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特許ポートフォリオからみた三菱ケミカルグループと大陽日酸<4091>のシナジー効果(2)

注目トピックス 日本株
2.TechRadarによる特許俯瞰解析

分析対象としたのは、三菱化学、三菱レイヨン、三菱樹脂、田辺三菱製薬<4508>及び大陽日酸<4091>と各社の合併・社名変更前の出願人名を含む1993年から2014年4月までに公開された日本国公開特許公報、公表特許公報、再公表特許公報約45,000件である。

早速TechRadarによる特許俯瞰図をみると、グループ各社の特許が「フィルム」、「アクリレート」などの素材領域を中心に、「有機電界発光素子」、「リチウム二次電池」、「磁気記録媒体」などの応用領域に広がって分布していることがわかる。
この中でまず、グループの中核を担う三菱化学は、「アクリレート」、「感光体」などの領域を中心に、「ガス」、「管継手」、「光ファイバ」などの領域を除く大半の領域に一定数以上の出願を行っていることが分かる。

三菱レイヨンは、「アクリレート」領域を中心に、「炭素繊維」、「紡糸」、「中空糸膜」、「浄水器」、「光ファイバ」などの三菱化学の出願が比較的少ない領域に多く分布している。
三菱樹脂も同様であり、「フィルム」領域を中心としながら、「管継手」、「容器」などの三菱化学の出願が少ない領域に分布している。

田辺三菱製薬<4508>は、「薬剤」、「遺伝子」領域が中心である。このように、現状の三菱ケミカルグループは、三菱化学を中心としながら、三菱レイヨン、三菱樹脂、田辺三菱製薬<4508>の基幹3社が三菱化学の手がけていない領域を担い、グループ全体で相互に補完関係にあることがわかる。

さて、ここで同グループが連結子会社化する予定である大陽日酸<4091>であるが、現状の三菱ケミカルグループにおいて比較的手薄になっている「ガス」領域を中心に分布しており、三菱ケミカルグループに対し補完関係にあることがわかる。「気相成長装置」領域にも一定数の出願を行っているほか、三菱樹脂が多く分布している「容器」領域にも一定数の出願がみられる。

XLUS TechRadarを活用した技術開発動向分析
【執筆】VALUENEXコンサルティング株式会社




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