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ソフト99 Research Memo(13):コンシューマ向けカー用品で未来の柱となる新製品を相次いで投入へ

注目トピックス 日本株
■成長戦略

(2)事業セグメント別の戦略

○ファインケミカル事業

ファインケミカル事業における中期計画における戦略としては、国内では業務用カー用品及び家庭用品の伸長を図るとともに、海外事業の強化により海外売上比率の引き上げを目指していく方針で、最終年度の売上高は12,200百万円、営業利益は1,480百万円を計画し、営業利益率も12.1%と前期の水準からさらに向上を目指していく。

分野別でみると、コンシューマ向けカー用品は「スムースエッグマイクロホイップ」に続く新製品をボディケア、ガラスケア製品で相次いで投入していくほか、芳香剤を中心とした車内アメニティ関連グッズの新製品投入にも注力し、販売の拡大を目指していく。

国内のカー用品市場は成熟市場となっており、全体の市場規模としては今後も大きな成長は見込めないなか、機能性やデザインなど商品力がより重視される市場環境になっていくことが予想される。こうしたなかで、ソフト99コーポレーション<4464>はユーザーが自分で車の手入れをしたくなるような魅力ある新製品を継続的に投入し、市場シェアを拡大することで売上増を目指していく。また、販売チャネルに関しても従来のカー用品専門店やホームセンターなどに加えて、今後はドラッグストアやインターネット通販など新たな販売チャネルにも注力していく方針だ。

業務用カー用品に関しては、引き続き自動車メーカー・ディーラー向け、鈑金塗装事業者向けにコーティング剤等の販売強化を進めていくほか、鉄道や船舶など自動車業界以外の顧客開拓も進めていく。また、難接着性素材の接着性を大幅に高める表面改質処理剤「フレイムボンド」※についても、自動車業界以外の顧客開拓を進めていく。

家庭用品に関しては、メガネ用クリーナーを中心に、周辺商材も強化しながら、メガネお手入れ市場でのブランド力強化を図っていく。また、カー用品販売ルートを活用した家庭用DIY補修用品への展開によって、売上の拡大を目指していく方針だ。

海外事業においては、中国やロシア、東南アジアを中心に現地代理店網を強化していくと同時に、製品に関しても国内向けに開発された商品を販売するのではなく、地域ごとのニーズに合わせた製品開発を行い販売していく計画で、現地企業へのライセンス生産も検討している。

○ポーラスマテリアル事業

ポーラスマテリアル事業のうち、産業資材に関してはハイテク分野でのシェア拡大と同時に新規市場の開拓を強化していく。また、生活資材に関しては、自動車分野、DIY分野、ペット分野での新商品開発や、中東・アフリカ・インド・中南米など新興国市場へのアプローチ強化などを進めていく方針。2017年3月期には売上高で4,950百万円、営業利益で530百万円を計画している。同事業においては、前回の中期計画での目標が未達となったこともあり、今回は保守的な計画となっている。

特に同事業においては、今後は企業風土の変革にも取り組んでいく方針となっている。同社グループの中では営業利益率で10%前後の水準と優良子会社としての位置づけだが、ここ数年は収益が伸び悩んでおり、成長軌道に乗せるためには企業風土の変革が必要と考えたためだ。2014年6月に本社より1名を子会社のアイオンに役員として送り込み、新技術、新市場、新規顧客開拓に向けた取り組みを今まで以上に強化していく。既に、2014年3月期には医療分野でインフルエンザ検査用キットの吸収素材が新規採用されるなど、実績も出始めており、今後の展開が注目されよう。

同社のPVAスポンジ技術をベースとした、精密洗浄、吸水、研磨、ろ過といった特徴は、産業用からコンシューマ用に至るまで様々な領域で使われる可能性がある。日東電工<6988>のグローバルニッチ戦略をモデルに、今後の成長を目指していく。

○サービス・不動産関連事業

サービス・不動産関連事業に関しては、主にオートサービス事業と生活用品企画販売事業の成長拡大を図っていく方針で、2017年3月期には売上高6,850百万円、営業利益390百万円を計画している。

オートサービス事業では鈑金塗装サービスにおいて、東京新工場の本格稼働による新規顧客開拓を進めていくほか、自動車メイクアップなど美装サービス分野での販売拡大を目指している。カーラッピングのほか飛び石によるボディダメージを防ぐプロテクションフィルムなどの施工技術では国内でもトップクラスであり、講習ビジネスなどにも取り組むことによって、市場の裾野を広げていくことも同時に進めていく。

生活用品企画販売事業に関しては、生協向けの企画販売依存から脱却し、2012年から開始したインターネット通販事業を一段と強化していく方針。ホームセンター向けの卸販売を強化していくことに加えて、現在グループ各社がそれぞれで行っているインターネット通販業務を集約して、同事業部門において展開していく計画となっている。各グループの業務を統合することで、グループ全体で見た生産性の向上が見込まれる。

なお、今中期計画期間内の設備投資計画は大きなものは予定しておらず、年間500百万円ペースと減価償却費の範囲内に収まる見通しで、計画通りに進めば手元キャッシュがさらに拡大する見通しだ。また、研究開発費に関しては年間600百万円程度と直近3期間の平均(530百万円)よりも若干上積みを計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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