テクマトリックス Research Memo(2):「情報基盤事業」「アプリケーション・サービス事業」を展開
[14/06/23]
提供元:株式会社フィスコ
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■事業概要
テクマトリックス<3762>は総合商社ニチメン(現双日)の情報通信部門の戦略子会社として発足した。事業は「情報基盤事業」と「アプリケーション・サービス事業」の2つのセグメントで構成される。情報基盤事業は、クライアントの情報システム基盤の構築、保守、運用・監視サービスを一貫して提供する。アプリケーション・サービス事業は、特定市場、特定業界向けにシステム開発、アプリケーション・パッケージ、クラウドサービス、テストツールなど、付加価値の高いアプリケーション・サービスを提供する。以下に各セグメントの主な商品を挙げる。
(1)情報基盤事業の主な商品とサービス
主要製品・サービスとしては、米国F5 Networks社の負荷分散装置「F5 BIG-IP」、米国EMC(RSA)社のワンタイムパスワード「RSA SecurID」、米国Palo Alto Networks社の次世代ファイアウォール「Palo Alto Networks」、米国McAfee社の複数のウイルス対策製品、子会社であるエヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC)のネットワーク仮想化製品「Pica8」、今年3月に完全子会社化したクロス・ヘッドのオープンソース総合監視ソフト「Zabbix」、その子会社の沖縄クロス・ヘッドのsaaS/IaaS型クラウドサービス「CUMO(キューモ)」などがある。
(2)アプリケーション・サービス事業の主な商品とサービス
「インターネットサービス分野(金融分野を含む)」「ソフトウェア品質保証分野」「医療分野」「CRM(コールセンター)分野」の4分野に分かれている。
インターネットサービス分野は、主にウェブ系技術を活用したシステムを提供している。主な商品には、ECサイトの受注、配送、在庫を一元管理できるクラウドサービス「楽楽バックオフィス」などがある。業務提携から発展して現在は同社の筆頭株主となっている楽天<4755>および楽天グループ向けのシステム開発や、楽天市場などに出店するネットショップ向けのシステム提供などもこの分野に入る。また、主に金融機関向けのリスク管理関連商品もラインアップされている。金融デリバティブ商品の時価評価、リスク、キャッシュフローなどを正確・迅速に計測できる「FINCAD Analytics Suite」などがある。
ソフトウェア品質保証分野では、製造業を中心に組み込みソフトウェアの品質保証や機能安全のためのソフト開発支援ツールが提供されている。主な商品は、テストツールでシェアトップの米国PARASOFT社の「Jtest」などがある。PARASOFT社の商品は、国内で独占販売となっている。
医療分野では様々な医用画像の統合管理システムと、子会社の「合同会社 医知悟」が提供する遠隔画像診断を実現するための情報インフラなどが主力製品となっている。医用画像の統合管理システムは、自社開発によるクラウドサービス「NOBORI(のぼり)」が現在、同社の進める「クラウド関連事業の推進」の中心商品のひとつとなっている。医知悟の提供する遠隔読影インフラはPCにコンパクトな装置を設置するだけで、遠隔地の医療機関と読影医を繋ぎ医用画像の読影ができる。地方の医療機関が中央の専門医に簡単に問い合わせができるなど、地域医療にとっては画期的な商品とされ、全国各地域で導入が進んでいる。
CRM分野は、自社開発製品で構成される。コールセンター業務の円滑化を支援するシステムを提供しており、国内トップクラスの導入実績を誇る。主な商品はSaaS型コンタクトセンターCRMシステム「FastCloud」などがある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)
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