ネクスト Research Memo(3):不動産情報をオープンにする仕組みづくりを目指して創業
[14/03/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)会社沿革
同社<2120>は1997年3月、神奈川県横浜市において、不動産物件情報を無料閲覧できるサービス業務を目的に設立された。創業者であり現代表取締役社長の井上高志氏(いのうえたかし)が大手不動産デベロッパーであるリクルートコスモス(現コスモスイニシア)に勤務していた際に、不動産業界における情報の非対称性(情報が公平に行き渡っていないこと)や、不動産会社の経営合理化の余地に課題を感じていたことから、多くの住宅購入者・賃借人への情報をオープンにし、選択の幅を広げることで、利用者及び不動産会社の双方に利益のある情報インフラの構築を目指したことが設立の経緯となった。1997年4月に、主力となる不動産・住宅情報サイト「HOME’S(ホームズ)」のサービスを開始したが、一定の総掲載物件数や集客力を確保するまでは採算ラインに乗らず、不動産会社のWebサイト構築支援などに依存した経営が続いた。しかし、創業時の理念をぶらさずに続けたことやネット利用者の拡大なども追い風となり、次第にメディアとしての価値を高めながら事業基盤を確立。2002年1月にはコンテンツ強化を狙う楽天<4755>と資本提携を締結するなど、メディア価値を高めながら業績を拡大し、2006年10月には東証マザーズへ上場した。
また、2006年10月に地域情報サイト「Lococom(ロココム)」のサービスを開始。2007年4月には、不動産会社向け業務支援CRMサービスを提供するレンターズを完全子会社化するとともに、伊藤忠商事<8001>の運営する家づくりネット事業並びに伊藤忠エレクトロニクスの運営するリフォーム事業を譲り受けるなど、サービス領域の拡充を図り、2010年3月には東証1部へ市場変更した。また、2011年2月には暮らしとお金の情報サイト「MONEYMO(マネモ)」のサービスも開始した。
同社の大きな転機となったのは2011年1月に実施した料金体系の見直しである。同社は、さらに大きく成長するために、また、創業の想いである情報の非対称性を解消するためにも、総掲載物件数の多さで利用者の利便性を高めるとともに、他社との差別化を図ることがポイントになるとの認識に立ち、それまで掲載物件数に応じて課金していたものを問合せ数に応じて課金する体系に変更した。課金体系の変更により、一時的な業績の落ち込みを招いたものの、総掲載物件数が飛躍的に伸びたことで、総掲載物件数No.1のポジショニングを確立し、現在の同社の成長を支えている。
一方、海外展開については、2012年1月にタイ、同年4月には中国で、それぞれ不動産・住宅情報サイトのサービスを開始した。また、2012年8月にはインドネシアでも不動産・住宅情報サイトのサービスを開始した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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(2)会社沿革
同社<2120>は1997年3月、神奈川県横浜市において、不動産物件情報を無料閲覧できるサービス業務を目的に設立された。創業者であり現代表取締役社長の井上高志氏(いのうえたかし)が大手不動産デベロッパーであるリクルートコスモス(現コスモスイニシア)に勤務していた際に、不動産業界における情報の非対称性(情報が公平に行き渡っていないこと)や、不動産会社の経営合理化の余地に課題を感じていたことから、多くの住宅購入者・賃借人への情報をオープンにし、選択の幅を広げることで、利用者及び不動産会社の双方に利益のある情報インフラの構築を目指したことが設立の経緯となった。1997年4月に、主力となる不動産・住宅情報サイト「HOME’S(ホームズ)」のサービスを開始したが、一定の総掲載物件数や集客力を確保するまでは採算ラインに乗らず、不動産会社のWebサイト構築支援などに依存した経営が続いた。しかし、創業時の理念をぶらさずに続けたことやネット利用者の拡大なども追い風となり、次第にメディアとしての価値を高めながら事業基盤を確立。2002年1月にはコンテンツ強化を狙う楽天<4755>と資本提携を締結するなど、メディア価値を高めながら業績を拡大し、2006年10月には東証マザーズへ上場した。
また、2006年10月に地域情報サイト「Lococom(ロココム)」のサービスを開始。2007年4月には、不動産会社向け業務支援CRMサービスを提供するレンターズを完全子会社化するとともに、伊藤忠商事<8001>の運営する家づくりネット事業並びに伊藤忠エレクトロニクスの運営するリフォーム事業を譲り受けるなど、サービス領域の拡充を図り、2010年3月には東証1部へ市場変更した。また、2011年2月には暮らしとお金の情報サイト「MONEYMO(マネモ)」のサービスも開始した。
同社の大きな転機となったのは2011年1月に実施した料金体系の見直しである。同社は、さらに大きく成長するために、また、創業の想いである情報の非対称性を解消するためにも、総掲載物件数の多さで利用者の利便性を高めるとともに、他社との差別化を図ることがポイントになるとの認識に立ち、それまで掲載物件数に応じて課金していたものを問合せ数に応じて課金する体系に変更した。課金体系の変更により、一時的な業績の落ち込みを招いたものの、総掲載物件数が飛躍的に伸びたことで、総掲載物件数No.1のポジショニングを確立し、現在の同社の成長を支えている。
一方、海外展開については、2012年1月にタイ、同年4月には中国で、それぞれ不動産・住宅情報サイトのサービスを開始した。また、2012年8月にはインドネシアでも不動産・住宅情報サイトのサービスを開始した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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