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パイプドビッツ<3831>中期経営計画2017、積極的なM&Aよる事業拡大などで営業益5倍目指す

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』6月5日放送において、パイプドビッツ<3831>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■企業概要
自社製品である「SPIRAL (スパイラル)」というプラットフォームをクラウド型で提供するユニークなIT 企業である。中堅企業・大企業向けプラットフォームの提供だけでなく、特定の業界(美容業界や建築業界等) 向けに自社開発したアプリケーションの販売も行っている。

■「SPIRAL」の特徴
「SPIRAL」の最大の特徴は、自由なカスタマイズ性にある。同社自身が「SPIRAL」の機能を組み合わせて自社の業務用システムや特定顧客(分野) 向けのアプリケーションを開発しており、金融機関のような極端に高い信用度を求められる分野を除けば、世に存在するあらゆる業務系のシステムを「SPIRAL」の機能の組み合わせによって作ることができると言っても過言ではない。以前はこのような業務系のシステムは、一般的にはSIer (システムインテグレーター)と呼ばれる事業者が構築していた。しかし、SIer が従来行っていた業務の大半は「SPIRAL」の機能を組み合わせることで置き換えが可能であり、顧客企業自身が各種の開発やシステム構築を行うことができるようになっている。

■「SPIRAL」の具体的な機能
「SPIRAL」の持っている機能は多岐にわたるが、最も基本的な機能は、例えば顧客企業がWeb を通じてデータベースを管理する上で、データベースの作成から「登録/更新/削除」などのデータ操作、一括データ登録、ダウンロードなどが簡単にできる点である。具体的には、企業がWeb を通じてアンケートを実施し、市場調査や新製品の評価を行うような場合、企業側では「SPIRAL」を使用して、ごく手軽にアンケートを作成し、それをターゲットとする顧客や見込み客の元に届け、アンケートに回答してもらい、それを回収することができる。顧客情報のデータベースに満足度調査のアンケートを関連付ければ、それがそのまま顧客属性に応じた分析になり、満足度の向上のためのフォローアップも可能になる。アンケート結果はリアルタイムで集計され、その結果をそのまま報告書に仕上げることもできる。「SPIRAL」を通じて、これらの一連の作業を簡単な操作で行うことができる。

■14年2月期業績
2014 年2 月期は売上高2,517 百万円(前期比12.6% 増)、営業利益564 百万円(同72.7% 増)、経常利益565 百万円(同74.2% 増)、当期純利益342 百万円(同83.8% 増) と前期比では大幅増収増益となった。

主力である情報資産プラットフォーム事業の売上高が増加したのは、下図のように2014 年2 月期末の有効アカウント数が10,096 (前期末比+ 4,995) と大きく増加したことに加え、多様なサービス提供によってアカウント当たりの金額が増加したことが背景。

■15年2月期業績見通し
2015 年2 月期は売上高3,200 百万円(前期年比27.1% 増)、営業利益700 百万円(同23.9% 増)、経常利益700 百万円(同23.7% 増)、当期純利益420 百万円(同22.6% 増) が予想されている。
同社のビジネスモデルはストック型であること、主力となるPaaS はさらに発展が期待できること、年間のアカウントの解約率は2 〜 3% 程度にとどまっていること、さらに製品に対する引き合い自体は強含みであることなどから判断して、この目標が達成される可能性は高そうだ。

■新中期計画について
新しい中期経営計画2017 【次世代IT ベンダーへと革新する3 ヶ年】を発表した。数値目標は、3 年後の2017 年2 月期に売上高9,200 百万円(2014 年2 月期実績比約3.7 倍)、営業利益2,800百万円(同約5.0 倍)を計画している。この計画を達成するために主に以下の3 つの重要施策を掲げている。

○カンパニー制導入による新規事業の経営判断の迅速化及び収益力の強化
○積極的なM&A よる事業拡大
○人材の積極的採用と育成

■カンパニー制の導入
主な新規事業に対してカンパニー制を導入した。この狙いは、新規事業での経営判断の迅速化、収益力の強化、対象業種のワークスタイルへの適合のためなどである。例えば美容業界向けに特化した「美歴」の営業では、主な顧客が美容院であることから顧客の休日は火曜・水曜が多い。これに対して同社の営業社員が土曜・日曜に休みを取っていたら営業効率が悪い。そこで「美歴事業」では独自のカンパニー制によって休日や勤務時間を自由に決めることが可能になり営業効率を上げられる。今までのところ「美歴事業」と「政治山事業」にカンパニー制を導入しているが、状況に応じて他の事業にもカンパニー制の導入を検討する。

■M&A による事業拡大
同社ではM&A も重要な事業戦略と位置付け常に候補企業を探している。現在でもいくつかの案件を検討中のようだが、同社のM&A 対象となるのは主に2 つのグループ。1 つ目は下記に述べるアズベイスのように、同社が持っていないサービスを提供できる企業で、同社のプラットフォームへ組み込むことで顧客はより広いサービスを受けられるようになる。言い換えれば「兄弟サービス」を提供できる企業が候補となる。2 つ目の対象は、その企業自体はIT の能力は薄いがIT が非常に遅れている業界に精通した企業。そのような企業が同社と組むことで、その業界のIT 化を促進することが可能になる。

■M&Aの具体的な事例
M&A 戦略のひとつとして、2014 年3 月に株式交換によってアズベイスを100%子会社化した。アズベイスの主力事業は音声・電話によるソリューション(コールセンター業務、テレマーケティング等)であるが、音声ソリューションはOne-to-One の対応であることから今まではデータがまとめにくく、同社でも作ることができなかった分野である。しかしアズベイスと連携することで、音声・電話ソリューションを同社の主力製品であるSPIRAL に載せることが可能になり顧客の満足度は大きく向上する。

アズベイスの子会社化は、単に同社の連結売上高や営業利益の数値が上乗せされるだけでなく、既存製品であるスパイラルでの+α (相乗効果) が期待できる点が大きい。またアズベイスは技術開発型の企業であり、営業はオンプレミス(売り切り) 型であったが、同社グループに加わることで今後はクラウドでの事業展開も可能になり、アズベイス自体の事業拡大も期待できる。

■人材の積極的採用と育成
今回の中期経営計画では人員を積極的に採用する。特に今期は数十名程度(主に営業) の採用を予定している。(下図参照) さらに前回中計の反省から、採用数だけでなくトレーニング(研修・教育) にも注力していく。既に営業のエース級人材3 名を専任トレーナーとして新規採用人員の教育を行っている。実際にこれらの人材が戦力化するのは1 〜 2 年後と予想され、売上高への寄与は2016 年2 月期の後半からになる見込みだが、同社では人材教育の手綱は緩めない方針だ。今回の中計の最終年度である2017 年2 月期には、この効果が示現するものと期待される。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送





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