ソフトバンテク Research Memo(1):成長に向けた布石は打たれている
[14/04/21]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ソフトバンク・テクノロジー<4726>は、オンラインビジネス関連の各種サービスを提供する「イービジネスサービス事業」と、企業内システムの設計から構築、保守、運用に加えて、クラウド環境への移行支援サービスを行う「ソリューション事業」の2つをコア事業としている。現在、同社は企業内のビックデータを解析し、実際の業務戦略の策定につなげるデータサイエンス、及びセキュリティの分野に注力している。
同社は、2014年1月に通期業績予想を修正。売上高は20億円増額して360億円(前期比+10.1%)としたものの、営業利益を4億円減額修正し13億円(同-11.2%)とした。売上高については、旺盛な情報システム需要を取り込み、エンジニアの採用増など体制強化を図ってきた結果、狙い通りソリューション事業のサービスインテグレーションビジネス、Microsoftソリューションにおいて受注が好調に推移した。しかし、想定以上に外注コストが増加したことなどの理由により、営業利益を減額修正した。
同社は、2014年3月期を「中長期的な成長に向けた投資の時期」と位置付けている。その中で、同社の成長戦略が着実に進んでいる点は注目すべきであろう。同社は、中期的にサービスプロバイダーとなることを志向しており、そのために、2014年3月期は(1)サービスラインアップの拡充と自社開発の新サービスの立ち上げ、(2)成長を加速するためのM&Aの推進、(3)採用の積極化と体制の強化などを行った。
(1)サービスラインアップの拡充・新サービスに関しては、Webマーケティング分野でのGoogleとの関係強化の実現に加えて、Adobeのクラウドマーケティングソリューションをフルラインアップで提供できるAdobeプレミアムパートナーとなった。新サービスに関しては、SaaS型ビッグデータプラットフォームサービス「4D Pocket」を提供開始。セキュリティ分野でマカフィーと提携してセキュリティ監視サービス「McAfee SIEM運用サービス」を開始した。また、子会社のM-SOLUTIONSにおいてもスマートデバイス向けアプリケーション「Smart at」のサービス拡充を進めている。
(2)M&Aに関しては、注力分野と位置付けているデータサイエンス及びセキュリティ分野の強化のため、2013年6月のWebアクセス解析の環、2014年3月に認証サービス大手のサイバートラストを子会社化した。また、Webフォント分野で提携していたフォントワークスの子会社化も実施した。
(3)採用に関しては、2014年3月期は123名の採用を実施。2015年3月期も100名の採用を行う方針となっている。
2015年3月期は、2014年3月期に行った取り組みが実を結ぶことが期待される。なお、同社の2014年3月期連結決算は、4月24日に発表される予定となっている。
■Check Point
・2014年3月期は受注拡大で増収も、コスト増加などにより減益の計画
・サービス化の進展により長期に安定した収益を確保する戦略
・新規事業強化のため、2015年3月期も引き続き100名の採用を行う方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)
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