ビーエスピーResearch Memo(2):メインフレーム向けの製品が創業以来の安定収益源で高い収益性を誇る
[14/06/16]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■会社概要
(1)事業内容
ビーエスピー<3800>は、金融業、製造業を始め、幅広い業種向けに、基幹業務システムの運用管理等を行うパッケージソフトウェア(以下、製品)の開発、販売、サービスを主力としている。独自のノウハウを活かした運用コンサルティングや人材育成等の周辺業務の他、新規事業として運用代行サービスも開始した。金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム向けの製品が創業以来の安定収益源となっており、高い収益性を誇っている。ジョブ管理や帳票管理などITシステム運用の自動化、効率化に貢献することで同社の業績も着実な成長を実現してきた。
一方、同社はシステムのオープン化やダウンサイジング化の進展、クラウドの普及など、外部環境の変化を事業拡大の好機と捉え、事業構造変革にも着手した。ITシステム運用の自動化、効率化に加えて、企業価値創造へも貢献できる分野へ事業領域を拡充することで、成長を加速する方針である。
2014年3月期までの事業セグメントは、以下の4つに区分される。
(a)プロダクト事業
基幹業務システムの運用管理のうち、オープン系の製品を取り扱っている。運用自動化、帳票、ITサービスマネジメント(ITMS)の3つの領域における自社製品の開発・販売・サポートを行うとともに、他社製品も一部取り扱っている。製品の使用権の許諾料(ライセンス料)及び製品価格の一定割合の保守サービス料が収益源である。また、2013年3月より需要が拡大しているクラウドサービス「Be.Cloud」も開始した。
(b)メインフレーム事業
基幹業務システムの運用管理のうち、金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム系の自社製品を取り扱っている。メインフレーム系製品の利用者からは、翌年度以降に、保守サービス料として製品価格の一定割合を受け取っている。同社創業以来の主力事業であり、安定収益源となっている。
(c)ソリューション事業
ITサービス領域におけるソリューションサービス(システム構築のコンサルティング、人材育成サービス等)や、会員制サービス「シスドック」(ITシステム運用に関する専門的なアドバイスを定期訪問により提供)、経営に貢献する運用部門の構築に向けたメソッドである「ASMO」を用いたソリューションサービス(企業価値分析や組織改革、人材育成等)などを行っている。
(d)運用BPO事業
同社が提唱するITシステム運用部門が企業価値創造に貢献するためのコンセプト「運用レス」に基づき、2014年3月期(2013年10月)から開始した運用代行サービスである。具体的には、ITシステム運用に関する改善提案から、システム構築、システム移行、プロジェクトマネジメント、サービスデスク構築などの支援を行う。
2014年3月期実績でメインフレーム事業が売上高の56.1%を占めるとともに、営業利益のほとんどを稼ぎ出しており、同社の高い収益性を支えている。
顧客数(同社製品の導入企業数)は800社を超えるが、大手企業による導入実績が多くみられる。業種別売上構成比では、幅広い業種に対応しているが、製造、小売・流通、金融・保険の比率が比較的高い。
販売チャネルは、直販が主体であるが、一部(帳票等)にパートナー経由のものもある。
連結子会社は、ソリューション事業を展開するビーエスピーソリューションズと、中国の販売拠点であるBSP上海の2社が存在する。
事業構造変革の一環として、2014年1月にビーコンIT(同社が1993年7月に独立した際、母体であった)を連結化(持ち分比率53.55%)した。2015年3月期からの事業セグメントは以下のように変更される。
(a)システム運用事業
これまでのプロダクト事業とソリューション事業、運用BPO事業を併せたものである。
(b)メインフレーム事業
これまでのメインフレーム事業をそのまま継続するものである。
(c)データ活用事業
ビーコンITの連結化により新たに取得した事業。データ処理の高速化や運用機能の強化など、データ活用のためのソフトウェアの開発・販売及びデータ活用に関するコンサルティング等を行う。
(d)その他事業
ビーコンITの連結化により新たに取得した事業。ビーコンITのc以外の事業であり、
事業継続対策の構築・運用・保守のサポートや人材派遣管理用のSaaSなどが含まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<FA>
(1)事業内容
ビーエスピー<3800>は、金融業、製造業を始め、幅広い業種向けに、基幹業務システムの運用管理等を行うパッケージソフトウェア(以下、製品)の開発、販売、サービスを主力としている。独自のノウハウを活かした運用コンサルティングや人材育成等の周辺業務の他、新規事業として運用代行サービスも開始した。金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム向けの製品が創業以来の安定収益源となっており、高い収益性を誇っている。ジョブ管理や帳票管理などITシステム運用の自動化、効率化に貢献することで同社の業績も着実な成長を実現してきた。
一方、同社はシステムのオープン化やダウンサイジング化の進展、クラウドの普及など、外部環境の変化を事業拡大の好機と捉え、事業構造変革にも着手した。ITシステム運用の自動化、効率化に加えて、企業価値創造へも貢献できる分野へ事業領域を拡充することで、成長を加速する方針である。
2014年3月期までの事業セグメントは、以下の4つに区分される。
(a)プロダクト事業
基幹業務システムの運用管理のうち、オープン系の製品を取り扱っている。運用自動化、帳票、ITサービスマネジメント(ITMS)の3つの領域における自社製品の開発・販売・サポートを行うとともに、他社製品も一部取り扱っている。製品の使用権の許諾料(ライセンス料)及び製品価格の一定割合の保守サービス料が収益源である。また、2013年3月より需要が拡大しているクラウドサービス「Be.Cloud」も開始した。
(b)メインフレーム事業
基幹業務システムの運用管理のうち、金融機関や大手企業を中心としたメインフレーム系の自社製品を取り扱っている。メインフレーム系製品の利用者からは、翌年度以降に、保守サービス料として製品価格の一定割合を受け取っている。同社創業以来の主力事業であり、安定収益源となっている。
(c)ソリューション事業
ITサービス領域におけるソリューションサービス(システム構築のコンサルティング、人材育成サービス等)や、会員制サービス「シスドック」(ITシステム運用に関する専門的なアドバイスを定期訪問により提供)、経営に貢献する運用部門の構築に向けたメソッドである「ASMO」を用いたソリューションサービス(企業価値分析や組織改革、人材育成等)などを行っている。
(d)運用BPO事業
同社が提唱するITシステム運用部門が企業価値創造に貢献するためのコンセプト「運用レス」に基づき、2014年3月期(2013年10月)から開始した運用代行サービスである。具体的には、ITシステム運用に関する改善提案から、システム構築、システム移行、プロジェクトマネジメント、サービスデスク構築などの支援を行う。
2014年3月期実績でメインフレーム事業が売上高の56.1%を占めるとともに、営業利益のほとんどを稼ぎ出しており、同社の高い収益性を支えている。
顧客数(同社製品の導入企業数)は800社を超えるが、大手企業による導入実績が多くみられる。業種別売上構成比では、幅広い業種に対応しているが、製造、小売・流通、金融・保険の比率が比較的高い。
販売チャネルは、直販が主体であるが、一部(帳票等)にパートナー経由のものもある。
連結子会社は、ソリューション事業を展開するビーエスピーソリューションズと、中国の販売拠点であるBSP上海の2社が存在する。
事業構造変革の一環として、2014年1月にビーコンIT(同社が1993年7月に独立した際、母体であった)を連結化(持ち分比率53.55%)した。2015年3月期からの事業セグメントは以下のように変更される。
(a)システム運用事業
これまでのプロダクト事業とソリューション事業、運用BPO事業を併せたものである。
(b)メインフレーム事業
これまでのメインフレーム事業をそのまま継続するものである。
(c)データ活用事業
ビーコンITの連結化により新たに取得した事業。データ処理の高速化や運用機能の強化など、データ活用のためのソフトウェアの開発・販売及びデータ活用に関するコンサルティング等を行う。
(d)その他事業
ビーコンITの連結化により新たに取得した事業。ビーコンITのc以外の事業であり、
事業継続対策の構築・運用・保守のサポートや人材派遣管理用のSaaSなどが含まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<FA>