C&Gシステムズ Research Memo(5):国内のCAD/CAM製品の売上が予想以上に好調
[14/03/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(1)2013年12月期(実績)
●損益の状況
先日発表されたC&Gシステムズ<6633>の2013年12月期の決算は、売上高が3,686百万円(前期比8.8%増)、営業利益が271百万円(同73.1%増)、経常利益が306百万円(同57.8%増)、当期純利益が193百万円(同37.3%増)。
売上高が増加した主要因は下記に述べるように国内のCAD/CAM製品が予想以上に好調であったこと。売上総利益率はほぼ前期並みの61.2%(前期61.4%)であった。販管費は1,985百万円(前期比3.2%増)にとどまったことから営業利益、経常利益は増益となった。ただし、法人税等が増加したことから、当期純利益の増益率は経常利益の増益率よりは低くなった。
セグメント別の売上高は、主力のCAD/CAMシステム等事業が3,158百万円(同14.7%増)となった一方で、金型製造事業は前年度が好調に推移したこともあり、528百万円(同16.6%減)となった。CAD/CAMシステム等事業の仕向地別売上高は国内が2,670百万円(同13.3%増)、北米81百万円(同21.9%増)、アジアが402百万円(同22.9%増)となり、国内とアジアが増収に寄与した。
国内のCAD/CAM製品が好調であった理由として会社側は、「2001年から2012年までの間、国内のCAD/CAM業界全体は低迷したが、この変化に十分に対応できていなかった同業他社が多かった。そのため、2013年になって製造業の国内回帰傾向が強まるなかで、CAD/CAM業界が上向いた際にもこの多くの競合企業がこのリバウンドに対応できなかった。一方で当社はこの間(2001年から2012年)も開発力、サポート力の維持に努めてきたので、業界がリバウンドした際には多くの受注が当社に入ってきた。その証として、保守の更新率は増加傾向にあり、新規顧客からの受注も増加しつつある」と述べている。
海外売上高では、アジア全体の売上高は増収となった。中国の減少をタイやその他の地域がカバーしたとのこと。今後も「China+One」の傾向が強まると見ているようだ。一方で北米は回復傾向にある。
また、セグメント別の営業利益は、主力のCAD/CAMシステム等事業が229百万円(同203.2%増)となった。国内を中心に高付加価値製品の売上高が好調であったことから、営業利益率も7.2%(前期2.7%)へ改善した。一方で、金型製造事業の営業利益は42百万円(同47.5%減)となった。売上高が減少したことに加え、為替変動の影響もあり営業利益率は前年同期の12.8%から7.9%へ悪化した。
●財政状況
2013年12月期末の財政状況は以下のようであった。
総資産は前期末と比べて242百万円増加して3,935百万円となったが、主な増加要因は現預金622百万円、受取手形及び売掛金129百万円の増加、主な減少要因は投資有価証券の売却(535百万円)などであった。
負債は前期末比62百万円増加して1,540百万円となったが、主な増加要因は買掛金58百万円、未払法人税等18百万円、退職給付引当金57百万円の増加、主な減少要因は短期借入金98百万円の減少であった。
純資産は前期末に比べて180百万円増加して2,394百万円となったが、主な増加要因は当期純利益の計上による利益剰余金の増加193百万円であった。
●キャッシュフローの状況
2013年12月期のキャッシュフローは以下のようであった。
同期間の現金及び現金同等物は前期末と比較して556百万円増加し、1,769百万円となった。
営業活動によるキャッシュフローは349百万円の増加となったが、主な増加要因は税金等調整前当期純利益302百万円及び減価償却費101百万円によるもので、主な減少要因は売上債権の増加額117百万円であった。
投資活動によるキャッシュフローは370百万円の増加となったが、主な増加要因は投資有価証券の売却による収入535百万円、主な減少要因は定期預金の預入89百万円、無形固定資産の取得36百万円及び保険積立金の積立40百万円によるもの。
財務活動によるキャッシュフローは194百万円の減少となったが、主な減少要因は長期借入金の返済110百万円及び配当金の支払額76百万円であった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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