システムインテグレータ Research Memo(2):4つの主力製品で事業展開、新製品ではサービス型ビジネスを展開
[14/05/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
(1)主力製品の特長と業界ポジション
システムインテグレータ<3826>は独立系のソフトウェア開発会社で、パッケージソフトの開発販売及び保守サービス、コンサルティング業務などを行っている。また、新製品に関しては基本的にクラウドサービス型での事業展開を指向している。現在の主力製品は「SI Web Shopping」「SI Object Browser」「SI Object Browser PM(以下、OBPM)」「GRANDIT」の4製品があり、新製品として2012年12月より「SI Mobile Portal(以下、モバポタ)」、2013年6月より「SI Object Browser Designer(以下、OBDZ)」が加わっている。
○「SI Web Shopping」
ECサイト構築パッケージソフト「SI Web Shopping」の特徴は、大規模ECサイトに強いということにある。具体的には、売上金額が数百億円規模となる大量のトランザクション処理に対応可能なスケーラビリティと、高いセキュリティ機能を有しており、スマートフォン等のモバイル対応機能や、英語、中国語など多言語への対応も行っている。発売以降1,100超のECサイトに導入実績があり、主な導入企業としてはノジマ<7419>やグンゼ<3002>、ケンコーコム<3325>がある。
ECサイト構築パッケージ業界でのポジションは、大規模事業者向けに限定すれば同社と、ecbeing(ソフトクリエイトホールディングス<3371>子会社)、コマース21の3社が競合しており、また、一部の大企業では内製化しているケースもある。
○「SI Object Browser」シリーズ
同シリーズは開発分野における総合プロジェクト管理システムとなる「OBPM」、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」のほか、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER(以下、OBER)」、データベース運用ツール「SI Object Browser ReadOnly Edition」、そして2013年6月にリリースしたアプリケーション設計支援ツール「SI Object Browser Designer(以下、OBDZ)」がラインナップされている。これらの製品は図にみられるようにソフトウェア開発の各工程で使われる格好となる。
「SI Object Browser」「OBER」は発売以降、1.3万社、24万ライセンスの出荷実績があり、国内ではデファクトスタンダード(事実上の標準)となっている。また、「OBPM」に関しても2010年4月の発売以降、80社超に導入されるなど着実に普及が進んでいる。「OBPM」は開発案件の進捗状況などを管理するツールで、不採算案件プロジェクトの発生を未然に防止し、開発部門における生産性向上に寄与するツールとなる。同社自身も「OBPM」を2012年2月期より導入しており、不採算案件プロジェクトの減少につなげている。「OBPM」の対象顧客は、現時点ではIT企業が中心となっているが、いずれは製造業などの異業界向けにも展開していく計画を立てている。
○「GRANDIT」
ERPパッケージ「GRANDIT」は13社からなるコンソーシアム形式で運営されている。パッケージの企画元は同社で、付随する関連モジュールを各社で開発し、それぞれで販売している。2004年の発売以降、主に中堅規模の企業を顧客ターゲットとして市場シェアを伸ばし、現在、「GRANDIT」はERPパッケージ市場で着実にシェアを高めている。導入実績はコンソーシアム全体で約660社、2,870モジュール超となっている。このうち同社の納入実績は、コンソーシアムのなかでトップの実績を誇っている。
国内のERP市場は全体で約1,000億円規模とみられるが、顧客規模別に棲み分けがなされている。大企業向けではSAPやOracleが圧倒的に強いが、中堅企業クラスではこれら大手ベンダーの製品は導入費用が高く、コスト面で適した製品では、上記2社以外の各社が開発、参入している。同社の競合となるのは、富士通<6702>の「GLOVIA」やオービック<4684>の「OBIC7」などがあげられる。
「GRANDIT」の最大の特徴は、ブラウザ(IE)のみで利用可能なWebベースのERPパッケージという点にある。競合製品の多くはC/S型で、ハードウェアに依存するERPとなる。「GRANDIT」はハードウェアに依存しないため、IEが動作する環境であれば、どこでもシステムの利用が可能となる。また、ソフトウェアの更新もWeb上で完結するため、ハードウェアごとにインストールする作業も不要となる。こうした長所はWindows XPのサポートが終了する2014年春以降、優位性をより顕在化させる可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(1)主力製品の特長と業界ポジション
システムインテグレータ<3826>は独立系のソフトウェア開発会社で、パッケージソフトの開発販売及び保守サービス、コンサルティング業務などを行っている。また、新製品に関しては基本的にクラウドサービス型での事業展開を指向している。現在の主力製品は「SI Web Shopping」「SI Object Browser」「SI Object Browser PM(以下、OBPM)」「GRANDIT」の4製品があり、新製品として2012年12月より「SI Mobile Portal(以下、モバポタ)」、2013年6月より「SI Object Browser Designer(以下、OBDZ)」が加わっている。
○「SI Web Shopping」
ECサイト構築パッケージソフト「SI Web Shopping」の特徴は、大規模ECサイトに強いということにある。具体的には、売上金額が数百億円規模となる大量のトランザクション処理に対応可能なスケーラビリティと、高いセキュリティ機能を有しており、スマートフォン等のモバイル対応機能や、英語、中国語など多言語への対応も行っている。発売以降1,100超のECサイトに導入実績があり、主な導入企業としてはノジマ<7419>やグンゼ<3002>、ケンコーコム<3325>がある。
ECサイト構築パッケージ業界でのポジションは、大規模事業者向けに限定すれば同社と、ecbeing(ソフトクリエイトホールディングス<3371>子会社)、コマース21の3社が競合しており、また、一部の大企業では内製化しているケースもある。
○「SI Object Browser」シリーズ
同シリーズは開発分野における総合プロジェクト管理システムとなる「OBPM」、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」のほか、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER(以下、OBER)」、データベース運用ツール「SI Object Browser ReadOnly Edition」、そして2013年6月にリリースしたアプリケーション設計支援ツール「SI Object Browser Designer(以下、OBDZ)」がラインナップされている。これらの製品は図にみられるようにソフトウェア開発の各工程で使われる格好となる。
「SI Object Browser」「OBER」は発売以降、1.3万社、24万ライセンスの出荷実績があり、国内ではデファクトスタンダード(事実上の標準)となっている。また、「OBPM」に関しても2010年4月の発売以降、80社超に導入されるなど着実に普及が進んでいる。「OBPM」は開発案件の進捗状況などを管理するツールで、不採算案件プロジェクトの発生を未然に防止し、開発部門における生産性向上に寄与するツールとなる。同社自身も「OBPM」を2012年2月期より導入しており、不採算案件プロジェクトの減少につなげている。「OBPM」の対象顧客は、現時点ではIT企業が中心となっているが、いずれは製造業などの異業界向けにも展開していく計画を立てている。
○「GRANDIT」
ERPパッケージ「GRANDIT」は13社からなるコンソーシアム形式で運営されている。パッケージの企画元は同社で、付随する関連モジュールを各社で開発し、それぞれで販売している。2004年の発売以降、主に中堅規模の企業を顧客ターゲットとして市場シェアを伸ばし、現在、「GRANDIT」はERPパッケージ市場で着実にシェアを高めている。導入実績はコンソーシアム全体で約660社、2,870モジュール超となっている。このうち同社の納入実績は、コンソーシアムのなかでトップの実績を誇っている。
国内のERP市場は全体で約1,000億円規模とみられるが、顧客規模別に棲み分けがなされている。大企業向けではSAPやOracleが圧倒的に強いが、中堅企業クラスではこれら大手ベンダーの製品は導入費用が高く、コスト面で適した製品では、上記2社以外の各社が開発、参入している。同社の競合となるのは、富士通<6702>の「GLOVIA」やオービック<4684>の「OBIC7」などがあげられる。
「GRANDIT」の最大の特徴は、ブラウザ(IE)のみで利用可能なWebベースのERPパッケージという点にある。競合製品の多くはC/S型で、ハードウェアに依存するERPとなる。「GRANDIT」はハードウェアに依存しないため、IEが動作する環境であれば、どこでもシステムの利用が可能となる。また、ソフトウェアの更新もWeb上で完結するため、ハードウェアごとにインストールする作業も不要となる。こうした長所はWindows XPのサポートが終了する2014年春以降、優位性をより顕在化させる可能性がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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