タナベ経営 Research Memo(2):主力のコンサルティング事業では顧客数が順調に拡大
[14/06/24]
提供元:株式会社フィスコ
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■事業概要
タナベ経営<9644>の事業セグメントはコンサルティング事業、ネットワーク事業、SP事業の3つに分かれている。売上構成比を見ると、コンサルティング事業とSP事業でそれぞれ47%前後(2014年3月期)を占めているが、営業利益ではコンサルティング事業が88%(本社管理費控除前ベース)と大半を占めており、同事業が収益の柱となっている。以下に各事業の概要について紹介する。
(1)コンサルティング事業
コンサルティング会社の種類としては、経営全般に関するコンサルティングを行う「総合型」、ITや財務、生産など機能ごとに専門化したコンサルティングを行う「機能特化型」、また、医療分野など専門的な知識などが求められる「業界特化型」、調査分析を専門に行う「シンクタンク」と大きく4種類に分類される。同社はこのうちの総合型のコンサルティング事業を展開しており、企業価値を高める戦略的判断を提供している。
同事業の売上高はサービスの内容によって、コンサルティング部門とセミナー部門の2つに分けられている。このうち主力となるコンサルティング部門には、企業と経営に関するコンサルティング契約を結ぶ「経営協力」、その他「調査・経営診断」や「各種会」などがある。「各種会」には、2011年よりサービスを開始した「戦略ドメイン&マネジメント研究会」と、「地域トップ会」「中堅企業社長会」が含まれる。
主力サービスである経営協力の主な形態として、4〜10人でチームを編成して行う「チームコンサルティング」がある。これは、複数のコンサルタントが1つの企業を担当することで、生産性の向上とともに若手コンサルタントの育成が促進されるという効果が期待できること、また、チーム制を採用することによって顧客満足度も向上しやすく、契約の更新率が高まる効果も期待できるためだ。
同社ではコンサルティングサービスのなかで、チームコンサルティングやシリーズ人材育成、地域トップ会・中堅企業社長会、戦略ドメイン&マネジメント研究会の顧客を「ロイヤルカスタマー」として集計しており、2014年3月末における同顧客数は803社と順調に拡大している。特に、2011年より時代のニーズに合致したテーマ別研究会を開始したことで、主力サービスであるチームコンサルティングの顧客数が拡大基調に転じている。これら研究会の参加を通じて、経営協力サービスの顧客となるケースが増えていることが背景とみられる。
また、ロイヤルカスタマーの業種別内訳を見ると、同社が成長戦略ドメインとして分類している10業種の顧客が全体の71%を占めている。年商規模別では、30億円以上の比率が44%と最も大きく、その比率も年々上昇している。コンサルティング品質を向上することで、中規模・中堅企業の比率を高めていくという同社の戦略に沿ったものとなっている。
(2)ネットワーク事業
同社が直接、中小企業の経営者など有料会員向けに発行する各種経営情報誌やFAXリポート・経営CDの販売、インターネットを介した経営情報サービスのほか、提携先である金融機関や会計事務所向けに提供する顧客創造支援型サービスが含まれる。
提携先である金融機関や会計事務所などは、同業他社との差別化や顧客サービスの向上を目的として、同社の経営情報コンテンツを活用する格好となる。サービスのなかには経営情報誌のほか、提携先の顧客を対象とした各種勉強会の開催支援サービスなども含まれ、勉強会にコンサルタントが講師として出向くこともある。2014年3月末時点での有料会員数は11,386社、提携先数は地域金融機関を中心に135先となっている。
(3)SP事業
消費者が商品を購入する際に決定的な動機付けを与えるセールスプロモーション、他社との差別化を図るオリジナルブランド開発、消費者のニーズに適した商品を製作するマーチャンダイジングという3つのソリューションにより、企業の成長加速をサポートしている。
セールスプロモーションでは、ノベルティ、POP・ディスプレイ什器の制作や、各種イベントにおいて企業や商品のPR活動を支援するイベントプロモーションなどを行なっており、同社が協力するイベントの中には、来場者が1万人を超えるような大型のものもある。
オリジナルブランド開発では、同社が開発したビジネス手帳のブルーダイアリーや企業のイメージアップを目的としたノベルティなどを制作している。
マーチャンダイジングでは、オリジナル商品の企画・調達ノウハウを活かして、アパレルチェーンや観光土産店向けの顧客オリジナル商品の企画開発を行なっている。
これらSP事業の顧客層は中小企業から大企業まで幅広く、2014年3月末時点での直接法人顧客数は3,600社となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
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タナベ経営<9644>の事業セグメントはコンサルティング事業、ネットワーク事業、SP事業の3つに分かれている。売上構成比を見ると、コンサルティング事業とSP事業でそれぞれ47%前後(2014年3月期)を占めているが、営業利益ではコンサルティング事業が88%(本社管理費控除前ベース)と大半を占めており、同事業が収益の柱となっている。以下に各事業の概要について紹介する。
(1)コンサルティング事業
コンサルティング会社の種類としては、経営全般に関するコンサルティングを行う「総合型」、ITや財務、生産など機能ごとに専門化したコンサルティングを行う「機能特化型」、また、医療分野など専門的な知識などが求められる「業界特化型」、調査分析を専門に行う「シンクタンク」と大きく4種類に分類される。同社はこのうちの総合型のコンサルティング事業を展開しており、企業価値を高める戦略的判断を提供している。
同事業の売上高はサービスの内容によって、コンサルティング部門とセミナー部門の2つに分けられている。このうち主力となるコンサルティング部門には、企業と経営に関するコンサルティング契約を結ぶ「経営協力」、その他「調査・経営診断」や「各種会」などがある。「各種会」には、2011年よりサービスを開始した「戦略ドメイン&マネジメント研究会」と、「地域トップ会」「中堅企業社長会」が含まれる。
主力サービスである経営協力の主な形態として、4〜10人でチームを編成して行う「チームコンサルティング」がある。これは、複数のコンサルタントが1つの企業を担当することで、生産性の向上とともに若手コンサルタントの育成が促進されるという効果が期待できること、また、チーム制を採用することによって顧客満足度も向上しやすく、契約の更新率が高まる効果も期待できるためだ。
同社ではコンサルティングサービスのなかで、チームコンサルティングやシリーズ人材育成、地域トップ会・中堅企業社長会、戦略ドメイン&マネジメント研究会の顧客を「ロイヤルカスタマー」として集計しており、2014年3月末における同顧客数は803社と順調に拡大している。特に、2011年より時代のニーズに合致したテーマ別研究会を開始したことで、主力サービスであるチームコンサルティングの顧客数が拡大基調に転じている。これら研究会の参加を通じて、経営協力サービスの顧客となるケースが増えていることが背景とみられる。
また、ロイヤルカスタマーの業種別内訳を見ると、同社が成長戦略ドメインとして分類している10業種の顧客が全体の71%を占めている。年商規模別では、30億円以上の比率が44%と最も大きく、その比率も年々上昇している。コンサルティング品質を向上することで、中規模・中堅企業の比率を高めていくという同社の戦略に沿ったものとなっている。
(2)ネットワーク事業
同社が直接、中小企業の経営者など有料会員向けに発行する各種経営情報誌やFAXリポート・経営CDの販売、インターネットを介した経営情報サービスのほか、提携先である金融機関や会計事務所向けに提供する顧客創造支援型サービスが含まれる。
提携先である金融機関や会計事務所などは、同業他社との差別化や顧客サービスの向上を目的として、同社の経営情報コンテンツを活用する格好となる。サービスのなかには経営情報誌のほか、提携先の顧客を対象とした各種勉強会の開催支援サービスなども含まれ、勉強会にコンサルタントが講師として出向くこともある。2014年3月末時点での有料会員数は11,386社、提携先数は地域金融機関を中心に135先となっている。
(3)SP事業
消費者が商品を購入する際に決定的な動機付けを与えるセールスプロモーション、他社との差別化を図るオリジナルブランド開発、消費者のニーズに適した商品を製作するマーチャンダイジングという3つのソリューションにより、企業の成長加速をサポートしている。
セールスプロモーションでは、ノベルティ、POP・ディスプレイ什器の制作や、各種イベントにおいて企業や商品のPR活動を支援するイベントプロモーションなどを行なっており、同社が協力するイベントの中には、来場者が1万人を超えるような大型のものもある。
オリジナルブランド開発では、同社が開発したビジネス手帳のブルーダイアリーや企業のイメージアップを目的としたノベルティなどを制作している。
マーチャンダイジングでは、オリジナル商品の企画・調達ノウハウを活かして、アパレルチェーンや観光土産店向けの顧客オリジナル商品の企画開発を行なっている。
これらSP事業の顧客層は中小企業から大企業まで幅広く、2014年3月末時点での直接法人顧客数は3,600社となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
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