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DVX Research Memo(4):主力の不整脈事業、虚血事業ともに2ケタ増収と好調に推移

注目トピックス 日本株
■決算動向

(1)2014年3月期業績

ディーブイエックス<3079>の2014年3月期の業績は、売上高が前期比15.5%増の26,420百万円、営業利益が同15.3%増の1,297百万円、経常利益が同18.5%増の1,310百万円、当期純利益が同15.5%増の788百万円と2桁台の増収増益となり、創業来27期連続の増収増益となった。主力の不整脈事業、虚血事業ともに2ケタ増収と好調に推移し、売上が好調に推移したことが主因だ。また、会社計画との比較においても売上高、利益ともに上回る格好となった。

売上原価率が82.4%と前期比で0.3ポイント上昇したが、これは為替が当初想定の1ドル95円に対して、期中平均で100.17円と約5円の円安となったことで、輸入品の仕入コストが約70百万円上昇したことが影響した。為替の影響を除けばほぼ2013年3月期並みの原価率であった。また、販管費は前期比で300百万円の増加となったが、このうち下肢末梢動脈治療用レーザカテーテルの治験準備開始に伴う関連費用が約170百万円含まれている(治験開始は2014年4月)。業容拡大に伴い従業員数は前期末比で14名増の229名となり、人件費は前期比約9%増加したものの、効率性・生産性の向上により、売上高人件費比率は0.5ポイント低下の7.7%となっている。事業セグメント別の状況は表のとおり。

○不整脈事業

不整脈事業の売上高は前期比14.7%増の21,607百万円、セグメント利益は同20.0%増の3,172百万円となった。売上高に関しては、営業エリアの拡大策(西日本、東北での新規顧客獲得に成功)が順調に推移した事に加え、主力商品であるペースメーカにおいて、販売単価の高いMRI対応型ペースメーカ※の構成比が12%から38%に上昇したこと、不整脈の検査時に用いられる心腔内専用超音波カテーテルが3Dマッピングシステム(J&J製)の普及に伴い急成長したことなどがけん引した。

※MRI対応型ペースメーカ・・・ペースメーカを体内に埋め込んだままでもMRI検査を受けることを可能とした製品で、2012年10月に日本メドトロニックより発売された。通常のペースメーカに対して価格は5〜8%高い。

また、ICD(植込み型除細動器)やアブレーション(心筋焼灼術)カテーテル、検査用電極カテーテルなども、対象患者数の増加を背景に販売数量がまんべんなく伸長した。新規顧客獲得による売上寄与度は1.3%程度となっている。


同事業における利益率は14.7%と前期比で0.7ポイント上昇した。メーカーと販売目標達成時において支払われるインセンティブ契約を締結し、目標を達成したことで仕入価格の低減を実現した。また、前述したMRI対応型ペースメーカの仕入コストが低減した効果も寄与したとみられる。2013年3月期は日本メドトロニック1社からの供給だけであったが、2014年3月期に入って競合メーカーが相次いで新製品を投入したことが、仕入コストの低減につながった。

○虚血事業

虚血事業の売上高は前期比19.9%増の4,169百万円、セグメント利益は2.7%増の1,405百万円となった。増収要因としては、主力商品である自動造影剤注入装置(ACIST)のリプレース需要が堅調に推移したことに加えて、消耗品が好調に推移したこと、また、エキシマレーザ血管形成システムも、2012年7月にコロナリー(冠動脈治療用)カテーテルの保険適用が開始されたことで、全国の医療施設で同システムの導入が進んだことなどが挙げられる。2014年3月末時点のエキシマレーザ血管形成システムの稼働台数は66台と前期比で約2倍増となり、期中の販売台数は15台、レンタル実績は13台となっている。

なお、2014年4月より治験が開始されている下肢末梢動脈治療用レーザカテーテルは、ここ数年患者数が増加傾向にある閉塞性動脈硬化症を主な対象とした治療法で、治験が順調に進めば、2016年にも製造販売承認が下り、販売開始が見込まれる。

同事業の利益率は33.7%と前期比で5.7ポイント低下した。前述したように、為替が円安に推移したことによる仕入コストの上昇が影響した。2013年3月期の期中平均為替レートは1ドル=83円程度であり、17円の円安となっている。一部為替予約によりヘッジはしていたものの、輸入品の売上げが好調だったこともあり、仕入コスト増で200百万円程度の影響があったと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト佐藤 譲)



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