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特許ポートフォリオからみた三菱ケミカルグループと大陽日酸<4091>のシナジー効果(1)

注目トピックス 日本株
1.はじめに
三菱ケミカルホールディングス<4188>は先月13日、大陽日酸<4091>の普通株式を対象として公開買付を実施することにより、大陽日酸<4091>を連結子会社化すると発表した。最大で1072億円を投じ、大陽日酸<4091>の普通株式の51%を取得する予定であるが、子会社化後も大陽日酸<4091>の上場は維持するとしている。

三菱ケミカルホールディングス<4188>は、三菱化学、田辺三菱製薬<4508>及び三菱樹脂の3社を基幹事業会社として2008年に発足した。その後、2010年に三菱レイヨンを株式公開買い付けにより完全子会社化し、機能商品、ヘルスケア及び素材などの幅広い分野において事業を展開している。

一方の大陽日酸<4091>は、国内初となる酸素発生装置の開発以来、酸素、窒素、アルゴンなどの産業ガスを製造するプラントを中核として事業を展開してきた産業ガスメーカーである。同社も三菱ケミカルホールディングス<4188>と同様に合併の歴史を持つが、その前身となる大陽東洋酸素は、三菱化学と産業ガスの製造事業で合弁を行うなどの提携関係にあった。当時、三菱化学は大陽東洋酸素の株式34.85%を保有しており、大陽日酸<4091>発足後も市場での株式の取得を経て2009年末までに三菱化学の大陽日酸<4091>に対する株式所有割合は15.12%となっていた。

今回の連結子会社化後、大陽日酸<4091>のメディカル事業における医療用ガス・関連機器の三菱ケミカルホールディングス<4188>を通じた拡販、三菱ケミカルホールディングス<4188>の人工炭酸泉、炭素繊維容器の大陽日酸<4091>を通じた拡販をはじめとして、あらゆる事業において協業の可能性を模索するとしている。また、大陽日酸<4091>のパイピングによる国内大口顧客向けガス供給事業により培った安定供給ノウハウを、三菱ケミカルホールディングス<4188>が今後手がける新たな海外生産拠点で活用していく。それに加え、長期安定的なガス供給体制を確立した上で、近隣市場への液化ガス、シリンダーガス及びガス関連機器需要も取り込んでいくとしている。

このように、大陽日酸<4091>の連結子会社化により、同社の産業ガス関連事業を中心とした様々な事業領域においてシナジー効果を生み出すとしている両社であるが、特許ポートフォリオの観点から見た場合には、相互に補完関係にあるのだろうか。本レポートでは、当社の提供する特許俯瞰解析ツールTechRadarを用いて、両社の特許群を俯瞰し、補完関係にあるか否かを分析した。

XLUS TechRadarを活用した技術開発動向分析
【執筆】VALUENEXコンサルティング株式会社




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