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DVX Research Memo(5):2015年3月期業績は会社計画を上回る可能性も

注目トピックス 日本株
■決算動向

(2)2015年3月期業績見通し

ディーブイエックス<3079>の2015年3月期の業績は、売上高が前期比4.4%増の27,583百万円、営業利益が同2.9%増の1,334百万円、経常利益が同1.7%増の1,333百万円、当期純利益が同6.4%増の838百万円を見込んでいる。

売上高予想の前提として、償還価格改定に伴う価格下落の影響で3.8%のマイナスを見込んでいる一方で、販売数量はここ数年の傾向から+4.4%を想定、また、新規顧客獲得におる増収効果として+2.7%程度の上乗せを見込んでいる。一方、利益面では為替想定レートを1ドル=103円とし、通年で発生する外貨債務(14百万円)の3分の1を既に為替予約でカバーしている状況にある。また、人員に関しては、営業人員を引き続き増員していくものの、平均年齢の若返りが進んでいることから、売上高人件費比率ではほぼ2014年3月期並みの水準を維持するとみられる。

こうしたなかで、4月に入ってからの販売状況は、会社計画を上回るペースで推移しているようだ。また、ここ数年の傾向を見ると高齢者社会の進展に伴い、対象患者数が増加傾向にあり、特に同社の対象領域である不整脈分野など専門性の高い疾患に関しては、同社が顧客とする基幹病院に患者が集まる傾向となっている。こうした背景を考慮すれば、販売数量の+4.4%は保守的とみることができる。また、同様に価格下落率に関しても保守的な想定とみられること、為替が直近では会社想定よりも円高で推移していること、などから2015年3月期業績は会社計画を上回る可能性が高いと弊社ではみている。

なお、事業別の売上高計画は、不整脈事業が前期比4.2%増の22,510百万円、虚血事業が同3.4%増の4,311百万円、その他が同18.3%増の761百万円となっている。虚血事業に関しては、エキシマレーザ血管形成システムの導入台数増やそれに伴うコロナリーカテーテルの需要拡大が見込めることから、高成長が持続するとみられる。特にコロナリーカテーテルでは急性心筋梗塞患者の治療用として、従来品よりも細径となる「ポイント9」と呼ばれる製品の製造販売承認が下り、6月にも保険収載価格が決定する見通しであることから、2015年3月期の売上増に大きく貢献するものとして注目される。単価に関しては従来品と変わらないが、細径であるため、使い勝手が格段に向上し、手術中に血管を傷つけるリスクも低下するなどのメリットがある。米国でも成長している商品であり、今後の伸びが期待されよう。

エキシマレーザ血管形成システムについては、導入対象となる医療施設が全国で350ヶ所程度あるとみられており、競合メーカーもないことから普及拡大余地は大きい。本体装置の価格は約30百万円となっており、潜在需要は膨大と言える。ただ、同装置を扱える医師の数がまだ圧倒的に少ないため、同社では講習会などを通じて同装置を扱える医師を増やしながら、着実に導入を進めていきたい考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト佐藤 譲)



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