アデランス Research Memo(5):男性用2位・女性用1位のシェア、市場には中小も乱立
[14/06/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ヘアケア市場の分析
(2)かつら(ウィッグ)市場の分析
(a)かつら市場の概況
○大手2社以外にも中小が乱立する市場
かつら((ウィッグ)は、ヘアケア市場の各種製品の中で、ある意味で究極的な製品と言える。増毛の実現可能性という点では100%確実なものであり、この点が他の代替策と決定的に異なっている。一方で、かつらならではのマイナス面もある。具体的には、ばれることへの不安、ずれることへの不安、蒸れなどの不快感などである。かつらの導入を決定したユーザーに対して、前述のようなマイナス面をどうやって払拭・克服しているかが、各かつらメーカーの商品性の差であり、競争力となってくる。アデランス<8170>とアートネイチャーは、国内のかつら市場で市場を二分して競争しているが、最終的には、個人の好みの要素も大きいため、どちらか片方が完全に勝利を収めるという状況は考えにくい。また、大手2社以外にも、中小も含めて数多くのメーカーが乱立している状況だ。かつらは高価なうえに外見に直接関わる部分なので、顧客の要求水準は高く、高い顧客満足度を獲得して自社に取り込み続けるには、大変な努力を要する。新規顧客が減少基調をたどっている現状では、既存顧客をリピート客として囲い込むことが何より重要となる。
○国内かつら市場の規模は1,300億円
かつら市場の規模は、かつら本体の売り上げのほかに、かつらのメンテナンスや育毛サービス、ヘアカットなどの理美容サービスなども合わせて把握される。一部調査機関の集計やかつらメーカーへの取材などを通じて、現状の国内かつら市場の規模は、およそ1,300億円、男女別では、およそ半々という状況にあると推測される。現時点の市場シェアは、同社が男性用で2位、女性用で1位、アートネイチャーが男性用で1位、女性用で2位という状況である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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