アクセル<6730>グラフィックスLSIの市場シェアを5年後に7割へ引き上げへ
[14/06/26]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』6月23日放送において、アクセル<6730>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■事業概要
同社は遊技機器(パチンコ、パチスロ) に搭載される液晶ディスプレイの画像を創り出すグラフィックスLSI で市場シェア6 割弱を占めるトップメーカー。製造は外部に委託するファブレス企業で、研究開発・販売戦略に特化している。全体の売上高に占める遊技機器向けグラフィックスLSIの比率は、期によって変動するものの6 割以上で推移。また、利益に関しては、大半を同LSIで稼ぎ出す格好となっている。
その他の製品では、遊技機器向けのLEDドライバ、メモリモジュールのほか、建設機械や医療機器など組み込み機器向けのグラフィックスLSI などがある。また、遊技機器メーカー向けに開発支援用ソフトウェアや評価用基板を供給するほか、子会社のニューゾーンで新規分野のLSI 開発・マーケティングを行っている。
■事業展開など
収益の柱である遊技機器向けグラフィックスLSIをパチンコ向けとパチスロ向けで分けると、約60% がパチンコ、40% がパチスロという構成となっている。製品は3 〜 4 年で機能の向上を図りながら世代交代を続けており、現在の主力製品は2011 年に投入された「AG4」となっている。
同社の遊技機器向けグラフィックスLSIの大きな特徴は、比較的廉価なCPU で高精細な描画表示を実現する能力を有していることだ。また、画像ロムに格納された圧縮された画像データを高速に伸長して高速に表示することができ、また多彩な演出を可能とする数多くのエフェクト機能も搭載している。遊技機器のグラフィックスについては、このように特定用途に特化した技術が必要となるほか、近年の設計プロセスの微細化、回路規模の大型化により研究開発費が増大していることもあり、参入障壁は高くなっていると思われる。大手パチンコメーカーのSANYOはグラフィックスLSIを自社開発しているため、それを除けば同社の市場シェアは非常に高い状況になっていると言えよう。
■足元の成長戦略は
同社は今回新たな中期計画において、5 年後の2019 年3 月期の業績目標として売上高18,000 百万円、ROE15% を打ち出した。営業利益では3,500 百万円程度になるとみられる。同社では、売上高の9 割以上を占める遊技機器市場の縮小傾向が続き(年間300 万台まで減少)、グラフィックスLSI のリユース率も20 〜 30% で推移することを前提にしても、同市場での事業領域を深掘りしていくことで成長は可能だとみている。
■遊技機器の市場に関して
同社では、現在の遊技機器の構成部材市場はコンテンツも含めて年間4000 億円程度と推定している。このうち、同社の既存事業領域は、グラフィックスLSI とメモリモジュール、LED ドライバの3 つで、年間の総需要はそれぞれ250 億円、200 億円、40 億円と試算されている。同社の遊技機器向け売上高は前期実績で100 億円強だったことから、リユースの影響はあるものの売上高の拡大余地はまだ十分にあると思われる。
■グラフィックスLSIに関しては
グラフィックスLSI に関しては、魅力ある新製品の開発だけでなく、顧客の新機種開発において作業効率の改善に寄与する開発支援ツールを提供することによって、シェアの拡大を図る。市場シェアとしては、現在の6 割弱から5 年後に7 割程度まで引き上げたい考えだ。3〜 4 年後に完成予定の次世代品「AG6」では、圧縮伸長技術や描画性能など基本性能の向上だけでなく、ユーザーニーズを取り込みながら総コストの低減に寄与する製品の開発を進めている。また、現在特定メーカーの供給にとどまっているメモリモジュールやLED ドライバに関しては、新規顧客を開拓していくことでシェアを拡大していく考えだ。
■その他の市場向けの取り組みは
遊技機器市場以外の売上高は、ここ数年200 百万円前後と伸び悩んでいるが、安定的に収益を確保している。医療機器や建設機械、デジタルサイネージなど産業機器に搭載される組み込み機器用グラフィックスLSI に関しては、それぞれのアプリケーションの市場規模が小さいため、売上高を一気に引き上げることは難しい。大きな売上伸張は難しいが、一度採用されると長期安定的に採用されるため、新規顧客の開拓を着実に進めていく方針だ。2015年には次世代製品「AG903」を投入する予定。
一方、子会社のニューゾーンで取り組んでいるデジタル簡易無線機向けLSI に関しては、2014 年3 月期に無線通信用LSI 「NZ201」の開発を完了し、同製品を搭載した無線モジュール「NZ211M」の販売を本格開始する。
デジタル簡易無線システムは、主に河川における水量監視システムや駐車場監視システムなどに利用が想定されている。同社の通信モジュールはM2M (※) 用途でのデータ伝送に適しているほか、従来製品よりも小型化、低コスト化を実現しており、これら市場において一定の需要があるとみられる。また、新規市場としてはIT 化の著しい農業畜産分野での活用も期待される。田畑など遠隔地における様々な情報(静止画情報のほか温度、湿度などの環境データ) を送受信するためのツールとして期待される。海外の農業先進国では、既に同様のシステムを導入する事によって農業管理に関するイノベーションが進んでいるケースも多い。一方で、同市場ではPHS やWi-Fi など様々な通信方式を使った競合品が出回っているのも事実である。このため、同社では2015 年3 月期を勝負の1 年と位置付けており、今後の事業展開を判断する重要な年としている。
■株式還元策は
同社の株主還元策は原則として配当金で行っていく方針としている。配当性向は単独業績ベースで50% を基準としている。この基準によって減配となる場合には、剰余金の状況(販管費の3 年分は内部留保とする) を勘案した上で、従前の配当水準を考慮しながら、配当金を決定するとしている。
2014 年3 月期の1 株当たり配当金は55 円と前期の100 円(上場10 周年記念配当10円含む) から減配となるが、単独ベースの配当性向では65.3% の水準となった。なお、特別損失400 百万円を除外したベースでの配当性向では50% の水準となる。2015 年3 月期の配当金は従前の水準を考慮し、50 円を予定している。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
<TM>
■事業概要
同社は遊技機器(パチンコ、パチスロ) に搭載される液晶ディスプレイの画像を創り出すグラフィックスLSI で市場シェア6 割弱を占めるトップメーカー。製造は外部に委託するファブレス企業で、研究開発・販売戦略に特化している。全体の売上高に占める遊技機器向けグラフィックスLSIの比率は、期によって変動するものの6 割以上で推移。また、利益に関しては、大半を同LSIで稼ぎ出す格好となっている。
その他の製品では、遊技機器向けのLEDドライバ、メモリモジュールのほか、建設機械や医療機器など組み込み機器向けのグラフィックスLSI などがある。また、遊技機器メーカー向けに開発支援用ソフトウェアや評価用基板を供給するほか、子会社のニューゾーンで新規分野のLSI 開発・マーケティングを行っている。
■事業展開など
収益の柱である遊技機器向けグラフィックスLSIをパチンコ向けとパチスロ向けで分けると、約60% がパチンコ、40% がパチスロという構成となっている。製品は3 〜 4 年で機能の向上を図りながら世代交代を続けており、現在の主力製品は2011 年に投入された「AG4」となっている。
同社の遊技機器向けグラフィックスLSIの大きな特徴は、比較的廉価なCPU で高精細な描画表示を実現する能力を有していることだ。また、画像ロムに格納された圧縮された画像データを高速に伸長して高速に表示することができ、また多彩な演出を可能とする数多くのエフェクト機能も搭載している。遊技機器のグラフィックスについては、このように特定用途に特化した技術が必要となるほか、近年の設計プロセスの微細化、回路規模の大型化により研究開発費が増大していることもあり、参入障壁は高くなっていると思われる。大手パチンコメーカーのSANYOはグラフィックスLSIを自社開発しているため、それを除けば同社の市場シェアは非常に高い状況になっていると言えよう。
■足元の成長戦略は
同社は今回新たな中期計画において、5 年後の2019 年3 月期の業績目標として売上高18,000 百万円、ROE15% を打ち出した。営業利益では3,500 百万円程度になるとみられる。同社では、売上高の9 割以上を占める遊技機器市場の縮小傾向が続き(年間300 万台まで減少)、グラフィックスLSI のリユース率も20 〜 30% で推移することを前提にしても、同市場での事業領域を深掘りしていくことで成長は可能だとみている。
■遊技機器の市場に関して
同社では、現在の遊技機器の構成部材市場はコンテンツも含めて年間4000 億円程度と推定している。このうち、同社の既存事業領域は、グラフィックスLSI とメモリモジュール、LED ドライバの3 つで、年間の総需要はそれぞれ250 億円、200 億円、40 億円と試算されている。同社の遊技機器向け売上高は前期実績で100 億円強だったことから、リユースの影響はあるものの売上高の拡大余地はまだ十分にあると思われる。
■グラフィックスLSIに関しては
グラフィックスLSI に関しては、魅力ある新製品の開発だけでなく、顧客の新機種開発において作業効率の改善に寄与する開発支援ツールを提供することによって、シェアの拡大を図る。市場シェアとしては、現在の6 割弱から5 年後に7 割程度まで引き上げたい考えだ。3〜 4 年後に完成予定の次世代品「AG6」では、圧縮伸長技術や描画性能など基本性能の向上だけでなく、ユーザーニーズを取り込みながら総コストの低減に寄与する製品の開発を進めている。また、現在特定メーカーの供給にとどまっているメモリモジュールやLED ドライバに関しては、新規顧客を開拓していくことでシェアを拡大していく考えだ。
■その他の市場向けの取り組みは
遊技機器市場以外の売上高は、ここ数年200 百万円前後と伸び悩んでいるが、安定的に収益を確保している。医療機器や建設機械、デジタルサイネージなど産業機器に搭載される組み込み機器用グラフィックスLSI に関しては、それぞれのアプリケーションの市場規模が小さいため、売上高を一気に引き上げることは難しい。大きな売上伸張は難しいが、一度採用されると長期安定的に採用されるため、新規顧客の開拓を着実に進めていく方針だ。2015年には次世代製品「AG903」を投入する予定。
一方、子会社のニューゾーンで取り組んでいるデジタル簡易無線機向けLSI に関しては、2014 年3 月期に無線通信用LSI 「NZ201」の開発を完了し、同製品を搭載した無線モジュール「NZ211M」の販売を本格開始する。
デジタル簡易無線システムは、主に河川における水量監視システムや駐車場監視システムなどに利用が想定されている。同社の通信モジュールはM2M (※) 用途でのデータ伝送に適しているほか、従来製品よりも小型化、低コスト化を実現しており、これら市場において一定の需要があるとみられる。また、新規市場としてはIT 化の著しい農業畜産分野での活用も期待される。田畑など遠隔地における様々な情報(静止画情報のほか温度、湿度などの環境データ) を送受信するためのツールとして期待される。海外の農業先進国では、既に同様のシステムを導入する事によって農業管理に関するイノベーションが進んでいるケースも多い。一方で、同市場ではPHS やWi-Fi など様々な通信方式を使った競合品が出回っているのも事実である。このため、同社では2015 年3 月期を勝負の1 年と位置付けており、今後の事業展開を判断する重要な年としている。
■株式還元策は
同社の株主還元策は原則として配当金で行っていく方針としている。配当性向は単独業績ベースで50% を基準としている。この基準によって減配となる場合には、剰余金の状況(販管費の3 年分は内部留保とする) を勘案した上で、従前の配当水準を考慮しながら、配当金を決定するとしている。
2014 年3 月期の1 株当たり配当金は55 円と前期の100 円(上場10 周年記念配当10円含む) から減配となるが、単独ベースの配当性向では65.3% の水準となった。なお、特別損失400 百万円を除外したベースでの配当性向では50% の水準となる。2015 年3 月期の配当金は従前の水準を考慮し、50 円を予定している。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
<TM>