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ネットプライスドットコム Research Memo(8):ブランド中古品への需要や日本の商品への注目度上昇が追い風に

注目トピックス 日本株

■業績動向

(2)セグメント別の業績動向

○Eコマース事業
ネットプライスドットコム<3328>のEコマース事業の第3四半期業績は、売上高が前四半期比横ばいの3,171百万円となり、営業損失は2百万円と2四半期ぶりに赤字となった。部門別の動向は以下のとおり。

○バリューサイクル部門
バリューサイクル部門の第3四半期業績は、売上高が前四半期比8.1%増の1,719百万円、営業損益が同59.0%減の54百万円となった。衣料・雑貨を中心にブランド中古品に対する需要は旺盛で、前年同期比での売上成長率は70%を超えるなど順調に拡大している。

一方、利益面で伸び悩んだのは業界圧倒的No.1を確立するために買い取りを積極的に行ったことや、テレビCMなど広告宣伝費を投下したことが要因となっている。ここ最近では第1、3四半期に買い取りを積極的に行い、第2、4四半期で売上と利益を稼ぎ出す傾向となっており、当四半期もこの傾向に沿った格好となった。また、買取件数・買取金額に関しては売上高と同様に過去最高を更新している。

○リテール・ライセンス部門
リテール・ライセンス部門の第3四半期業績は、売上高が前四半期比10.5%減の1,009百万円、営業損失が58百万円(前四半期は29百万円の損失)となった。主力のネットショッピング事業の売上が低調で、プラットフォーム再構築のための費用がかかったこともあり、損失額が拡大する格好となった。前述したように7月よりネットプライスのスマートフォンアプリとPCサイトをリニューアルし、フィーチャーフォン向けサイトを終了するなど、同社としては当四半期を事業継続のための最後の過渡期として位置付けている。

一方、商品プロデュース・ライセンス事業に関しては、規模はまだ小さいものの順調に拡大している。人気アーティストグループの公式ECサイト運営数は前四半期比で2グループ増え、合計で5グループ(展開サイトは2つ)となった。関連グッズなどネット流通総額では四半期ベースで100百万円を上回るペースが続いている。

○クロスボーダー部門
クロスボーダー部門の第3四半期業績は、売上高が前四半期比横ばいの442百万円、営業利益が94.4%減の2百万円となった。

同部門のうちグローバルショッピング事業に関しては、円安という逆風が続いているものの、コアな利用客層を中心に流通額は前四半期比でほぼ横ばい水準となった。

一方、海外転送・代理購入事業は、第2四半期において提携先が実施したキャンペーンの反動によって、前四半期比では流通総額がほぼ横ばいとなったものの、前年同期比では50%を超える高成長が続いている。日本の商品やサービス、文化に対する注目度が上昇し、訪日外国人が増加する中で、手軽に海外から日本の商品を購入できる同社サービスの利用が拡大している。特に今年に入ってからは、ヤフオク!にも参加できる「Buyee」のサービスが急速に伸びている。

利益が前四半期比で落ち込んだのは、海外転送・代理購入事業において4月より代理購入手数料を引き下げたこと(合計商品代金の15%→10%、最低手数料1,500円→500円)や、スマートフォン専用サイトを立ち上げるなどサービス機能の強化を進めたことが要因となっている。

○インキュベーション事業
インキュベーション事業の業績は、売上高が21百万円、営業損失が77百万円となった。前四半期に続いて投資売却案件がなかったことで、社内新規事業における費用負担が重石となった格好だ。

新規事業のうちフォーリーで展開するスマートフォン・タブレット端末向けの知育アプリ「えほんであそぼ!じゃじゃじゃじゃん」は、2014年3月に英語版をリリースしたこともあり、累計ダウンロード数で50万件を突破(7月1日時点)したものの、マネタイズするまでには至っておらず、当四半期で40百万円の損失を計上した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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