ネットイヤーグループ Research Memo(2):UXを重視したデジタルマーケティング支援事業を展開
[14/06/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
ネットイヤーグループ<3622>は、インターネット技術を活用したデジタルマーケティング支援事業を主に展開している。デジタルマーケティングとは、企業活動において自社Webサイトを中心に、既存メディアや営業、コールセンター、店舗などと連携させるマーケティング手法で、企業や自治体などのクライアントに対して、新たなデジタルマーケティング戦略を提案・実践していくことで、クライアントが目標とするブランド力向上や売上成長、業務変革の推進などの成果を導いていくサービスとなる。
同社の特徴は、Web上での「ユーザーエクスペリエンス(UX)」を高めることに焦点を当てたシステム開発・設計を行っていることにある。ユーザーエクスペリエンスとは直訳するとユーザー体験のことだが、ここでは「自社Webサイト上に利用者が訪問した際に体験すること、また体験して興味・関心も持ってもらうこと」を指し、「ユーザーエクスペリエンス」を高めることで、商品の購入につなげる、あるいはその企業のファンになってもらう、ということが最終的な目標となる。
デジタル情報社会の到来で、情報が湯水のごとく溢れ、またその情報を入手する媒体やデバイスツールの多様化が進むなかで、デジタルマーケティング戦略のなかで「ユーザーエクスペリエンス」を高めて行くことは、今まで以上に重要になってきていると言える。
このため、サービスはクライアントごとのカスタムサービスとなる。一般的に開発期間は3ヶ月程度、長いものでも1年程度となっており、通常のシステム開発会社と比べると短い。プロジェクト管理も比較的容易で、開発納期が遅延することはほとんどない。また、システム開発部分に関しては大半を外注しており、売上原価に占める外注比率は50%前後で推移している。受注単価は少額のもので10万円から、高額のもので100百万円を超えるものまでプロジェクトの内容に応じて様々だが、最近では「データ分析・活用」を採り入れたマーケティング手法の需要が高まっており、プロジェクトの規模も大型化する傾向となっている。
クライアントの業種としては、情報通信業や消費財メーカー、外食、小売業界などが比較的多い。現在のアクティブクライアントは単独で約200社、トライバルメディアハウスを合わせて400社程度となっている。日本技芸に関してはビジネスのタイプが異なるものの「rakumo」だけで500社程度と取引があり、グループ全体では1,000社近くの規模になっている。2014年3月期において、売上構成比で10%を超える顧客はないが、ここ数年はKDDI<9433>が毎年10%以上の主要顧客となっていた。2014年3月期においても10%弱の売上構成比だったとみられる。その他の主要顧客としてはLIXILグループ<5938>、伊藤ハム<2284>、スターバックス コーヒー ジャパン<2712>、ニコン<7731>、NEC<6701>、三井不動産<8801>等が挙げられ、大企業が売上げの中心を占めていることも特徴となっている。
また、年間売上高で100百万円を超えた取引先社数は2014年3月期で初めて10社を超え、上位顧客20社の売上げ依存率は55.9%に低下した。受注案件の大型化と同時に、取引社数が拡大しており、顧客基盤の拡充が進んでいることがうかがえる。
同社の強みとしては、企画力の高さやマーケティングに対する先進的な感覚を持つ人材が多いという点が挙げられる。また、プロジェクトマネジメント力やシステムの安定性、信頼性なども顧客から高く評価されている。
また、「social voice」シリーズや子会社のトライバルメディアハウスの「EngageManager」、2013年8月に子会社化した日本技芸の「rakumo」など自社開発商品の販売に注力しているほか、第三者の製品ラインアップとして米Responsys社の「キャンペーン・マネジメントソフトウェア」やアクセス解析ツールとしてGoogle社の「Google Analytics」などの販売・導入支援も行っている。
自社開発プロダクトにおいては機能の標準化を図っており、中小企業向けの販売を強化することによって、収益基盤の安定化を図ると同時に、顧客層と事業規模の拡大を目指している。なお、営業部隊は本社に集約しており、総勢で40名ほどの体制となっている。
グループ子会社としてはWebサイトの制作・運用を目的としたネットイヤークラフト(2006年設立)、ソーシャルメディアの分析・コンサルティングを行うトライバルメディアハウス(2009年株式取得により子会社化)、日本技芸(2013年8月株式取得により子会社化)の3社となっている。また、前期まで子会社だったネットイヤーゼロに関しては、本体に吸収合併している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ネットイヤーグループ<3622>は、インターネット技術を活用したデジタルマーケティング支援事業を主に展開している。デジタルマーケティングとは、企業活動において自社Webサイトを中心に、既存メディアや営業、コールセンター、店舗などと連携させるマーケティング手法で、企業や自治体などのクライアントに対して、新たなデジタルマーケティング戦略を提案・実践していくことで、クライアントが目標とするブランド力向上や売上成長、業務変革の推進などの成果を導いていくサービスとなる。
同社の特徴は、Web上での「ユーザーエクスペリエンス(UX)」を高めることに焦点を当てたシステム開発・設計を行っていることにある。ユーザーエクスペリエンスとは直訳するとユーザー体験のことだが、ここでは「自社Webサイト上に利用者が訪問した際に体験すること、また体験して興味・関心も持ってもらうこと」を指し、「ユーザーエクスペリエンス」を高めることで、商品の購入につなげる、あるいはその企業のファンになってもらう、ということが最終的な目標となる。
デジタル情報社会の到来で、情報が湯水のごとく溢れ、またその情報を入手する媒体やデバイスツールの多様化が進むなかで、デジタルマーケティング戦略のなかで「ユーザーエクスペリエンス」を高めて行くことは、今まで以上に重要になってきていると言える。
このため、サービスはクライアントごとのカスタムサービスとなる。一般的に開発期間は3ヶ月程度、長いものでも1年程度となっており、通常のシステム開発会社と比べると短い。プロジェクト管理も比較的容易で、開発納期が遅延することはほとんどない。また、システム開発部分に関しては大半を外注しており、売上原価に占める外注比率は50%前後で推移している。受注単価は少額のもので10万円から、高額のもので100百万円を超えるものまでプロジェクトの内容に応じて様々だが、最近では「データ分析・活用」を採り入れたマーケティング手法の需要が高まっており、プロジェクトの規模も大型化する傾向となっている。
クライアントの業種としては、情報通信業や消費財メーカー、外食、小売業界などが比較的多い。現在のアクティブクライアントは単独で約200社、トライバルメディアハウスを合わせて400社程度となっている。日本技芸に関してはビジネスのタイプが異なるものの「rakumo」だけで500社程度と取引があり、グループ全体では1,000社近くの規模になっている。2014年3月期において、売上構成比で10%を超える顧客はないが、ここ数年はKDDI<9433>が毎年10%以上の主要顧客となっていた。2014年3月期においても10%弱の売上構成比だったとみられる。その他の主要顧客としてはLIXILグループ<5938>、伊藤ハム<2284>、スターバックス コーヒー ジャパン<2712>、ニコン<7731>、NEC<6701>、三井不動産<8801>等が挙げられ、大企業が売上げの中心を占めていることも特徴となっている。
また、年間売上高で100百万円を超えた取引先社数は2014年3月期で初めて10社を超え、上位顧客20社の売上げ依存率は55.9%に低下した。受注案件の大型化と同時に、取引社数が拡大しており、顧客基盤の拡充が進んでいることがうかがえる。
同社の強みとしては、企画力の高さやマーケティングに対する先進的な感覚を持つ人材が多いという点が挙げられる。また、プロジェクトマネジメント力やシステムの安定性、信頼性なども顧客から高く評価されている。
また、「social voice」シリーズや子会社のトライバルメディアハウスの「EngageManager」、2013年8月に子会社化した日本技芸の「rakumo」など自社開発商品の販売に注力しているほか、第三者の製品ラインアップとして米Responsys社の「キャンペーン・マネジメントソフトウェア」やアクセス解析ツールとしてGoogle社の「Google Analytics」などの販売・導入支援も行っている。
自社開発プロダクトにおいては機能の標準化を図っており、中小企業向けの販売を強化することによって、収益基盤の安定化を図ると同時に、顧客層と事業規模の拡大を目指している。なお、営業部隊は本社に集約しており、総勢で40名ほどの体制となっている。
グループ子会社としてはWebサイトの制作・運用を目的としたネットイヤークラフト(2006年設立)、ソーシャルメディアの分析・コンサルティングを行うトライバルメディアハウス(2009年株式取得により子会社化)、日本技芸(2013年8月株式取得により子会社化)の3社となっている。また、前期まで子会社だったネットイヤーゼロに関しては、本体に吸収合併している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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