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インテリックス Research Memo(3):事業サイクルの速さと内装工事における技術開発力に強み

注目トピックス 日本株
■事業概要

(2)同社の強み

同社<8940>の強みは、第1に、採算が見込める優良物件を迅速に仕入れる体制を構築していることが挙げられる。同社の場合、毎月1,200〜1,300件ペースで不動産仲介会社から送られてくる売却物件情報に関して、1〜2日の間で現場の状況を確認し、最終的に仕入れるかどうかの判断を行っている。現場サイドに大半の決定権を委ねているためできることだが、通常、大手不動産会社であれば1週間程度の時間がかかると言われている。同じタイミングで売却物件情報が流れたとしても、同社の意思決定スピードが速いため、同業他社よりも良い物件を仕入れる可能性が高くなる。こうして絞り込まれた物件を月当たり90〜100件ペースで仕入れ、リノヴェックスマンションとして販売していることになる。また、物件の仕入から施工、販売までの事業期間が3〜4ヶ月と短いことも強みとなっている。短い事業期間によって、市況変動リスクを軽減することが可能となる。

第2の強みとして内装工事における技術開発力が挙げられる。同社では独自開発したGood-Infill工法を内装工事で採用している。Good-Infill工法とは、工場で事前に加工した木質パネルを、施工現場で組み立てる工法で、施工が簡単で熟練工でなくてもほぼ均一な品質で仕上げることが可能になるといったメリットがある。今後、深刻化する熟練工不足の時代には打ってつけの工法と言える。また、同工法ではネジやクギをほとんど使わずに、大半は接着剤を使って繋ぎ合わせる作業となるため、騒音や振動が発生しにくく、近隣住戸にも配慮した工法でもある。また、天井、壁、床の6面すべてに断熱材を敷き詰めることで高断熱、高気密を実現。冷暖房費やCO2排出量の削減も可能となっている。施工期間としては60平方メートルの広さで従来は2〜3週間かかっていた作業を、5日間程度で完了することができ、大幅な期間短縮を実現している。このGood-Infill工法を採用したリノベーション・パッケージが「エコキューブ」で、2011年より販売を開始している。

同社ではこうした競争力のある技術を自社のみで抱えるのではなく、他社物件の請負工事にも展開していく方針を打ち出している。自社の成長だけでなく、リノベーションマンション全体の普及拡大を進めていくことが、ひいては同社の業容拡大にもつながっていくと考えているためだ。築年数を重ねた中古マンションには断熱材が入っていない物件も多いことから、6面断熱で冷暖房効率を高めた「エコキューブ」の需要は、今後増えていくものと思われる。

なお、リノベーションしたマンションには最長10年のアフターサービス保証を付けていることも同社の特徴となっている。保証を付けることによって入居者にとって「安心」「快適」が得られるだけでなく、不動産仲介業者にとっても物件を販売しやすくなり、リノベーションマンションの需要拡大につながっていくとみている。

また、同社は2014年2月より、多様化するライフスタイルに対応する新たな住空間を提案するものとして、可動間仕切「どこでもウォール」を導入したリノヴェックスマンションの販売を開始した。

「どこでもウォール」を用いることで、居住者のライフスタイルや家族構成の変化に応じて、部屋の間取りを居住者自身で自由に変化させることが可能となる。同社では今後販売するリノヴェックスマンションの約1割に相当する年間100件程度の販売を予定している。今後も、こうした住空間プランニングにおいて、居住者の利便性、快適性の向上につながる新たな提案、開発に取り組んでいく方針であり、こうした開発力も同社の強みの1つになっていると言えよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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