ティア Research Memo(10):FC店舗も含めて中長期的には200店舗体制を目指す
[14/06/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
(2)成長戦略
○人財教育
ティア<2485>では、FC店舗も含めて中長期的には200店舗体制を目指しているが、多店舗化していくうえで重要となるのが人財育成である。葬儀業界においては、親族の死に直面するという特殊な環境下において、顧客(遺族の方々)から「ありがとう」と言われるだけの心配りが行き届いたサービスが求められるだけに、人財育成は企業の競争力の源泉として最も重要であると同社では考えている。
葬儀依頼先の決定要因として、その理由の上位が「親族等の紹介」「過去に利用経験がある」「近くに葬儀会館がある」などとなっており、「紹介(口コミ)」が重要な集客の導線の1つとなっている。同社においては従来から「ティアアカデミー」による独自の教育カリキュラムを実践しており、個々の社員のスキルアップを図っていくだけでなく、強い組織力の形成も目指している。また、多店舗展開に対応するためには社員の早期戦力化も重要となっており、同社では早期育成カリキュラムの導入によって、人財育成のスピードを加速化させていく方針としている。
なお、葬儀依頼先決定要因にある「過去に利用経験がある」ということでは、「ティアの会」の加入促進の取り組みを行っている。同社の会員の再加入率は9割となっており、葬儀サービスに関しての顧客満足度が非常に高いことの証左になっていると言えよう。また、「近くに葬儀会館がある」という点においては、ドミナント戦略による多店舗化で対応している。
○出店戦略
今後の出店戦略として直営店に関しては、中部・関東・関西圏を中心にして年間4〜5店舗ペースでの出店を計画している。また、既存店舗においても年間3〜4店舗ペースで小規模葬に対応した改装を推進していく。引き続きドミナント戦略による多店舗展開を図っていく方針で、1会館の商圏を直径3kmに設定し、相互補完性を高めながら、会館の稼働率向上を進めていく考えで、稼働率に関しては約70%を確保している。
エリア別でみると、中部に関しては既に名古屋市内で多く出店していることから、今後は小規模会館を中心としたサテライト出店を推進していく方針。また、今後の強化エリアである関東圏では中長期的に20店舗体制を目指しており、年間で1〜2店舗ペースで出店を行うと同時に、貸しホールを使った葬儀請負も引き続き行っていく。FC店に関しては太平洋ベルトラインを重点開発エリアとして位置付け、新規クライアントの開拓を推進していく。
特に、首都圏でのシェア拡大においては、FC展開が今まで以上に重要な戦略となってくる。首都圏では賃借料などの相場も高いため、直営だけで展開していくには設備資金が嵩むほか、時間も要するためだ。葬儀ビジネスは通常のビジネスと違い、収益の追求を最優先として考えるビジネスではなく、「顧客の気持ちにより沿う」ビジネスであるだけに、簡単に見つかるものでは無いが、同社では経営理念に賛同するFCクライアントの開拓を着実に進めていく考えだ。
なお、新規出店にかかる設備投資に関しては、当面は営業キャッシュフローの範囲内で行っていく方針となっている。
○葬儀費用の明確化
同社では創業時より葬儀費用の「明確化」と「透明化」を推進しており、その姿勢はインターネット、チラシ等でも葬儀価格を積極的に公開するなど戦略的に一貫している。前述したように業界平均と比較すると同社の葬儀単価はまだ2割程度低く、今後もサービスの質だけでなく、価格競争力においても優位性を保ち続けるものと予想される。
こうしたなかで、「ティアの会」による顧客囲い込みは着実に進んでおり、今後も各種イベントやセミナーの開催、Webでのキャンペーン実施による会員数の拡大を目指していく。また、同時に会員サービスにおいても「ティア+」による会員優待サービスやポイント制の導入、保険サービスなどサービスの拡充を進めており、会員数の維持拡大に寄与するものとみられる。なお、関東圏での会員獲得を強化するため、関東専用の優待サービスなどの導入も今後予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
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○人財教育
ティア<2485>では、FC店舗も含めて中長期的には200店舗体制を目指しているが、多店舗化していくうえで重要となるのが人財育成である。葬儀業界においては、親族の死に直面するという特殊な環境下において、顧客(遺族の方々)から「ありがとう」と言われるだけの心配りが行き届いたサービスが求められるだけに、人財育成は企業の競争力の源泉として最も重要であると同社では考えている。
葬儀依頼先の決定要因として、その理由の上位が「親族等の紹介」「過去に利用経験がある」「近くに葬儀会館がある」などとなっており、「紹介(口コミ)」が重要な集客の導線の1つとなっている。同社においては従来から「ティアアカデミー」による独自の教育カリキュラムを実践しており、個々の社員のスキルアップを図っていくだけでなく、強い組織力の形成も目指している。また、多店舗展開に対応するためには社員の早期戦力化も重要となっており、同社では早期育成カリキュラムの導入によって、人財育成のスピードを加速化させていく方針としている。
なお、葬儀依頼先決定要因にある「過去に利用経験がある」ということでは、「ティアの会」の加入促進の取り組みを行っている。同社の会員の再加入率は9割となっており、葬儀サービスに関しての顧客満足度が非常に高いことの証左になっていると言えよう。また、「近くに葬儀会館がある」という点においては、ドミナント戦略による多店舗化で対応している。
○出店戦略
今後の出店戦略として直営店に関しては、中部・関東・関西圏を中心にして年間4〜5店舗ペースでの出店を計画している。また、既存店舗においても年間3〜4店舗ペースで小規模葬に対応した改装を推進していく。引き続きドミナント戦略による多店舗展開を図っていく方針で、1会館の商圏を直径3kmに設定し、相互補完性を高めながら、会館の稼働率向上を進めていく考えで、稼働率に関しては約70%を確保している。
エリア別でみると、中部に関しては既に名古屋市内で多く出店していることから、今後は小規模会館を中心としたサテライト出店を推進していく方針。また、今後の強化エリアである関東圏では中長期的に20店舗体制を目指しており、年間で1〜2店舗ペースで出店を行うと同時に、貸しホールを使った葬儀請負も引き続き行っていく。FC店に関しては太平洋ベルトラインを重点開発エリアとして位置付け、新規クライアントの開拓を推進していく。
特に、首都圏でのシェア拡大においては、FC展開が今まで以上に重要な戦略となってくる。首都圏では賃借料などの相場も高いため、直営だけで展開していくには設備資金が嵩むほか、時間も要するためだ。葬儀ビジネスは通常のビジネスと違い、収益の追求を最優先として考えるビジネスではなく、「顧客の気持ちにより沿う」ビジネスであるだけに、簡単に見つかるものでは無いが、同社では経営理念に賛同するFCクライアントの開拓を着実に進めていく考えだ。
なお、新規出店にかかる設備投資に関しては、当面は営業キャッシュフローの範囲内で行っていく方針となっている。
○葬儀費用の明確化
同社では創業時より葬儀費用の「明確化」と「透明化」を推進しており、その姿勢はインターネット、チラシ等でも葬儀価格を積極的に公開するなど戦略的に一貫している。前述したように業界平均と比較すると同社の葬儀単価はまだ2割程度低く、今後もサービスの質だけでなく、価格競争力においても優位性を保ち続けるものと予想される。
こうしたなかで、「ティアの会」による顧客囲い込みは着実に進んでおり、今後も各種イベントやセミナーの開催、Webでのキャンペーン実施による会員数の拡大を目指していく。また、同時に会員サービスにおいても「ティア+」による会員優待サービスやポイント制の導入、保険サービスなどサービスの拡充を進めており、会員数の維持拡大に寄与するものとみられる。なお、関東圏での会員獲得を強化するため、関東専用の優待サービスなどの導入も今後予定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
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