ウィルグループ Research Memo(1):ハイブリッド派遣が高く評価されて足元の業績は急拡大
[14/06/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ウィルグループ<6089>は、業種特化型の人材派遣および業務請負会社である。現在は、スマートフォンなどの販売スタッフ、コールセンターのオペレーター、製造業における工場等の軽作業スタッフの3つの分野での人材サービスが大きな柱となっている。純粋持ち株会社である同社のもとに国内外7社の子会社を持つ。
ウィルグループの母体となるテレマーケティング会社セントメディアと短期型の業務請負会社ビッグエイドを大阪で1997年に創業。その後、両社が合併し、事業再編を経て、2006年4月に現在の持株会社方式になり、2013年12月に東京証券取引所市場二部に上場した。
最大の特徴は、「ハイブリッド派遣」とよばれる派遣サービスにある。これは同社の正社員が派遣スタッフとともに派遣先に就業する派遣スタイルである。正社員が一緒に勤務し、現場のマネジメントを行うことで、派遣スタッフの士気が高まり、業務効率も高まる。また、正社員と派遣先の現場責任者とが密な関係を築くことができるため、スタッフの増員が行われる際には競合他社よりもいち早く対応できる。また、そのマネジメント能力を評価されることで、人材派遣よりも業務の難易度は高まるものの、利益率が高い業務請負への移行していく。
同社は、この「ハイブリッド派遣」が顧客に高く評価され、足元の業績は急拡大している。上場後、初めての通期決算となる2014年3月期は、当初計画には及ばなかったものの、2ケタの増収・増益を達成。2015年3月期も2ケタ成長を計画している。潜在重要は十分にあるため、上方修正となる可能性もある。
今後に関しては、3つの成長戦略を打ち出している。第一はシェア拡大、第二は未開拓な地域への出店、そして、第三は「キャリアパス紹介」と呼ばれる、派遣社員を正社員として紹介する人材紹介業の強化である。さらに、これら3つの成長戦略のもとに事業拡大をさらに加速させる方策として、新分野への事業拡大も積極的に進めている。
さらに、労働者派遣法の改正など、業界にとってプラスの要因も成長を加速させることが期待できる。中・長期の経営計画は公表していないものの、連結売上高1,000億円を目指す。
★Check Point
・業種特化と「ハイブリッド派遣」で急成長
・2015年3月期も2ケタ成長目指す
・3つの成長戦略と新分野への事業拡大で売上1,000億円目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)
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