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城南進学研究社 Research Memo(6):予備校は対象人口の減少の流れを単価アップでどこまで吸収できるかがカギ

注目トピックス 日本株
■予備校事業

城南進学研究社<4720>は首都圏(神奈川、東京、埼玉、千葉)に、「城南予備校」を11校展開している。城南予備校の立ち位置は、国公立大学及び「早慶上理」は言うまでもないが、何よりも「GMARCH」と呼ばれる有名私立大学を志望する高校生をメインの顧客層としている。対象となる生徒数的にもっとも厚みがある部分だ。同社はこれらの生徒に対して「ワンランク上」の大学に合格させることを城南予備校の特徴としてアピールしている。

2014年3月期の予備校部門の売上高は、現役生・既卒生合わせて2,814百万円と前期比0.4%の増収となった。入学者数は5,793人で前期比6.3%(389人)減少したが、新商品「THE TANREN」や合宿メニューの投入で売上単価を伸ばし、売上高としては前期比並みを確保した形だ。

同社の集計では、東京都と神奈川県の18歳人口は2013年度が17.8万人で、2018年までほぼ横ばいで推移すると見込んでいる。一方、各種統計では、生徒層年齢の人口が減少していく傾向が鮮明となっている。

マクロ的な事業環境の厳しさについて同社は、従来からそれを認識し、「現役合格保証制度」の導入や魅力的な新メニューの投入などの施策を通じて、入学者数を確保し、かつ、売上単価を上げることで増収を実現するとしてきた。新中期経営計画における利益計画では、将来的に予備校事業の売上高はほぼ横ばいで推移する前提としている。そして、成長戦略の軸足を他の事業に大きくシフトした。弊社では、この戦略の切り替えは、同社がより実現可能性の高い施策に軸足を移したということで、高く評価している。

言うまでもなく、同社は予備校事業を捨てたわけではない。従来どおり、「ワンランク上」の合格につながる魅力的なプログラムの投入などで、収益確保を目指す方針だ。同社の予備校事業にあって、今も集客効果が高いとみられる施策が「現役合格保証制度」だ。在籍者に占めるこの制度の利用者の比率は、導入以来、年々上昇を続け、2014年3月期には58.1%と60%に迫った。この制度を利用されるマイナス効果よりも、この制度による集客効果や単価アップ効果の方がはるかに大きいと考えられ、こうした制度が同社の収益にマイナスになるという懸念は不要だ。同社によれば、実際のこの制度の利用者の割合は約15.8%と少なく、次年度の追加的コストがほとんど発生しない一方で講習会・テキスト代などによる売上高増加をもたらしているという。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)


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