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高木証券<8625>証券セクターを見直す局面に

注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』7月31日放送において、高木証券<8625>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■注目ポイント
短期的には証券セクターに注目すべき局面と考える。米GDPの上振れを受けて為替がドル高・円安に反応、長いボックスレンジを上放れる兆しを見せている。円安進行を背景とした株価上昇に期待したいタイミングともいえる。
主力の輸出関連株が足元で好決算を発表しいてることもフォローとなろう。また、株式市場にとっては、GPIFの基本ポートフォリオ変更の発表が早ければ8月にも予定されていることが期待材料となる。施行は発表直後からになると考えられ、需給主導での相場上昇期待があらためて高まることにつながっていこう。なお、各社とも4-6月期の大幅減益決算をすでに発表していることで、当面の悪材料出尽くし感も強まる状況にある。
セクター全般に上昇期待が高まる状況においては、相対的に高いボラティリティが期待できる同社に注目。東証1、2部上場の証券会社の中では最も時価総額が小さく、株価の絶対水準も光世証券に継いで低い水準となっている。

■事業概要
高木証券<8625>は大阪市北区に本店を置く中堅証券会社。店舗数は本店を含めて13店舗、そのうち、近畿が6店舗、関東が5店舗、名古屋が1店舗、福岡が1店舗となっている。個人取引を主体とした対面型の営業に定評があり、とりわけ、対面営業の強みを生かせる商品として、投資信託のコンサルティング営業に注力している。
「受入手数料」が営業収益の約76.5%を占めている(2014年3月期)が、なかでも、株式の売買手数料を中心とする「委託手数料」、投資信託の販売手数料を中心とする「募集・売出し等の取扱手数料」の構成比が高い。「受入手数料」の商品別内訳でも、「株式」と「受益証券(投資信託)」の比率が高く、投資信託の構成比が高いところに同社の特徴が現われている。
なお、同社株式の20% 以上を保有する野村グループとの関係は、創業当時にまで遡るもので、資本関係も古くから続いている。

■事業の特徴
同社は投資信託のコンサルティング営業に注力しているが、ここ数年の業績を振り返っても、投資信託の関連手数料が同社業績の下支えとなってきた。更なる差別化を図るため、投資信託の品揃えを充実させるとともに、国内で設定されている約4,000 本の公募投資信託について、公平・中立・透明に評価できる組織として「ファンド・リサーチセンター」を新設し、そこで設計される「ファンド・ラボ」シリーズ(ファンド分析ツール) を活用したコンサルティング営業を開始した。
顧客の保有する投資信託の客観的な診断や顧客の運用ニーズにあった投資信託の提案を行うサービスであり、系列運用会社の投資信託を扱っている大手証券会社には難しいサービスと言える。顧客の利益を最優先とする他に類を見ないサービスの提供により顧客との信頼関係を構築することで、結果として投資信託の取り扱いを増やすことを目的としている。
また、差別化戦略としては、国内だけでなく東南アジア株式の取り扱いも行っている。現在の取り扱いマーケットは香港、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシアの5 ヶ国だが、同社ではただ取り扱いを行うだけでなく、独自の推奨銘柄を選定し、該当企業は個別株式レポートを作成・提供することで、より詳細な提案ができるようになっている。
さらに、対面営業の強みをさらに発展させて、相続対策や不動産売買紹介など、外部の専門家との業務提携により、顧客の資産形成の全体をサポートするサービスを開始した。顧客との長期的な取引を前提とした「家計資産のベストパートナー」を目指すことで、顧客基盤の強化を図ることが目的である。

■財務面
財務の健全性を示す自己資本比率は50〜60%台の高い水準を維持している。また、証券会社に対する自己資本規制比率も428.7% (2014 年3 月期個別) を確保しており、規制で定められている120% 以上を大きく上回っている。一方、資本効率を示す自己資本利益率は、収益力の回復に伴い9.4%にまで上昇している(2014 年3 月期)。

■中長期戦略
同社は、厳しい環境の中で着実な業績の向上を図るため、預かり資産と顧客基盤の拡大を図り、相場環境に左右されない安定した収益力の確立を目指している。そのための重点戦略として、以下の3 つを掲げている。
一つ目が、投資信託を第一の戦略商品として、iPad を使用して提案するファンド・ラボ シリーズ(ファンド分析ツール) の活用で、投資信託の残高拡大を図ること。二つ目が、株式を第二の戦略商品として、NISA 対応、外国株式の強化、タイムリーな情報提供、引受部門の強化を行い、株式営業を強化すること。三つ目が、相続対策、不動産売買紹介など外部の専門家との業務提携を拡大し、顧客にとって最良の全体資産設計を提案することで、「家計資産のベストパートナー」を目指すことである。
とりわけ、ファンドラボシリーズの活用については、顧客目線による他に類を見ないファンド分析ツールを売りとして、顧客との信頼関係を築き、結果的に預かり資産の拡大につなげることを目指しており、中長期的には預かり資産1 兆円の実現と安定収益源である信託報酬の拡大を目指している。
また、全体資産設計の提案については、2015年1月1日以降の相続税増税をにらみ、その対策を提案する「310 万円プロジェクト」を開始する。会計事務所との連携により、次世代に円滑に資産を引き継ぐための様々なシミュレーションが可能となっている。同社が実施した相続税に関するアンケートに対して約20% の返信があったことからも、顧客の関心の高さが窺える。同社は、このサービスを通じて、顧客との関係をより深めるとともに、相続人との取引へもつなげる効果を狙っている。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送





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