ウォーターD CORPORATE RESEARCH(3):四半期ベースの推移でみると、売上は過去最高を更新
[14/04/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
同社<2588>の業績を四半期別にみた結果は下表の通り。第3四半期のみでは、売上が前年比3.1億円(15.6%)増の22.8億円、営業利益は1.1億円(53%減)の1.0億円となった。売上高は前期比でも増収を確保し、四半期ベースで過去最高を更新。営業利益も前年比では大幅減となったものの、前期比では0.7億円の増加と、漸減基調には歯止めをかけることとなっている。
■注目点は、(1)逆風をこなしての前期比増収、(2)販管費の減少、(3)売上総利益率の低下基調
四半期別に見た場合の注目点は、以下の3点となろう。まず2013年度第3四半期(10-12月)も前期(7-9月)比で増収を確保できたこと。そもそも第3四半期は、(1)夏場需要期からの季節的反動、(2)顧客獲得に向けての競争激化、(3)OEM増による構成悪化、といった逆風が重なっていた。それら悪条件をこなして増収基調を維持できたのは、それ以上のピッチで顧客数増加を確保したことに因る。このことは、少々の構成悪化は甘受しても、OEMなどで顧客数を一気に増加させる方法が現段階ではかなり効果的であったことを示している。これに関しては後段TOPICS 1にて詳述を加える。
第二には、増加基調にあった販売管理費が前期比で減少に転じたこと。第3四半期利益が前期比で改善となったのはこの効果による寄与が大きい。これは需要期明けに伴って販促費が減少した、ため。季節要因ともいえようが、換言すれば季節要因がストレートに反映される状況になったとも言える。これまでは人件費他その他の費用もまた急速に増加していたが、ここにきて抑制されつつあることが確認できる。業容拡大に伴うコスト増はまだ継続しようが、これまでのような増加ピッチではなくなってきたと可能性があろう。
第三には、売上総利益率(粗利益率)の低下傾向を挙げる。これはOEM増による構成悪化がその主因と考えられよう。顧客件数確保のためには不可避な現象であり、このこと自体は業容拡大の中で許容すべき事象と受け止める。今後もこの傾向が継続するものと考えておくべきであろう。
■特に、3Qの売上総利益率低下は要注意
ただし、第3四半期に限ってみると、粗利益率の(対前期比)悪化はあまりないと想定していた。そもそも第2四半期は、OEMによる構成悪化と併せて、富士吉田工場増強に伴う作業効率悪化も粗利益率低下の一因となっていたはず。第3四半期は少なくともその影響が消失するため、その分は粗利益率悪化が緩和されると予想していたからである。しかし現実は、前期比で1.1ptの悪化。前述の通り、OEM顧客拡大の影響がそれだけ大きいのだと言えようが、このことは粗利益率が将来速いピッチで低下するリスクを示してもいる。
(執筆:株式会社エヌ・ジー・アイ・コンサルティング リサーチアナリスト 長井 亨)
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同社<2588>の業績を四半期別にみた結果は下表の通り。第3四半期のみでは、売上が前年比3.1億円(15.6%)増の22.8億円、営業利益は1.1億円(53%減)の1.0億円となった。売上高は前期比でも増収を確保し、四半期ベースで過去最高を更新。営業利益も前年比では大幅減となったものの、前期比では0.7億円の増加と、漸減基調には歯止めをかけることとなっている。
■注目点は、(1)逆風をこなしての前期比増収、(2)販管費の減少、(3)売上総利益率の低下基調
四半期別に見た場合の注目点は、以下の3点となろう。まず2013年度第3四半期(10-12月)も前期(7-9月)比で増収を確保できたこと。そもそも第3四半期は、(1)夏場需要期からの季節的反動、(2)顧客獲得に向けての競争激化、(3)OEM増による構成悪化、といった逆風が重なっていた。それら悪条件をこなして増収基調を維持できたのは、それ以上のピッチで顧客数増加を確保したことに因る。このことは、少々の構成悪化は甘受しても、OEMなどで顧客数を一気に増加させる方法が現段階ではかなり効果的であったことを示している。これに関しては後段TOPICS 1にて詳述を加える。
第二には、増加基調にあった販売管理費が前期比で減少に転じたこと。第3四半期利益が前期比で改善となったのはこの効果による寄与が大きい。これは需要期明けに伴って販促費が減少した、ため。季節要因ともいえようが、換言すれば季節要因がストレートに反映される状況になったとも言える。これまでは人件費他その他の費用もまた急速に増加していたが、ここにきて抑制されつつあることが確認できる。業容拡大に伴うコスト増はまだ継続しようが、これまでのような増加ピッチではなくなってきたと可能性があろう。
第三には、売上総利益率(粗利益率)の低下傾向を挙げる。これはOEM増による構成悪化がその主因と考えられよう。顧客件数確保のためには不可避な現象であり、このこと自体は業容拡大の中で許容すべき事象と受け止める。今後もこの傾向が継続するものと考えておくべきであろう。
■特に、3Qの売上総利益率低下は要注意
ただし、第3四半期に限ってみると、粗利益率の(対前期比)悪化はあまりないと想定していた。そもそも第2四半期は、OEMによる構成悪化と併せて、富士吉田工場増強に伴う作業効率悪化も粗利益率低下の一因となっていたはず。第3四半期は少なくともその影響が消失するため、その分は粗利益率悪化が緩和されると予想していたからである。しかし現実は、前期比で1.1ptの悪化。前述の通り、OEM顧客拡大の影響がそれだけ大きいのだと言えようが、このことは粗利益率が将来速いピッチで低下するリスクを示してもいる。
(執筆:株式会社エヌ・ジー・アイ・コンサルティング リサーチアナリスト 長井 亨)
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