWeb会議サービスは、これらの欠点を十分に補うことが可能であるため、その弱みを補完するサービスとして、これらの市場の侵食も十分可能と考えられる。同社では、以下のような具体的な戦略によって国内市場の拡大、シェアアップを図っていく方針だ。

●業界再編型M&AやOEM
競合他社との資本提携、OEMなどの実現による業界再編型の国内シェア拡大を目指す。特にOEMについては、上記のように競合企業のなかには大手電機メーカー系列の企業も多く、これらの企業はブランド力を持っているので、同社がOEM製品(サービス)を提供することで双方にメリットが生じる可能性は高い。

●パートナー戦略強化
同社は今までは直販を中心に売上高を伸ばしてきたが、今後はパートナー企業との連携を強めることで、一段と国内販売増、シェアアップを目指す。特に通信キャリアとの提携、他のSaaSサービス会社との連携に加えて代理店網の活性化に力を入れていく方針だ。同社のビジネスモデルは月額課金型なので、その一部をパートナー企業や販売代理店にインセンティブとして還元することで多くの企業が販売協力に参画すると予想される。

●ソリューション提供型サービス
一般的なWeb会議だけでなく「業界特化型ソリューション」を拡大することで同業他社に対する差別化を図る。これにより「単なるWeb会議」からの脱却を加速させる。具体的な例として以下のような案件が進捗中である。

▲金融機関向け
銀行・証券・保険・リースなどの金融機関向けの利用モデル(拠点間会議、研修、顧客向けセミナー、顧客への遠隔訪問、BCP等)を専門チームが営業展開している。

▲医療向け
エムスリー<2413>との戦略子会社(エムキューブ、同社49%)を2014年3月に設立し、この子会社を通じてWeb講演会の展開を皮切りに、メディカルヘルスケア分野でのデファクトスタンダードを目指していく方針。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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