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シュッピン Research Memo(7)更なる認知度向上の余地、カメラ・時計が成長エンジンに

注目トピックス 日本株
■増収シナリオの考察

(2)同社の課題と対策

シュッピン<3179>はECに軸足を置いた事業モデルであり、インターネットを通じて買取と販売を行うことを基本にしている。しかしながら、現状では、買取希望者における認知度と、購入希望者における認知度にはギャップがあるようだ。

下の図は同社が独自に行った調査結果であるが、同社の認知度は9.2%、カメラ購入場所としてカメラ専門Eコマースサイトを挙げた人は5.6%にとどまった。しかし、この結果は同社にとって、潜在的成長余地が大きいことを示している。総合Eコマースサイトからの購入者は約10%存在していることになり、ここから専門サイトである同社のサイトに誘導することは実店舗での購入を基本としている人を誘導するよりもはるかにハードルが低いはずだ。

この対応策として、同社は新品アクセサリー類の品ぞろえを増やし、「Map Camera」サイトで買い物が完結する体制を整える。中古品買取において同社は一定の認知度を獲得しており、ワンプライス買取などの施策の効果も上がっている。買取で訪れた客にそのままMap Cameraで購入してもらうためには、客を他に逃がさないことが重要であり、品ぞろえの拡充は非常に的を得た対応といえよう。2014年3月のカメラ事業における品目別売上高構成比をみると、新品・中古品、ボディ本体、レンズ、アクセサリーがまんべんなく購入されていることがわかる。また、同社ではレンズ交換式カメラにおける重要パーツのレンズマウントアダプターの専用サイトを4月にオープンした。この効果は2015年3月期以降になるが、消費者にとって利便性が大きく向上すると期待され、結果として増収にもつながってくると期待される。

新たな中期経営計画の増収のメイン・エンジンがカメラと時計であることは前述のとおりであるが、この両製品については中長期的に更なる成長を同社では見込んでいる。カメラ事業については30,000百万円、時計事業については10,000百万円の売上規模が目標値だ。弊社はこれら中長期目標値の実現可能性について高いと考えている。その理由は以下の通りだ。

同社が扱う高額品・高価値品の分野では、中古品と新品の価値の差はほとんどなく、「中古品」であることにネガティブな意味はほとんどない。同社は現実に新品も扱っており、新品の流通と中古品の流通をうまく融合させて、本来は動きの鈍い高額品・高価値品の動きを速め、売上高を高めて利益を稼いでいくというのが同社の本質的なモデルである。この点で同社は、日常品の中古品を扱う業者と本質的に異なっている。

この同社のモデルを完遂するには二つの重要なポイントがある。一つは言うまでもなく中古品の仕入だ。これは前述のようにワンプライス買取などの施策が奏功して順調である。もう一つは新品の仕入だ。これはメーカーや正規ディーラーとの関係が絡むため、同社自身の努力だけではいかんともし難いケースもある。ただ、幸いなことにカメラについては、新品の仕入がほぼ思いどおりにできる状況にある。また時計については、並行輸入となるが、マーケットが大きなため、仕入経路は多くある。それゆえ、同社の創意工夫で増収が期待できる状況にあり、弊社が同社の新たな中期経営計に対して強気な理由はここにある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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