ネクスト Research Memo(4):問合せ課金という独自の収益モデルと高い集客力が強み
[14/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(3)企業特徴
「HOME’S」の最大の特徴は、総掲載物件数No.1を誇るところにある。総掲載物件数No.1のポジショニングを確立したことで、利用者を惹きつけ、それによって加盟店数や総掲載物件数がさらに増えるといったプラスの循環が成立しており、それがネクスト<2120>の業績を牽引している。なお、同社が総掲載物件数No.1を確立できたのは、2011年から3年間かけて実践してきた4P戦略、すなわちプライス戦略(課金形式の変更)、プロダクト戦略(サイトリニューアル)、プロモーション戦略(ブランディングプロモーション)、プレイスメント戦略(営業戦略)によりビジネスを進化させてきたことによる。特に、1)「独自の収益モデル」と、2)「集客力の高さ」は同社の優位性を形成している。
1)問合せ数に応じて課金する「独自の収益モデル」
同社の総掲載物件数が拡大する契機となったのは料金体系の見直しである。利用者の利便性を高めるとともに、総掲載物件数で他社との差別化を図るため、ボリュームゾーンである「賃貸・不動産売買」については、業界では一般的となっている掲載物件数に対する課金から、利用者からの問合せ数に対する課金体系に変更し、それが飛躍的に総掲載物件数を増やすことにつながった。加盟店にしてみれば、一定の基本料金を払えば、物件情報を何件掲載してもコスト増にはならないため、少しでも多くの物件を掲載する誘因となっている。また、総掲載物件数の拡大とともに集客力を高めていく「HOME’S」にはネットワーク外部性※が働いており、同社と加盟店の双方の利害が合致したところに成功した要因があると考えられる。なお、同社の問合せ課金は、対象物件の家賃に一定の料率をかけて算定される。
※ネットワーク外部性とは、会員数が増えるほどそれぞれの会員の利益が大きくなること
2)ブランディングやSEO対策による「集客力の高さ」
同社は、積極的なブランディングプロモーションや精度の高いSEO対策を通じて、認知度や集客力の強化にも注力している。広告宣伝費に関しては、売上高の25〜30%を目安として先行投資的に投下する戦略を継続しており、認知度を高めてきた要因となっている。
また、SEO対策についても、社内に設置した専門チームが外部パートナーと連携を図りながら、総掲載物件数No.1の情報量とサイト統合などのリニューアル効果などにより、主要キーワード※による検索結果の平均順位で1位を継続している。その結果、訪問者数でも業界のなかでNo.1を誇っている(Nielsen NetView2012年8〜2013年2月度データ家庭および職場のPCからのアクセスより)。また、利用者の利便性向上にも注力しており、Gomez不動産情報(賃貸・売買)サイトランキング(2013年12月発表)では、使いやすさNo.1に選ばれている。
※主要キーワードとは、「賃貸」「賃貸マンション」「マンション」「中古マンション」「アパート」「新築マンション」「一戸建て」「新築一戸建て」を選定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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