アデランス Research Memo(12):米国の男性用オーダーメイドかつら首位ヘアクラブを買収
[14/06/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業の詳細
(3)海外事業
(iii)北米ウィッグ事業の状況
○2013年、男性用オーダーメイドかつらのトップ企業を買収
アデランス<8170>は2013年4月に、米国の男性用オーダーメイドかつら市場で最大シェアを有するHC(USA) Inc.(ヘアクラブ社)を買収した。買収増額は163.5百万ドルである。同社は買収時点では、米国ではレディメイドかつらのみを手掛けていてオーダーメイドかつら事業を行っていなかった。ヘアクラブ社を買収したことで、米国も国内とほぼ同じ事業ラインナップとなった。
○北米かつら事業の売上高は5倍に拡大
ヘアクラブ社の2013年の業績の9か月分が、アデランスの2014年2月期の決算に反映された。その額は売上高で10,642百万円であった。従来からの北米でのレディメイドかつら事業の売上高が2,660百万円だったため、北米のかつら(ウィッグ)事業の規模は一気に5倍となった。
○のれんの償却等で利益面での寄与は当面限定的
ヘアクラブ社の買収は、上述のように、事業規模の拡大と商品ラインナップの拡大という効果を持ち、今後の業績貢献が期待されるところである。しかし、目先の利益面での寄与という点では、注意が必要だ。ヘアクラブ社の買収によって、バランスシートの無形固定資産においては、顧客資産で7,502百万円、のれんで約6,000百万円残高が増加した。これらから生ずる償却費は、年間約2,400百万円に上ると試算され、2015年2月期以降の業績の押し下げ要因となる。ただし、この償却費は非資金的費用であって、キャッシュフロー上は影響を及ぼさない。海外ウィッグ事業ならびにアデランス自体の真の収益力を分析する際には、こうした営業権償却費の影響が排除できるEBITDAなどを活用すべきであろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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