ディーブイエックス<3079>全国展開と取り扱い領域の拡大に注力、事業領域の拡大はM&Aも選択肢
[14/07/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』7月17日放送において、ディーブイエックス<3079>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■事業概要
循環器系の医療機器販売会社。不整脈事業と虚血(きょけつ)事業が2 本柱。不整脈事業の市場シェアは関東圏で40%、全国でも19% とトップを走っており、顧客に対する技術営業サポート力を武器にシェアを拡大中。虚血事業では海外医療機器の輸入販売を手掛けている。2014年3月期の売上高構成比でみると、「不整脈事業」が81.8%、「虚血事業」が15.8% と2事業で全体の97% 以上を占めている。
■「不整脈事業」
不整脈事業における取扱製品は、心臓ペースメーカ、ICD (植込み型除細動器(じょさいどうき))、CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(先端部分に電極が埋め込まれた電極カテーテル))、検査用電極カテーテル、アブレーション(心筋焼灼術(しょうしゃく)) カテーテルなどが挙げられる。
同社の取り扱う製品は専門的な技術知識が必要なため、実際に製品を扱う医師と営業マンの信頼関係が取引上で最も重要視されている。不整脈関連製品を専門に扱う商社は少なく、経験豊富なベテラン営業マンを多く抱え、症例件数の多い医療施設での納入実績が高いことが同社の強みとなっている。
■「虚血事業」
虚血事業における主な取扱製品としては、自動造影剤注入装置(ACIST)、エキシマレーザ血管形成システム、PTA バルーンカテーテルなどがあり、それぞれ同社が国内総代理店となって、販売代理店を通じて全国の医療施設に販売している
2000 年に輸入販売を開始した自動造影剤注入装置は、装置本体の市場シェアで50%、消耗品で同60%以上のシェアを占める競争力の高い商品となっており、同事業が高い利益率を維持している要因にもなっている。
■足元の業績
2014年3月期の業績は、売上高が前期比15.5%増の264.20億円、営業利益が同15.3%増の12.97億万円、経常利益が同18.5%増の13.10億円、当期純利益が同15.5%増の7.88億円と2ケタの増収増益となり、創業来27期連続の増収増益となった。主力の不整脈事業、虚血事業ともに2ケタ増収と好調に推移し、売上が好調に推移したことが主因。また、会社計画との比較においても売上高、利益ともに上回る格好となった。
不整脈事業の売上高は前期比14.7%増の216.07億円、セグメント利益は同20.0%増の31.72億円となった。売上高に関しては、営業エリアの拡大策(西日本、東北での新規顧客獲得に成功) が順調に推移した事に加え、主力商品であるペースメーカにおいて、販売単価の高いMRI対応型ペースメーカの構成比が12%から38%に上昇したこと、不整脈の検査時に用いられる心腔内専用超音波カテーテルが3Dマッピングシステム(J&J製) の普及に伴い急成長したことなどがけん引した。
虚血事業の売上高は前期比19.9%増の41.69億円、セグメント利益は2.7%増の14.05億円となった。増収要因としては、主力商品である自動造影剤注入装置(ACIST) のリプレース需要が堅調に推移したことに加えて、消耗品が好調に推移したこと、また、エキシマレーザ血管形成システムも、2012年7月にコロナリー(冠動脈治療用) カテーテルの保険適用が開始されたことで、全国の医療施設で同システムの導入が進んだことなどが挙げられる。
2014年3月末時点のエキシマレーザ血管形成システムの稼働台数は66台と前期比で約2倍増となり、期中の販売台数は15台、レンタル実績は13 台となっている。
なお、2014年4月より治験が開始されている下肢末梢動脈治療用レーザカテーテルは、ここ数年患者数が増加傾向にある閉塞性動脈硬化症を主な対象とした治療法で、治験が順調に進めば、2016 年にも製造販売承認が下り、販売開始が見込まれる。
■2015年3月期業績見通し
2015年3月期の業績は、売上高が前期比4.4%増の275.83億円、営業利益が同2.9%増の13.34億円、経常利益が同1.7%増の13.33億円、当期純利益が同6.4%増の8.38億円を見込んでいる。こうしたなかで、4月に入ってからの販売状況は、会社計画を上回るペースで推移しているもよう。また、ここ数年の傾向を見ると高齢者社会の進展に伴い、対象患者数が増加傾向にあり、特に同社の対象領域である不整脈分野など専門性の高い疾患に関しては、同社が顧客とする基幹病院に患者が集まる傾向となっている。こうした背景を考慮すれば、会社計画は保守的とみることもできる。
コロナリーカテーテルでは急性心筋梗塞患者の治療用として、従来品よりも細径となる「ポイント9」と呼ばれる製品に注目。単価に関しては従来品と変わらないが、細径であるため、使い勝手が格段に向上し、手術中に血管を傷つけるリスクも低下するなどのメリットがある。米国でも成長している商品であり、今後の伸びが期待されよう。
■中期展望
同社では今回、新たに中長期的な事業展望についての考え方を示している。
3年程度を目途とした中期展望としては、「販売代理店業」(不整脈事業、その他事業) 「輸入総代理店業」(虚血事業) と流通上のポジショニング別に分けた事業ポートフォリオの強化に取り組んでいく。
「販売代理店業」に関しては、販売代理店の全国展開と取り扱い領域の拡大に注力していく。特に、今後は「営業所」に比べて、比較的開設費用負担が軽微な「出張所」形式の拠点を中心に、南九州や四国、福井以北の日本海側エリアなどの空白地域に関して業績への影響などを勘案した上で、展開を進めていく考え。
取り扱い領域の拡大にあたっては、不整脈分野以外の診療科目として、「虚血・脳神経外科」分野への取り組みを検討。他の診療科目への進出にあたっては、一定水準以上の営業リソースが必要であるため、M&A によって事業領域を拡大するということも選択肢として視野に入れている。
輸入総代理店業に関しては、商品のパイプラインの拡充を進めていく。2016 年には現在治験中の下肢末梢動脈治療用レーザカテーテルの販売が開始される予定だが、それ以外でも新製品の発掘を今まで以上に活発化していく。また、長年外資系医療機器メーカーに在籍していた副社長が持つ海外での広範なネットワークも活用していく。候補となるのは、国内において市場性が見込まれるもので、競合製品がまだ無いもの、あるいは商品化すれば高シェアが期待できるものとなる。
■株主還元策
株主還元策として、同社では配当性向20% を基準に安定配当を目指すことを基本方針としている。業績の拡大とともに配当金は2007 年の株式上場以降、連続増配を続けている。
■株価動向
株価は3月末の2分割以降、調整が続いている。保有株式が倍になったことで、一先ず1単元株の利益確定を進めやすい需給状況であったとみられる。もっとも、分割考慮株価では850円処がこれまでの支持線であり、今回も同水準からの緩やかなリバウンドをみせてきている。週間形状では13週線を突破し、同線が支持線に変わってきている。週足ベースの一目均衡表では雲下限に上値を抑えられているが、この雲が今後急速に切り上がりをみせてくるため、これに沿ったリバウンドが意識されてくる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■事業概要
循環器系の医療機器販売会社。不整脈事業と虚血(きょけつ)事業が2 本柱。不整脈事業の市場シェアは関東圏で40%、全国でも19% とトップを走っており、顧客に対する技術営業サポート力を武器にシェアを拡大中。虚血事業では海外医療機器の輸入販売を手掛けている。2014年3月期の売上高構成比でみると、「不整脈事業」が81.8%、「虚血事業」が15.8% と2事業で全体の97% 以上を占めている。
■「不整脈事業」
不整脈事業における取扱製品は、心臓ペースメーカ、ICD (植込み型除細動器(じょさいどうき))、CRT-D(両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(先端部分に電極が埋め込まれた電極カテーテル))、検査用電極カテーテル、アブレーション(心筋焼灼術(しょうしゃく)) カテーテルなどが挙げられる。
同社の取り扱う製品は専門的な技術知識が必要なため、実際に製品を扱う医師と営業マンの信頼関係が取引上で最も重要視されている。不整脈関連製品を専門に扱う商社は少なく、経験豊富なベテラン営業マンを多く抱え、症例件数の多い医療施設での納入実績が高いことが同社の強みとなっている。
■「虚血事業」
虚血事業における主な取扱製品としては、自動造影剤注入装置(ACIST)、エキシマレーザ血管形成システム、PTA バルーンカテーテルなどがあり、それぞれ同社が国内総代理店となって、販売代理店を通じて全国の医療施設に販売している
2000 年に輸入販売を開始した自動造影剤注入装置は、装置本体の市場シェアで50%、消耗品で同60%以上のシェアを占める競争力の高い商品となっており、同事業が高い利益率を維持している要因にもなっている。
■足元の業績
2014年3月期の業績は、売上高が前期比15.5%増の264.20億円、営業利益が同15.3%増の12.97億万円、経常利益が同18.5%増の13.10億円、当期純利益が同15.5%増の7.88億円と2ケタの増収増益となり、創業来27期連続の増収増益となった。主力の不整脈事業、虚血事業ともに2ケタ増収と好調に推移し、売上が好調に推移したことが主因。また、会社計画との比較においても売上高、利益ともに上回る格好となった。
不整脈事業の売上高は前期比14.7%増の216.07億円、セグメント利益は同20.0%増の31.72億円となった。売上高に関しては、営業エリアの拡大策(西日本、東北での新規顧客獲得に成功) が順調に推移した事に加え、主力商品であるペースメーカにおいて、販売単価の高いMRI対応型ペースメーカの構成比が12%から38%に上昇したこと、不整脈の検査時に用いられる心腔内専用超音波カテーテルが3Dマッピングシステム(J&J製) の普及に伴い急成長したことなどがけん引した。
虚血事業の売上高は前期比19.9%増の41.69億円、セグメント利益は2.7%増の14.05億円となった。増収要因としては、主力商品である自動造影剤注入装置(ACIST) のリプレース需要が堅調に推移したことに加えて、消耗品が好調に推移したこと、また、エキシマレーザ血管形成システムも、2012年7月にコロナリー(冠動脈治療用) カテーテルの保険適用が開始されたことで、全国の医療施設で同システムの導入が進んだことなどが挙げられる。
2014年3月末時点のエキシマレーザ血管形成システムの稼働台数は66台と前期比で約2倍増となり、期中の販売台数は15台、レンタル実績は13 台となっている。
なお、2014年4月より治験が開始されている下肢末梢動脈治療用レーザカテーテルは、ここ数年患者数が増加傾向にある閉塞性動脈硬化症を主な対象とした治療法で、治験が順調に進めば、2016 年にも製造販売承認が下り、販売開始が見込まれる。
■2015年3月期業績見通し
2015年3月期の業績は、売上高が前期比4.4%増の275.83億円、営業利益が同2.9%増の13.34億円、経常利益が同1.7%増の13.33億円、当期純利益が同6.4%増の8.38億円を見込んでいる。こうしたなかで、4月に入ってからの販売状況は、会社計画を上回るペースで推移しているもよう。また、ここ数年の傾向を見ると高齢者社会の進展に伴い、対象患者数が増加傾向にあり、特に同社の対象領域である不整脈分野など専門性の高い疾患に関しては、同社が顧客とする基幹病院に患者が集まる傾向となっている。こうした背景を考慮すれば、会社計画は保守的とみることもできる。
コロナリーカテーテルでは急性心筋梗塞患者の治療用として、従来品よりも細径となる「ポイント9」と呼ばれる製品に注目。単価に関しては従来品と変わらないが、細径であるため、使い勝手が格段に向上し、手術中に血管を傷つけるリスクも低下するなどのメリットがある。米国でも成長している商品であり、今後の伸びが期待されよう。
■中期展望
同社では今回、新たに中長期的な事業展望についての考え方を示している。
3年程度を目途とした中期展望としては、「販売代理店業」(不整脈事業、その他事業) 「輸入総代理店業」(虚血事業) と流通上のポジショニング別に分けた事業ポートフォリオの強化に取り組んでいく。
「販売代理店業」に関しては、販売代理店の全国展開と取り扱い領域の拡大に注力していく。特に、今後は「営業所」に比べて、比較的開設費用負担が軽微な「出張所」形式の拠点を中心に、南九州や四国、福井以北の日本海側エリアなどの空白地域に関して業績への影響などを勘案した上で、展開を進めていく考え。
取り扱い領域の拡大にあたっては、不整脈分野以外の診療科目として、「虚血・脳神経外科」分野への取り組みを検討。他の診療科目への進出にあたっては、一定水準以上の営業リソースが必要であるため、M&A によって事業領域を拡大するということも選択肢として視野に入れている。
輸入総代理店業に関しては、商品のパイプラインの拡充を進めていく。2016 年には現在治験中の下肢末梢動脈治療用レーザカテーテルの販売が開始される予定だが、それ以外でも新製品の発掘を今まで以上に活発化していく。また、長年外資系医療機器メーカーに在籍していた副社長が持つ海外での広範なネットワークも活用していく。候補となるのは、国内において市場性が見込まれるもので、競合製品がまだ無いもの、あるいは商品化すれば高シェアが期待できるものとなる。
■株主還元策
株主還元策として、同社では配当性向20% を基準に安定配当を目指すことを基本方針としている。業績の拡大とともに配当金は2007 年の株式上場以降、連続増配を続けている。
■株価動向
株価は3月末の2分割以降、調整が続いている。保有株式が倍になったことで、一先ず1単元株の利益確定を進めやすい需給状況であったとみられる。もっとも、分割考慮株価では850円処がこれまでの支持線であり、今回も同水準からの緩やかなリバウンドをみせてきている。週間形状では13週線を突破し、同線が支持線に変わってきている。週足ベースの一目均衡表では雲下限に上値を抑えられているが、この雲が今後急速に切り上がりをみせてくるため、これに沿ったリバウンドが意識されてくる。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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