ADワークス Research Memo(8):高付加価値かつ低コストのサービス提供で顧客の囲い込みへ
[14/06/09]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■成長戦略
(1)クローズド・マーケット創造に向けた取り組み
クローズド・マーケットの創造に向けた具体的な取り組みとしては、2014年1月にエ
ー・ディー・ワークス<3250>が発足したA.D.W.グループオーナーズクラブ「torch」
が挙げられる。同クラブは同社が販売した物件オーナーを対象にした会員制クラブで
サービス内容としては、専属のプライベートコンサルタントがつくほか、不動産経営
診断システム「IEドック」(Investment Efficiency)による無料診断サービスの提
供、各種セミナーや交流会等、会員交流を目的としたイベントへの参加が可能とな
る。
このうち特に注目されるのが、「IEドッグ」となる。同システムは、オーナーの資産
状況や家族構成等の属性情報を入力すると、手持ち物件の売却時にかかる税金費用や
資産の変動推移、節税ポイント等を時間軸でグラフ化できるようにしたもので、今ま
でにはなかったサービスとなる。不動産投資の際には極めて有効な情報ツールとして
注目され、顧客の囲い込みを進めるうえでの有力な武器となる可能性がある。
2014年3月末時点の会員数は142名となっており、2017年3月には240名を目標(プロパ
ティ・マネジメントサービスのみの顧客、及び見込み客を含めると300名)としてい
る。今後、年間で新規顧客向けに40棟ペースで販売を行い、このうち約9割となる35
名程度が会員になると試算している。仮に1件当たりの販売額が250百万円とすると、
新規顧客だけで年間10,000百万円の売上高が見込める計算となり、これに既存顧客の
買い替えや追加購入等が上乗せされる格好となる。
また、新規顧客の開拓を進めるにあたって、新たな取り組みにも着手している。同社
が未開拓エリアであった地方の個人富裕層の取り込みだ。野村総合研究所<4307>の調
べによれば、富裕層(金融資産1億円以上)の世帯数は全国で76万世帯あり、また超
富裕層(同5億円以上)だけでも5万世帯はあるとみられている。地方においてもこう
した富裕層は多く存在しており、同社の潜在的な顧客となる。
具体的な取り組みとしては、地方に営業ネットワークを幅広く持つ金融機関との提携
が挙げられる。特に富裕層の顧客を持つ証券会社や地方銀行等との提携を今後積極的
に展開していくものとみられる。地方の富裕層においても人気の高い都心部での不動
産投資ニーズは高く、金融機関と提携することで、地方での顧客開拓が進むものと期
待される。
前述したように個人富裕層の不動産投資ニーズは、景気の影響を受けにくく安定した
需要が見込まれる。このため、個人富裕層に特化して事業を展開する同社において
も、今後、顧客数の拡大が進むにつれ、収益の安定性が増してくるのは想像に難くな
い。顧客に質の高い不動産物件を販売するだけでなく、その後の様々なニーズ(不動
産運用見直し、節税対策、相続対策等)に応えていくことで長期的な信頼関係を構築
し、参入障壁の高い「クローズド・マーケット」を創り上げていく戦略だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
<FA>
(1)クローズド・マーケット創造に向けた取り組み
クローズド・マーケットの創造に向けた具体的な取り組みとしては、2014年1月にエ
ー・ディー・ワークス<3250>が発足したA.D.W.グループオーナーズクラブ「torch」
が挙げられる。同クラブは同社が販売した物件オーナーを対象にした会員制クラブで
サービス内容としては、専属のプライベートコンサルタントがつくほか、不動産経営
診断システム「IEドック」(Investment Efficiency)による無料診断サービスの提
供、各種セミナーや交流会等、会員交流を目的としたイベントへの参加が可能とな
る。
このうち特に注目されるのが、「IEドッグ」となる。同システムは、オーナーの資産
状況や家族構成等の属性情報を入力すると、手持ち物件の売却時にかかる税金費用や
資産の変動推移、節税ポイント等を時間軸でグラフ化できるようにしたもので、今ま
でにはなかったサービスとなる。不動産投資の際には極めて有効な情報ツールとして
注目され、顧客の囲い込みを進めるうえでの有力な武器となる可能性がある。
2014年3月末時点の会員数は142名となっており、2017年3月には240名を目標(プロパ
ティ・マネジメントサービスのみの顧客、及び見込み客を含めると300名)としてい
る。今後、年間で新規顧客向けに40棟ペースで販売を行い、このうち約9割となる35
名程度が会員になると試算している。仮に1件当たりの販売額が250百万円とすると、
新規顧客だけで年間10,000百万円の売上高が見込める計算となり、これに既存顧客の
買い替えや追加購入等が上乗せされる格好となる。
また、新規顧客の開拓を進めるにあたって、新たな取り組みにも着手している。同社
が未開拓エリアであった地方の個人富裕層の取り込みだ。野村総合研究所<4307>の調
べによれば、富裕層(金融資産1億円以上)の世帯数は全国で76万世帯あり、また超
富裕層(同5億円以上)だけでも5万世帯はあるとみられている。地方においてもこう
した富裕層は多く存在しており、同社の潜在的な顧客となる。
具体的な取り組みとしては、地方に営業ネットワークを幅広く持つ金融機関との提携
が挙げられる。特に富裕層の顧客を持つ証券会社や地方銀行等との提携を今後積極的
に展開していくものとみられる。地方の富裕層においても人気の高い都心部での不動
産投資ニーズは高く、金融機関と提携することで、地方での顧客開拓が進むものと期
待される。
前述したように個人富裕層の不動産投資ニーズは、景気の影響を受けにくく安定した
需要が見込まれる。このため、個人富裕層に特化して事業を展開する同社において
も、今後、顧客数の拡大が進むにつれ、収益の安定性が増してくるのは想像に難くな
い。顧客に質の高い不動産物件を販売するだけでなく、その後の様々なニーズ(不動
産運用見直し、節税対策、相続対策等)に応えていくことで長期的な信頼関係を構築
し、参入障壁の高い「クローズド・マーケット」を創り上げていく戦略だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
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