愛知銀行 Research Memo(1):持続的かつ安定的な収益の確保を目指す3カ年計画を推進
[14/07/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
愛知銀行<8527>は愛知県を基盤とした地銀(第2地銀)として、地元の中小企業及び個人向け取引を主力としている。店舗数は、愛知県が97店(うち、名古屋市47店)、岐阜県4店、三重県2店、静岡県1店、東京・大阪2店の計106店(2014年3月末現在)。2014年3月期末の預金残高は2兆5,953億円(愛知県内シェア7.5%)、貸出金残高は1兆6,396億円(同シェア8.8%)。創業以来、一貫した「堅実経営」と「地域密着型営業」に徹することにより、地元経済の発展とともに成長を遂げてきた。
現在、2014年3月期を初年度とする3カ年計画(第9次中期経営計画)を進めている。顧客基盤の更なる強化、経営効率の改善、ソリューション機能の一層の強化を重点テーマとして、持続的かつ安定的な収益の確保を目指す内容となっており、最終年度である2016年3月期には、銀行本来の収益力を示すコア業務純益で95億円(経常利益では50億円、当期純利益では30億円)、財務の健全性を示すコア資本比率(自己資本比率)は11.5%を目標としている。
2014年3月期決算(銀行単体)は、コア業務純益が前期比12.0%減の85億円、経常利益が同67.9%増の80億円、当期純利益が同94.9%増の49億円となった。貸出金利回りの低下等により資金利益が減少したことからコア業務純益が減益となったものの、株式売買益の増加や与信費用の削減(貸倒引当金の戻入益)などで予想を上回る増益となった。
2015年3月期の業績見通し(銀行単体)は、経常利益が前期比35.4%減の52億円、当期純利益が同35.0%減の32億円を見込んでいる。与信費用や株式等償却の減少など特殊要因があった前期との対比では減益となるものの、依然として高い利益水準を確保する計画となっている。中小企業を中心に資金需要が弱い中で、ソリューション機能の強化等による中小企業との取引深耕、住宅ローンの推進や預かり資産の拡大による個人取引の囲い込み等、中長期的な視点から、収益基盤の強化に繋がる活動の成果に注目したい。
★Check Point
・地元の中小企業や個人を主体とした地域密着型の営業展開で成長
・法人戦略の推進と中小企業向け貸出金の拡大で3カ年計画達成へ
・年70円配の安定配当は最低限維持される可能性
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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