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あらた Research Memo(2):事業環境の変化にM&Aによる規模の拡大で対応

注目トピックス 日本株
■会社概要

(1)会社沿革

あらた<2733>グループは2002年にダイカ(札幌)、伊藤伊(名古屋)、サンビック(福岡)と日用品の地域卸3社が経営統合したのち、徳倉(徳島)が加わって誕生した。その後もM&Aを通じて規模の拡大、取扱商品の拡大や機能の拡充を図っており、現在の顧客数は全国で約5,300社、4.5万店舗にのぼり、約1,300社の取引先から14.4万品目にわたる商品を仕入れて、これら顧客へ供給している。

経営統合を通じて規模の拡大を図っている理由としては、顧客であるホームセンターやドラッグストアなどが経営統合によって広域化してきたこと、小売価格が低迷して卸価格への引き下げ圧力が高まってきたことなどの事業環境の変化が挙げられる。食品と比べて地域性が薄い日用品では地域卸売業としての特色は出しにくく、広域化、全国展開は必然だったと言える。また一方で、売上規模の拡大した顧客からの卸価格引き下げ圧力などの厳しい要求にこたえるためにも、仕入規模を拡大し仕入先への価格交渉力の強化や、統合によるシナジー効果を利用した物流費、間接費等のコスト削減も進めてきた。それがグラフの(1)の時期にあたる。

その後のM&A、新会社設立や業務提携は、グラフの(2)の時期に見られるように卸売業としての機能面の充実を目指した案件も増加している。連結子会社ジャペルは生体を含むペット用品の総合卸で、ペット関連の売り場作りに強みを持っており、高い専門性を持つ。また、持分法適用関連会社の電通リテールマーケティングは、同社の仕入先であるメーカーと共同でマスメディアを活用した広告を企画し顧客への提案を行っており、連結子会社のインストアマーケティングはその提案した広告と顧客の店頭との連動によって、売上高が上がるように店頭管理を行っている。食品卸の日本アクセスや、医薬品卸のアルフレッサホールディングス<2784>との業務提携は、近年、食品の売上高比率が5割以上に高まっているドラックストアチェーンがあるなど、顧客の店頭の変化への対応によるものとなっている。

要約すると、同社はグラフの(1)の時期において全国的な規模の拡大を図り、同(2)の時期において規模の拡大と同時の機能の拡充を進めてきたと言える。足元および今後の中期経営計画の期間においては、従前の規模および機能の強化はもちろん、物流拠点の再構築や間接業務のスリム化など「次世代型卸商社」の確立に向けた更なる構造改革に取り組んでゆく期間となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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