ハピネット Research Memo(9):14/3期は2ケタ増収増益、「妖怪ウォッチ」などが貢献
[14/07/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
(1)2014年3月期の業績概要
●損益状況
2014年3月期の連結業績は、売上高206,867百万円(前期比17.0%増)、営業利益3,888百万円(同30.8%増)、経常利益3,917百万円(同27.1%増)、当期純利益2,466百万円(同22.6%増)となった。トイズユニオンを子会社化したことの影響は、売上高で27,282百万円(2013年7月1日から2014年3月31日まで連結計上)で、売上総利益率で前期の12.7%から11.6%へ低下した。また負ののれん代として約400百万円の特別利益が発生、さらに年金の脱退損失として166百万円の特別損失が発生した。
セグメント別売上高及び営業利益は表のとおり。
各部門の状況は以下のようであった。
(a)玩具事業
セグメント売上高は76,821百万円(前期比2.9%増)、営業利益(全社消去前)は2,710百万円(同31.8%増)となった。バンダイのキャラクター商材である「仮面ライダー鎧武/ガイム」「獣電戦隊キョウリュウジャー」「妖怪ウォッチ」などがヒットしたことから売上高、利益ともに好調に推移した。
(b)映像音楽事業
売上高は42,955百万円(同4.1%減)、営業利益は307百万円(同0.7%減)となった。出資作品である「のぼうの城」や自社アニメ作品の「ゾイド」など一部でヒット作品はあったが、インターネット配信等の普及によりパッケージ市場が低迷し、全体としてはハピネット<7552>も苦戦を余儀なくされた。
(c)ビデオゲーム事業
売上高は63,609百万円(同72.7%増)となったが、営業利益は79百万円(同88.2%減)と大幅減益となった。パッケージ市場全体が低迷するなかで、前述のようにトイズユニオンの子会社化により、売上高は前期を大幅に上回ったが、利益面については、一部商品の在庫評価減(約800百万円)を計上したことなどから前期比で大幅な減益を余儀なくされた。
(d)アミューズメント事業
売上高23,481百万円(同14.8%増)、営業利益2,053百万円(同62.4%増)と絶好調であった。キッズカードゲーム機の商材で「アイカツ!」や「妖怪ウォッチ」、「ドラゴンボールヒーローズ」などが好調だったことに加え、玩具自動販売機の商材でも「仮面ライダー鎧武/ガイム」や「妖怪ウォッチ」が好調に推移したことから前期比で大幅な増収、増益となった。
●財政状況
2014年3月期末の財政状況は下表のようになった。流動資産は47,025百万円(前期末比905百万円減)となったが、主に売掛債権の減少3,130百万円、棚卸資産の増加875百万円などによる。棚卸資産が増加したのは、トイズユニオンの子会社化の影響による。固定資産は6,854百万円(同1,782百万円増)となったが、トイズユニオンの子会社化による差入保証金の増加(銀行保証からの切り替え)1,250百万円が主な要因。その結果、期末の総資産は53,879百万円(同876百万円増)となった。
負債は28,185百万円(同1,528百万円減)となったが、主に買掛債務の減少2,573百万円による。また当期純利益の計上により純資産は25,694百万円(同2,405百万円増)となった。
●キャッシュフローの状況
2014年3月期のキャッシュフローは下表のとおりであった。営業活動によるキャッシュフローは2,547百万円の収入であったが、主に税金等調整前純利益の計上3,706百万円、減価償却費615百万円、売上債権の減少による収入5,028百万円、仕入債務の減少による支出3,725百万円、差入保証金の増加による支出1,249百万円等による。投資活動によるキャッシュフローは87百万円の支出であったが、主に固定資産の取得および売却による。財務活動によるキャッシュフローは2,618百万円の支出となったが、主に長短借入金の返済による支出2,194百万円による。
この結果、2014年3月期の現金および現金同等物は159百万円の支出となり、期末残高は9,996百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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