シュッピン Research Memo(9)2014年3月期決算は業績予想を上回って着地
[14/06/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■2014年3月期決算の詳細分析
(1)2014年3月期決算
シュッピン<3179>の2014年3月期は売上高15,603百万円(前期比25.2%増)、営業利益701百万円(同80.0%増)、経常利益689百万円(同88.4%増)、当期純利益390百万円(同68.3%増)となった。同社は第3四半期(2013年10-12月期)の決算発表時に期初の業績予想を上方修正したが、実績値はその上方修正後の予想をさらに上回って着地した。ただし、消費税増税前の駆け込み需要による上乗せも発生しており、同社も手放しで喜んでいるわけではない。
カメラ部門売上高は11,333百万円(前期比23.5%増)、セグメント営業利益は986百万円(同36.9%増)となった。インターネットによるEC売上高が34.3%増と特に大きな伸びを示した。従来からカメラはEC取引との親和性が高かったが、ワンプライス買取やスムーズ買取などの諸施策導入の効果が最もよく表れたのがこのカメラEC取引部門だったといえる。
時計部門売上高は3,640百万円(前期比28.3%増)、セグメント営業利益は172百万円(同107.5%増)だった。EC売上高が前期比20.4%増の1,599百万円だったのに対して店舗売上高が同35.2%増の2,041百万円とカメラとは逆の動きとなった。これは時計の中古品取引にあっては価格が高額になるため、ネットで検索をしたうえで、店頭で現物を確認して購入するというパターンが多いためである。新品の時計については逆に、店頭で現物や価格をチェックしたうえでネット購入するという「ショールーミング化」の流れが着実に根付いてきている。表面上のEC売上高比率の低さにこだわる必要はないといえよう。
筆記具は売上高が309百万円(前期比38.8%増)、セグメント営業利益が15百万円(同19倍)となり黒字が定着した。自転車は売上高が320百万円(同42.6%増)と伸びたが、セグメント営業損益は23百万円の赤字(前期は27百万円の赤字)となった。自転車はブレークイーブンまであと一息というところだが、新品と中古品のバランスがうまく取れていないことが売上高の伸びを抑えてしまっているという状況だ。
費用面では、販管費の前期比増加率が13.5%増と、売上高の増収率に比べて低く抑えられた。その結果、売上高販管費率は前期の15.7%から14.3%に一段と低下した。反対に売上高営業利益率は3.1%から4.5%へ改善した。
業績好調を支えた裏側に、中古品の買取が好調だったことは見逃せない。中古品の豊富な在庫が顧客を引き付け、売上高増加につながっているからである。2014年3月期中に同社はワンプライス買取とスムーズ買取という、中古品売却希望者にとって有効性のあるサービスを開始した。他社は似たような制度をほとんど採用していないため、売却希望者の注目を集めたとなった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(1)2014年3月期決算
シュッピン<3179>の2014年3月期は売上高15,603百万円(前期比25.2%増)、営業利益701百万円(同80.0%増)、経常利益689百万円(同88.4%増)、当期純利益390百万円(同68.3%増)となった。同社は第3四半期(2013年10-12月期)の決算発表時に期初の業績予想を上方修正したが、実績値はその上方修正後の予想をさらに上回って着地した。ただし、消費税増税前の駆け込み需要による上乗せも発生しており、同社も手放しで喜んでいるわけではない。
カメラ部門売上高は11,333百万円(前期比23.5%増)、セグメント営業利益は986百万円(同36.9%増)となった。インターネットによるEC売上高が34.3%増と特に大きな伸びを示した。従来からカメラはEC取引との親和性が高かったが、ワンプライス買取やスムーズ買取などの諸施策導入の効果が最もよく表れたのがこのカメラEC取引部門だったといえる。
時計部門売上高は3,640百万円(前期比28.3%増)、セグメント営業利益は172百万円(同107.5%増)だった。EC売上高が前期比20.4%増の1,599百万円だったのに対して店舗売上高が同35.2%増の2,041百万円とカメラとは逆の動きとなった。これは時計の中古品取引にあっては価格が高額になるため、ネットで検索をしたうえで、店頭で現物を確認して購入するというパターンが多いためである。新品の時計については逆に、店頭で現物や価格をチェックしたうえでネット購入するという「ショールーミング化」の流れが着実に根付いてきている。表面上のEC売上高比率の低さにこだわる必要はないといえよう。
筆記具は売上高が309百万円(前期比38.8%増)、セグメント営業利益が15百万円(同19倍)となり黒字が定着した。自転車は売上高が320百万円(同42.6%増)と伸びたが、セグメント営業損益は23百万円の赤字(前期は27百万円の赤字)となった。自転車はブレークイーブンまであと一息というところだが、新品と中古品のバランスがうまく取れていないことが売上高の伸びを抑えてしまっているという状況だ。
費用面では、販管費の前期比増加率が13.5%増と、売上高の増収率に比べて低く抑えられた。その結果、売上高販管費率は前期の15.7%から14.3%に一段と低下した。反対に売上高営業利益率は3.1%から4.5%へ改善した。
業績好調を支えた裏側に、中古品の買取が好調だったことは見逃せない。中古品の豊富な在庫が顧客を引き付け、売上高増加につながっているからである。2014年3月期中に同社はワンプライス買取とスムーズ買取という、中古品売却希望者にとって有効性のあるサービスを開始した。他社は似たような制度をほとんど採用していないため、売却希望者の注目を集めたとなった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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