エイジア Research Memo(2):導入実績は1,600社以上、通販大手の6割は同社の顧客
[14/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(1)事業概要
同社<2352>の事業セグメントは、主力事業である電子メール配信システムのライセンス販売、クラウドサービスなどが含まれるアプリケーション事業と、ソフトウェアの受託開発やWeb制作、メルマガ代行サービス、マーケティングコンサルティングなどが含まれるサービスソリューション事業に分かれている。直近3期間の売上高推移を見ると、アプリケーション事業が順調に拡大している一方で、サービスソリューション事業は減少傾向が続いている。これは同社が事業構造改革を進めていくなかで、売上高総利益率の高いアプリケーション事業に注力し、ソフトウェアの受託開発事業を意図的に縮小してきたのが主因となっている。ただ、今後はアプリケーション事業を補完・強化していく目的で、サービスソリューション事業を拡大していく方針を打ち出している。
同社の主力事業である電子メール配信システムでは、「WEBCAS」シリーズの開発・販売及びサービスの提供を行っている。電子メール配信システムとしての能力は業界でもトップクラスで、毎時300万通以上の高速配信が可能となっている。顧客層は大手企業から中小企業まで、また幅広い業種で採用されており、導入実績としては1,600社以上にのぼる。特に、eコマース業界の代表業種であり、販促ツールとして電子メール配信システムに高い性能が要求される通信販売業界では、売上高トップ5社のうち3社が同社の顧客となっており、システムの性能、信頼性では業界でも抜きんでた存在となっている。
「WEBCAS」シリーズとしては現在、基幹商品となる「WEBCAS e-mail」を中心に5つのサービスを提供している。
販売形態としては、クラウドサービスでの契約とパッケージ導入版(ライセンス販売)とがある。また、クラウドサービスには標準機能のみのサービスを提供するASP型(※1)と、顧客ニーズにあわせて機能の拡張が可能なSaaS型(※2)とがある。ASP型は比較的規模が小さく、導入費用を低く抑えたいライトユーザー向け、SaaS型は規模の大きいヘビーユーザー向け(配信リスト数が数万件以上)のサービスとなる。また、パッケージ導入版は、自社でサーバーなどの設備を保有し、セキュリティ対策含めて管理・運用を行う顧客向けのサービスとなる。
(※1)ASP型:
Application service providerの略。アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客にサービスとして提供する事業者を指す。利用者はインターネットを経由し、遠隔地からASPのサーバーにアクセスすることで、そのサーバー内に格納されたアプリケーションソフトの機能をサービスの形で利用する。
(※2)SaaS型:
Software as a Serviceの略。必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたアプリケーションソフト、もしくはその提供形態のこと。利用者はインターネット経由し、遠隔地からSaaSのサーバーにアクセスし、必要な機能を利用する。
ここ数年はクラウドサービスに対する需要が旺盛で、アプリケーション事業に占める売上構成比は2013年3月期で56.4%と3年前の33.7%から大きく上昇している。また、クラウドのなかでも、付加価値の高いSaaS型の案件が年々拡大する傾向にある。SaaS型でサービスを提供するためには、カスタム対応が可能な開発力が必要であり、業界のなかでこうした開発スキル、ノウハウを持つのは同社のみとなっていることが要因だ。
また、収益性の観点で見てもクラウドサービスの売上総利益率は80%強と、パッケージ導入版の70%台に比較して高くなっており、継続的な売上収入が見込めるだけでなく、収益性の向上にも寄与していると言える。なお、パッケージ型導入版の需要に関しても、セキュリティ面の問題から自社システム内に導入したいと言うニーズも大企業を中心に残っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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