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ウォーターD CORPORATE RESEARCH(5):増収増益基調は継続も、増収ピッチは過去最低にとどまろう

注目トピックス 日本株
■業績動向

同社<2588>の2014年度は、売上で2013年度予想比17億円(19%)増の105億円、営業利益は同2.0億円(44%)増の6.5億円を予想。売上は創業9年目にして100億円に到達する見通しながら、伸び率は創業来最も低い伸び率に留まろう。顧客数前提は、期中平均で18%増の27.5万件、期末は12%増の29.0万件。

■売上増は、合弁会社向けなどOEMの伸長が貢献。天候要因の消失も底上げに繋がろう

売上面では、引き続き顧客数の増加が牽引役となる。特に光通信<9435>との合弁会社アイディール・ライフの寄与が顧客数増に大きく貢献する見通し。また、(1)2013年度の酷暑でむしろ需要が伸び悩んだ反動、(2)大雪の影響の消失、といった特殊要因も売上の底上げに繋がろう。顧客1件当たりの水消費量は5%程度の上昇を見込んだ。ただし、OEM(アイディール・ライフ向けもOEM)の売上構成拡大は平均単価の引き下げ要因となることも確か。顧客数増(期中平均で18%増)、単位消費用の増加(5%)を想定するにもかかわらず、売上が19%の増加にとどまると見るのはこのため、である。ここでは1月発足予定の合弁販売会社の売上寄与は5億円程度、損益寄与はほとんどないとの前提を置く。

■ただし、売上総利益率はさらに低下。PET容器内製化投資やOEM増による構成悪化、が影響しよう

損益的には、売上総利益率で0.7ptの悪化を想定する。単純に見れば、(1)2013年度にあった能力増強工事のフル寄与、(2)それに伴う作業効率の改善、(3)大雪による影響の解消などの寄与から、本来は利益率の改善があってもおかしくないはず。それでも悪化を想定するのは、(a)2014年度はPET容器内製化工事が始まり、償却負担増や作業効率の一時的な低下が発生する可能性がある、(b)OEM増に伴って製品構成は悪化が避けられない、と考えるためである。特に、2013年度第3四半期の利益率低下が急であったことを勘案すると、上記の改善要因だけでこの流れを吸収するのは難しいと判断。より保守的な前提を採ることとした。ただし、売上総利益ベースでは売上総利益率の悪化を売上規模の拡大で吸収。売上総利益段階で12億円の増益になると予想する。

■営業増益見通しは、売上総利益率の低下、販管費増を売上高の拡大で吸収する構図

販売管理費では、販売子会社コストが増加する他、「クリティア25*」の直販も競争激化に併せて販促費用の捻出が求められよう。宅配コストも人手不足は急速に深刻化しており、これらも利益圧迫要因になると考える。販売管理費全体では前年比10.0億円の増加を想定。これらを併せた営業利益では前年比2.0億円の増加を、税金負担を差し引いた当期利益では1.1億円増の3.4億円を予想する。一株当たりの利益は44.3円、期中平均基準のROEは15.1%となろう。

■従来見通しとの比較では、利益率前提引下げにより営業利益を減額修正

従来見通しとの比較では、売上想定は据え置きとしたものの、営業利益では1.0億円を減額修正。これは2013年度第3四半期に見られた売上総利益率の低下が予想以上であったことを反映させたもの。従来は売上総利益率前提を75.2%としていたが、今回は74.3%とおよそ1pt引き下げており、これにより利益見通しを1億円減額させている。なお、期末顧客件数前提は、従来の27.7万件としていたが、今回は29.0万件に引き上げている。これも2013年度の顧客件数前提を引き上げたことに因るものだが、OEM増に伴って想定平均販売単価を引き下げたため、売上想定は従来見通し継続となっている。

(執筆:株式会社エヌ・ジー・アイ・コンサルティング リサーチアナリスト 長井 亨)



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