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ソフトクリエH Research Memo(8):デジタルマーケティング支援企業への移行を目指す

注目トピックス 日本株
■中期成長戦略

3事業の成長性と収益性を比較すると、ECソリューション事業は過去3年間の年平均売上高成長率が17.3%と最も高く、セグメント利益率(2013年3月期)も21.8%と高い。ソフトクリエイトホールディングス<3371>の中期的成長のメイン・エンジンはECソリューション事業であることが明白だ。そこで以下では、ECソリューション事業の成長可能性を検討する。

ECソリューション事業において顧客から求められるサービスは、ECサイトの構築とその保守・サポートといった従来の枠組みを超えて、顧客の収入拡大のためのマーケティング支援へと質的な変化を見せている。同社経営陣は、こうした顧客ニーズの変化に受け身で対応するのではなく、積極的な経営方針の変更という形で対応する構えだ。ECソリューション事業における新規顧客獲得のペースは年間70〜80社だが、同社はこのペースを加速させるのではなく、ペースを維持する一方で既存顧客を深堀することにより成長を実現していく方針を示している。

既存顧客の深堀とは、デジタルマーケティング事業を強化し、顧客企業のeコマースの広告予算を取り込むことを意味する。同社はインターネット広告代理店事業に本格参入するわけではないが、既存顧客においては専業のネット広告代理店と競合することも想定している。今後の成長戦略として、「単なるECシステムの企業からデジタルマーケティング企業へ」というスローガンを明確に打ち出している。

専業のネット広告代理店に劣らぬマーケティング支援サービスを提供するために、同社はその陣容を整えるとともに、経験・ノウハウを蓄積してきた。具体的には、ECソリューション事業を「ECサイト構築」と「Webプロモーション」の2つのグループに分け、Webプロモーションにおいて、人員の拡充を急いでいる。現状は、Webプロモーションの人員が50人体制にまで成長したが、さらに増員を計画している。一方、ECサイト構築の人員は約200人(契約社員等外部スタッフも含む)で、これは当面は横ばい推移する計画となっている。

同社が提供するWebプロモーションの内容は、ネット広告、Webサイト診断分析及びWebサイトの運用支援など。広告枠の仕入れ販売という伝統的な広告代理店よりは、「アドテクノロジー(アドテク)」と呼ばれる分野のサービスが中心となっている。ネット広告業界全般においても、純広告(広告主が料金を払って自社の原稿を掲載するもの)といわれる領域から、より利幅の取れるアドテク分野の強化にかじを切っているところであり、その意味では、同社の方向性は時代の潮流に沿っていると評価できよう。

このような顧客ニーズの変化とそれに対する同社の対応は、収入構造の変化として数字にも明確に表れている。2010年3月期の売上高は、ECサイト構築が2,639百万円だったのに対して Webプロモーションが171百万円だった。2014年3月期の会社予想では、ECサイト構築4,600百万円、 Webプロモーション700百万円となっている。この4年間の年平均成長率は、ECサイト構築売上高が14.9%、 Webプロモーション売上高が42.2%となる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)



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