高木証券 Research Memo(1):独自のファンド診断サービスによるコンサルティング営業を展開
[14/06/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
高木証券<8625>は、大阪市北区に本店を置く中堅証券会社であり、近畿及び関東を中心に13店舗を構える。個人取引を主体とした対面営業に定評がある。明治6年(1873年)創業の老舗として、創業140周年を迎えた。同社は証券業界を取り巻く環境変化に対応し、更なる発展を遂げるため、新たな「高木ブランド」の確立に着手した。対面営業の強みが生かせる投資信託を第一の戦略商品として位置付けるとともに、相続税対策などを含めたコンサルティング営業を強化することで、顧客との長期的な取引を前提とした「家計資産のベストパートナー」を目指している。
2014年3月期の決算は、営業収益が前期比8.6%増の8,802百万円、営業利益が同1.6%減の1,735百万円と増収ながら営業減益となった。好調な株式市況に支えられて株式の委託手数料の伸びが増収に寄与した。一方、店舗改装やコンサルティング営業強化のためのシステム投資、ホームページのリニューアルなど、先行投資的な費用負担による販管費増加が営業減益となった要因である。
2015年3月期の業績予想については、市場動向等の影響を受けやすい事業の特殊性から、他の証券会社同様に開示はない。今期も株式市況の動向に依存した業績となる可能性が高いが、同社は投資信託の預かり資産を着実に伸ばすことで、安定収益源である信託報酬の比率を高めていく方針である。
同社戦略の柱は、投資信託のコンサルティング営業の強化、及び「家計資産のベストパートナー」として顧客との長期的な関係を構築することである。前者については、同社が独自に開発したファンド・ラボ シリーズ(ファンド分析ツール)により、客観的な分析に基づいた顧客目線のコンサルティング営業を開始した。また、後者についても、会計事務所との連携による相続税対策等のサービスを提供するなど、顧客との長期的な関係構築に向けて動き出している。独自の営業スタイルや収益構造の変革に取り組む同社戦略の進展について注目したい。
Check Point
・対面営業に強みを有する中堅証券会社
・ファンド・ラボ シリーズの本格稼働により投信に注力
・預かり資産と顧客基盤の拡大による安定的な収益力の確立を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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