泉州電業 Research Memo(8):機器用・通信用のシェアアップや関東地区・海外での販売強化などに注力
[14/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期戦略
泉州電業<9824>では、「SS2016へ向けて」のスローガンのもとに、中期経営戦略を掲げている。具体的な数値目標は掲げていないが、主に以下の施策を実行していく方針だ。
○機器用・通信用のシェアアップ
この分野は商品の半分近くが同社のオリジナル商品であり、直需比率も高く同社の強みの分野である。さらに市場自体も伸びると予想されることから、更なるシェアアップを目指す。これによって全体の粗利益率を改善していく方針だ。
この一環として、2013年5月にエヌビーエスの全株式を取得して完全子会社化した。エヌビーエスは、大電流・高電圧用のコネクタメーカーとして、高付加価値の特注品製造を得意としており、特に半導体業界や自動車業界のユーザーから高い評価を得ている。このエヌビーエスの子会社化により、同社のオリジナル商品比率は更に高まっていくと予想される。
○関東地区の営業強化
同社では従来関東地区の売上構成比が2割弱と業界平均(3割強)と比較して低く、やや弱い地域であったとの認識を持っている。国内では最大の需要地域であるだけに、今後の開拓余地も大きいと言えよう。このため、関東地区の営業基盤強化も重要な戦略と位置付けている。
具体的な施策としては、2012年11月に東京東営業所(千葉県柏市)を開設し、営業体制の強化を図っている。さらに2014年10月期には全体で約1,000百万円の設備投資を計画しているが、主に埼玉営業所(埼玉県さいたま市)の拡大、東京西営業所(東京都八王子市)の自社物件化などを予定している。
また、新規顧客の開拓については、従来の自動車、エレクトロニクス業界に加えて、食品や医療機器、ロボット業界などでも進めていく方針だ。特に食品業界や医療機器業界ではここ数年で生産ラインのハイテク化が進んでおり、ノイズ対策用ケーブルなどでオリジナル開発商品を持つ同社にとっても開拓余地が大きいと言える。
○グローバル展開の強化
グローバル展開の強化においては、現在5%程度の海外売上比率を、中期的に30%まで引き上げていく考えだ。タイで自動車業界向けを中心に納入シェアの拡大に取り組んでいくほか、中国市場や韓国市場での新規顧客開拓も進めていく。2012年には上海やソウルでFA機器を中心とした展示会に出展するなど、積極的な販売活動も行ってきた。耐久性など品質の高さについての評価は現地でも高く、現地代理店との提携など販売ネットワークの構築に注力していく。中国市場での競合はドイツや日系企業がほとんどで、開拓余地は大きい。特に中国においては人手不足が顕著になりつつあり、この結果ロボットに対する需要が急速に高まっている。ロボットの製造ではケーブルを多く使用することから、今後の需要増が期待できる。今後は現地でのサポート体制の強化や価格戦略などが課題となってこよう。
○新エネルギー分野への注力
非電線事業においては、現在は太陽光発電システム向けケーブルやこれらに付属するコネクタ類、周辺部材などが伸びている。これら商材の粗利益率は平均より高いものが多く、引き続き販売を強化していく方針だ。
加えて、この後登場するであろう新しいエネルギー分野(エコシティ、エコハウスなど)にも注目していく。これらの分野では必ず電線及び付属品が使われるはずで、早い段階で市場ニーズをキャッチして、独自商品の開発につなげていく方針だ。
○M&A戦略
M&Aに関して、同社では同業の独立系電線商社で投資に見合う案件があれば前向きに検討するとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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泉州電業<9824>では、「SS2016へ向けて」のスローガンのもとに、中期経営戦略を掲げている。具体的な数値目標は掲げていないが、主に以下の施策を実行していく方針だ。
○機器用・通信用のシェアアップ
この分野は商品の半分近くが同社のオリジナル商品であり、直需比率も高く同社の強みの分野である。さらに市場自体も伸びると予想されることから、更なるシェアアップを目指す。これによって全体の粗利益率を改善していく方針だ。
この一環として、2013年5月にエヌビーエスの全株式を取得して完全子会社化した。エヌビーエスは、大電流・高電圧用のコネクタメーカーとして、高付加価値の特注品製造を得意としており、特に半導体業界や自動車業界のユーザーから高い評価を得ている。このエヌビーエスの子会社化により、同社のオリジナル商品比率は更に高まっていくと予想される。
○関東地区の営業強化
同社では従来関東地区の売上構成比が2割弱と業界平均(3割強)と比較して低く、やや弱い地域であったとの認識を持っている。国内では最大の需要地域であるだけに、今後の開拓余地も大きいと言えよう。このため、関東地区の営業基盤強化も重要な戦略と位置付けている。
具体的な施策としては、2012年11月に東京東営業所(千葉県柏市)を開設し、営業体制の強化を図っている。さらに2014年10月期には全体で約1,000百万円の設備投資を計画しているが、主に埼玉営業所(埼玉県さいたま市)の拡大、東京西営業所(東京都八王子市)の自社物件化などを予定している。
また、新規顧客の開拓については、従来の自動車、エレクトロニクス業界に加えて、食品や医療機器、ロボット業界などでも進めていく方針だ。特に食品業界や医療機器業界ではここ数年で生産ラインのハイテク化が進んでおり、ノイズ対策用ケーブルなどでオリジナル開発商品を持つ同社にとっても開拓余地が大きいと言える。
○グローバル展開の強化
グローバル展開の強化においては、現在5%程度の海外売上比率を、中期的に30%まで引き上げていく考えだ。タイで自動車業界向けを中心に納入シェアの拡大に取り組んでいくほか、中国市場や韓国市場での新規顧客開拓も進めていく。2012年には上海やソウルでFA機器を中心とした展示会に出展するなど、積極的な販売活動も行ってきた。耐久性など品質の高さについての評価は現地でも高く、現地代理店との提携など販売ネットワークの構築に注力していく。中国市場での競合はドイツや日系企業がほとんどで、開拓余地は大きい。特に中国においては人手不足が顕著になりつつあり、この結果ロボットに対する需要が急速に高まっている。ロボットの製造ではケーブルを多く使用することから、今後の需要増が期待できる。今後は現地でのサポート体制の強化や価格戦略などが課題となってこよう。
○新エネルギー分野への注力
非電線事業においては、現在は太陽光発電システム向けケーブルやこれらに付属するコネクタ類、周辺部材などが伸びている。これら商材の粗利益率は平均より高いものが多く、引き続き販売を強化していく方針だ。
加えて、この後登場するであろう新しいエネルギー分野(エコシティ、エコハウスなど)にも注目していく。これらの分野では必ず電線及び付属品が使われるはずで、早い段階で市場ニーズをキャッチして、独自商品の開発につなげていく方針だ。
○M&A戦略
M&Aに関して、同社では同業の独立系電線商社で投資に見合う案件があれば前向きに検討するとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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