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ソフトバンテク Research Memo(3):サービスプロバイダーとして成長を目標に掲げ成長戦略を実行中

注目トピックス 日本株

■成長戦略の進展

同社<4726>は、今後の成長戦略と、そのために必要な構造改革に関して、明確な計画や展望を打ち出し、2014年3月期もそれを着実に実行している。

(1)中期的な姿

同社は中期的な成長の展望として、「サービスプロバイダーとして成長する」というスローガンを掲げている。具体的には、スポット的なシステム構築を請け負うのではなく、クラウドコンピューティングによるサービスや、データサイエンス、及びセキュリティの分野に代表される。ストックビジネスによるサービスを提供するサービスプロバイダーになることで長期に安定した収益を確保していくという戦略である。

2014年3月期の施策は、(a)サービスラインアップの拡充と新サービスの立ち上げ、(b)成長を加速するためのM&A、(c)採用の積極化と体制の強化と総括できる。以下にその内容を解説する。

(2)サービスラインアップの拡充

(a)Googleとの関係性強化

同社は、2013年7月にGoogle Analytics Premiumの取扱いを開始したが、2014年3月に、ゲーム事業などを展開するフリュー(本社:東京都渋谷区)が運営するプリントシール機の画像取得・閲覧サービス「ピクトリンク」に導入を発表するなど着実に実績を積み上げている。

また、2014年2月には、Googleとの間で、ビッグデータ解析をクラウド上で行うためのプラットフォーム「Googleクラウドプラットフォーム」の企業への導入を支援するサービスパートナー契約を結んだ。このプラットフォームを使ったWeb解析や、ビッグデータ解析・分析サービスを行う。

(b)Adobeプレミアムパートナー

また、従来から関係性の深いAdobeとも関係強化を進めている。2013年10月から5つのクラウドマーケティングソリューション「Adobeマーケティングクラウド」を提供できるAdobeプレミアムパートナーになった。これにより顧客のデジタルマーケティング活用のさらなる加速を支援する体制が整った。

同社のデータサイエンス分野における強みは、長年のWebマーケティング分野における実績に基づく経験であり、他社が容易に追随できない分野である。同社がGoogle、Adobe双方のサービスを展開できる背景には長年の実績が基盤にあるからだと総括できる。一方で、顧客層の拡大が大きな課題となっていた。2014年3月期の取り組みはその課題の解決につながるものであり、将来のサービスプロバイダーへの構造転換を図る意味での貴重な一歩とも考えられよう。

(c)4D Pocket

4D Pocketとは、データを集める・貯める・処理する・出力する・管理する・活用する、といった一連のSaaS型プラットフォームを、一気通貫で提供するサービスのこと。このサービスにより、お客様は自社内の膨大なデータを安全な環境で高速処理できるようになる。2013年10月よりサービス提供を開始した。

同社はこのサービスを、将来ビックデータを有する企業との提携を行う際のデータ格納インフラと位置付けている。このサービスは同社がデータサイエンス分野を強化していく上で貴重な一歩と評価できよう。

(d)マカフィーと提携したセキュリティ監視サービスの開始

2014年3月にセキュリティ大手のMcAfeeと提携し、企業向けセキュリティ監視サービス「McAfee SIEM運用サービス」をスタートさせた。マカフィーの企業向けネットセキュリティシステム「McAfee SIEM」をソフトバンク・テクノロジーが運用し、企業向けにサービスを提供する。

マカフィーが提供するシステムは、個々のセキュリティログを関連付けて分析することで、既存のアンチウィルスやセキュリティログはもちろん、これまでのログ分析では発見できなかった未知の脅威やリスクも可視化できる。また、日々発生するセキュリティ警告に優先順位を付けて対応することも可能となっている。

ソフトバンク・テクノロジーが有する高セキュリティルームを活用し、24時間365日の監視体制に加えて問題発生時の即時対応、さらには蓄積されたデータの高度な分析・レポーティングサービスを顧客に提供する。

(e)Smart at(スマート アット)

同社の子会社であり、アプリケーション開発を専門するM-SOLUTIONSは、iPad対応業務支援アプリケーション「Smart at」のサービスラインアップ強化を進めている。2013年8月には見積支援サービス「Smart at est」を発表したことに加えて、2014年3月にはiPadを活用して無人受付業務を行うことのできるサービス「Smart at Reception」の提供を開始した。

企業の業務用iPadの利用拡大を背景に、「Smart at」シリーズの需要は高く、今後もお客様のニーズに対応した新製品を開発していく方針。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)



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