プロネクサス Research Memo(5):電子開示システムの導入でサービス領域が拡大
[14/06/19]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■会社概要
(4)過去の業績推移
同社のビジネスは証券取引法(現:金融商品取引法)や商法(現:会社法)などの改正、並びに会計基準変更などのレギュレーション変更や、有価証券報告書の電子化などを追い風に拡大してきた。なかでも2000年代に入り、金融庁のEDINETや東京証券取引所のTDnetといった電子開示システムの導入によって迅速でタイムリーなディスクロージャーが求められるようになり、同社のサービス領域が格段に広がった。
一方、2009年3月期以降はリーマンショックの影響を受けるとともに、株券の電子化をはじめ、投資信託開示資料や四半期決算開示資料が一部簡素化されたことなどもマイナスに作用した。また、リーマンショック以降、企業業績の悪化や資本の再編が相次ぐなかで上場会社数が4年で400社減少したことや、競争の激化により価格の低下が進んだことも同社の収益に影響した。
以上から、同社のビジネスモデルはストック型ではあるものの、制度変更や株式相場など外部環境の変化に左右される場合もある。
財務面では2014年3月期末の自己資本比率が77.8%に達するうえ有利子負債も485百万円に過ぎず、期末資金も安定していることから財務的なリスクは小さいと考えられる。また、直近ではシステムや次世代EDINET対応の設備投資が膨らんでいるものの、同社のビジネスモデルには中長期的にM&Aを除いて特段の資金需要を想定しにくい。
なお、直近のM&Aとしては日立ハイテクノロジーズからのデータベース事業承継、英文翻訳子会社の100%子会社化、企業のホームページ作成を受託するWeb制作会社への20%出資などを行っているものの、投資金額が小さいこともあり期末資金残に特段の影響を及ぼしていない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 馬目俊一郎)
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