アイ・エス・ビー<9702>電力自由化でスマートグリッドに欠かせないスマートメーターに期待
[14/06/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』6月9日放送において、アイ・エス・ビー<9702>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■事業概要
同社は1970年創業の情報サービス企業。携帯端末、基地局など通信制御のソフトウェア開発に強みを有する。独立系でメーカーの系列色がないことと、技術力の高さを売り物に、国内の大手携帯端末メーカー各社、大手SI事業者などと、幅広く共同開発などを行ってきた。それがさらに同社にとってノウハウや経験の蓄積となって現在の競争力につながっている。今後は、そうしたノウハウを生かして、ソフトウェアの開発企業から、ITサービスを提供することで収益を上げる企業へと脱皮を図る方針だ。
■足元の業績は
中期経営計画の初年度である2013年12月期決算は、売上高が前期比11.0%増、営業利益が同71.7%増、経常利益が同66.8%増、当期利益が同27.5%減とほぼ中期経営計画どおりの着地となった。
2014年12月期は全部門で前期比増収を計画。連結子会社のノックスデータの完全子会社化に伴うのれん発生益のため、決算発表と同時に純利益を上方修正した。修正後の通期計画は、売上高が前期比19.0%増の140.00億円、営業利益が同43.3%増の5.60億円、経常利益が同26.9%増の5.69億円、純利益が同2.6倍の6.17億円を見込んでいる。
■来期見通しは
今後は、医療機器における画像ライブラリソフト「L-Share」や、訪問看護向け業務管理システム「caretive(ケアティブ)」、運送事業者向けの運行管理・配車システムなど「新事業」と位置付ける新規サービスの売上状況と、新規顧客獲得の動向が注目される。こうした事業は来期に向けて大きく勢成長するとみており、2015年の創立45周年に向けて、グループ売上140億円、営業利益率5.0%を目標として、変容する新市場に適合できる企業利益体質に改革し、次への新たなる飛躍を目指す。
■中長期的なシナリオは
中長期の成長シナリオでは、スマートグリッドに欠かせないスマートメーターに期待がかかる。東京電力<9501>など電力大手はスマートメーターの配布を本格的に開始するが、同社では独立行政法人情報通信研究機構(NICT)と共同でスマートメーターと家庭内にある機器を管理するシステムとの無線通信用ソフトウェアの開発に成功している。同システムは東京電力が提供するスマートメーターと宅内エネルギー管理システム間の無線通信方式に採用された。スマートメーターの本格普及が進む2〜3年後に向けて試作品開発に着手する一方、収益最大化を狙えるビジネスモデルの検討も始めている。技術力は従来から定評があるだけに、製品開発と販売力が備わってくれば同社が目指すサービス提供型企業への変身も着実に進むとことが期待される。
■財務状況は
同社の2013年12月期実績ベースの自己資本利益率(ROE)は6.0%だった。この値は上場企業平均からは若干低い値だ。資産の収益性を示す総資産経常利益率(ROA)は7.2%と、ROEを上回っている。同社の期末有利子負債残高はわずかに70百万円での推移が続いており、財務レバレッジの活用には余地があるようにみられる。
ROAをマージン(利益率)と総資産回転率に分解すると、売上高営業利益率は3.3%、総資産回転率は1.88回/年となっている。総資産回転率は、大きな生産設備を有しない情報サービス業界の企業によくみられるように、同社も高い値を示している。一方、3.3%という売上高営業利益率は、大いに改善の余地があると言える。同社は、リーマンショック後に企業のIT投資が縮小した影響を受けて業績が急落し、2010年12月期と2011年12月期は連続して営業損失に陥った。この状況を受けて、創業来初めての希望退職者の募集に踏み切り、売上高販管費率は15%前後から10%前後へと大きく改善した。
■株主還元策に関しては
同社はかねてより株主還元には高い意識を有している。配当による還元を基本としており、業績悪化局面でも安定配当を継続してきた実績がある。同時にまた、配当性向30%を還元率の目安として公表しており、業績拡大局面では、相応の株主還元を行う姿勢を表明している。中期経営計画の目標が計画通り実現されれば1株当たり利益も拡大することになり、配当もそれに応じた拡大が期待できる。
同社はまた、発行済み株式総数の約12%を自社株として保有している。これを消却してしまえば株主還元と同様の効果をもたらすことになる。一方で、同社は自社株の消却については慎重に行うとしており、将来起こるかもしれないM&Aの折などに、買収通貨として有効に活用することなども視野に入れているようである。したがって、株式消却については、当面はニュートラルのスタンスと言えよう。
■足元の株価動向は
他の新興市場の銘柄同様、足元反転基調が強まっている。本日4月戻り高値1110円を上抜けたことで、3月につけた年初来高値1370円を意識した展開が期待できよう。価格帯別売買高では1250円レベルの商いが非常に多く、この水準では戻り待ちの売り圧力が強まるとの見通しだが、その手前は商いがほとんどない真空地帯となっていることで、短期的には1250円レベルが目先のターゲットに。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■事業概要
同社は1970年創業の情報サービス企業。携帯端末、基地局など通信制御のソフトウェア開発に強みを有する。独立系でメーカーの系列色がないことと、技術力の高さを売り物に、国内の大手携帯端末メーカー各社、大手SI事業者などと、幅広く共同開発などを行ってきた。それがさらに同社にとってノウハウや経験の蓄積となって現在の競争力につながっている。今後は、そうしたノウハウを生かして、ソフトウェアの開発企業から、ITサービスを提供することで収益を上げる企業へと脱皮を図る方針だ。
■足元の業績は
中期経営計画の初年度である2013年12月期決算は、売上高が前期比11.0%増、営業利益が同71.7%増、経常利益が同66.8%増、当期利益が同27.5%減とほぼ中期経営計画どおりの着地となった。
2014年12月期は全部門で前期比増収を計画。連結子会社のノックスデータの完全子会社化に伴うのれん発生益のため、決算発表と同時に純利益を上方修正した。修正後の通期計画は、売上高が前期比19.0%増の140.00億円、営業利益が同43.3%増の5.60億円、経常利益が同26.9%増の5.69億円、純利益が同2.6倍の6.17億円を見込んでいる。
■来期見通しは
今後は、医療機器における画像ライブラリソフト「L-Share」や、訪問看護向け業務管理システム「caretive(ケアティブ)」、運送事業者向けの運行管理・配車システムなど「新事業」と位置付ける新規サービスの売上状況と、新規顧客獲得の動向が注目される。こうした事業は来期に向けて大きく勢成長するとみており、2015年の創立45周年に向けて、グループ売上140億円、営業利益率5.0%を目標として、変容する新市場に適合できる企業利益体質に改革し、次への新たなる飛躍を目指す。
■中長期的なシナリオは
中長期の成長シナリオでは、スマートグリッドに欠かせないスマートメーターに期待がかかる。東京電力<9501>など電力大手はスマートメーターの配布を本格的に開始するが、同社では独立行政法人情報通信研究機構(NICT)と共同でスマートメーターと家庭内にある機器を管理するシステムとの無線通信用ソフトウェアの開発に成功している。同システムは東京電力が提供するスマートメーターと宅内エネルギー管理システム間の無線通信方式に採用された。スマートメーターの本格普及が進む2〜3年後に向けて試作品開発に着手する一方、収益最大化を狙えるビジネスモデルの検討も始めている。技術力は従来から定評があるだけに、製品開発と販売力が備わってくれば同社が目指すサービス提供型企業への変身も着実に進むとことが期待される。
■財務状況は
同社の2013年12月期実績ベースの自己資本利益率(ROE)は6.0%だった。この値は上場企業平均からは若干低い値だ。資産の収益性を示す総資産経常利益率(ROA)は7.2%と、ROEを上回っている。同社の期末有利子負債残高はわずかに70百万円での推移が続いており、財務レバレッジの活用には余地があるようにみられる。
ROAをマージン(利益率)と総資産回転率に分解すると、売上高営業利益率は3.3%、総資産回転率は1.88回/年となっている。総資産回転率は、大きな生産設備を有しない情報サービス業界の企業によくみられるように、同社も高い値を示している。一方、3.3%という売上高営業利益率は、大いに改善の余地があると言える。同社は、リーマンショック後に企業のIT投資が縮小した影響を受けて業績が急落し、2010年12月期と2011年12月期は連続して営業損失に陥った。この状況を受けて、創業来初めての希望退職者の募集に踏み切り、売上高販管費率は15%前後から10%前後へと大きく改善した。
■株主還元策に関しては
同社はかねてより株主還元には高い意識を有している。配当による還元を基本としており、業績悪化局面でも安定配当を継続してきた実績がある。同時にまた、配当性向30%を還元率の目安として公表しており、業績拡大局面では、相応の株主還元を行う姿勢を表明している。中期経営計画の目標が計画通り実現されれば1株当たり利益も拡大することになり、配当もそれに応じた拡大が期待できる。
同社はまた、発行済み株式総数の約12%を自社株として保有している。これを消却してしまえば株主還元と同様の効果をもたらすことになる。一方で、同社は自社株の消却については慎重に行うとしており、将来起こるかもしれないM&Aの折などに、買収通貨として有効に活用することなども視野に入れているようである。したがって、株式消却については、当面はニュートラルのスタンスと言えよう。
■足元の株価動向は
他の新興市場の銘柄同様、足元反転基調が強まっている。本日4月戻り高値1110円を上抜けたことで、3月につけた年初来高値1370円を意識した展開が期待できよう。価格帯別売買高では1250円レベルの商いが非常に多く、この水準では戻り待ちの売り圧力が強まるとの見通しだが、その手前は商いがほとんどない真空地帯となっていることで、短期的には1250円レベルが目先のターゲットに。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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