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大研医器 Research Memo(7):新製品投入で成長ポテンシャルは拡大

注目トピックス 日本株
■成長戦略

大研医器<7775>は5年後の売上高30,000百万円の達成を目指している。既存の主力製品は年間500百万円程度の増収ペースが続く見通しだが、それに加えて新製品・新領域への展開や海外マーケットへの本格参入で一気に売上高を伸ばしていく戦略だ。


(1)MEMS技術を活用した新製品

成長戦略の目玉として挙げられるのが、MEMS※1技術を活用した新製品の展開だ。MEMSデバイスを搭載した新製品を、既存領域だけでなく新領域で事業展開していく。MEMSデバイスを使うことで従来製品よりも、小型化かつ低コスト化を実現することが可能であり、今後の成長分野の1つとして注目されているものである。

同社はMEMS技術を持つ複数の企業と共同開発を進めており、既に一部の製品は基礎研究を終えている。具体的には、胸腔手術などで用いるドレナージ※2であり、MEMSデバイスを使った業界初の製品となるだけに、注目度は大きいと言えよう。なお、現在のドレナージ製品の国内市場規模は約5,400百万円となっており、シェア開拓による売上増効果は大きいと言えよう。

その他にも様々な新領域への展開と既存領域での応用が考えられており、今後も同技術を使った新製品が開発、商品化される見通しだ。また、販売戦略においても、国内だけでなく欧米市場に展開していくことを視野に入れている。現在の海外売上比率は2〜3%の水準にとどまっているが、MEMS製品の投入で一気に海外売上高を伸ばす可能性がでてきたと言えよう。


(2)肺炎起因菌の即時同定検査システム

肺炎起因菌を即時で検査判定するシステムを東京医科大と共同で開発している。肺炎は原因となる菌の種類が数多くあり、治療法もそれぞれの菌によって変わってくる。ただ、現在は菌の特定には3日〜1週間かかると言われており、菌の特定に至るまでに症状が悪化し、亡くなる高齢患者も多い。肺炎が死亡原因の第3位と上位に位置しているのも菌の判別時間の長さが原因の1つとなっていると言っても過言ではない。このため菌の特定を瞬時に判別できる検査システムが強く望まれていた。今回、同社が開発する検査システムでは30分程度で複数の菌を即時に同定できる仕様のものを目指している。製品化されれば潜在的な需要は相当額に上るとみられ、今後の動向が注目されよう。

以上、見てきたように同社の中期的な成長ポテンシャルは今後、上記新製品の投入により一段と高まり、2016年3月期以降は新たな成長ステージに突入する公算が大きくなったと弊社ではみている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)



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