テクノアルファ<3089>パワー半導体関連の中小型成長株として注目
[14/08/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』8月21日放送において、テクノアルファ<3089>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■注目ポイント
パワー半導体関連の中小型成長株として注目したい。パワー半導体は依然として日本勢が優位を保っており、「日の丸半導体の最後の砦」として政策支援の動きなども期待される分野となっている。さらに、20日にはインフィニオンがパワー半導体大手のインターナショナルレクティファイアを買収で合意と発表している。買収金額は時価に50%程度のプレミアムが付与される水準であり、パワー半導体関連銘柄への評価の高まりに今後つながっていく可能性が高いと考える。
■会社概要
テクノアルファ<3089> は、半導体製造装置の輸入商社から出発。パワー半導体用ワイヤボンダの国内シェアが約5 割とトップクラス。M&A に積極的で、2011 年9 月に計測・検査システム機器のペリテックを子会社化したのに続き、2014 年1 月に理化学機器メーカーのケーワイエーテクノロジーズ(以下KYA) を子会社化し、事業領域の拡大を進めることでさらなる成長を目指している。
事業内容
事業セグメントは、パワー半導体用ワイヤボンダを中心としたエレクトロニクス事業、マリン・環境機器事業、子会社のペリテックで手掛けるSI事業に加えて、2014 年1 月に子会社化したKYA のサイエンス事業が新たに加わっている。2014 年11月期の第2 四半期累計の事業別売上構成比を見ると、エレクトロニクス事業が62.8%、マリン・環境機器事業が13.3%、SI 事業11.1%、サイエンス事業が12.8% となっており、エレクトロニクス事業が同社の主力事業となっている。
■2014 年11 月期の第2 四半期業績
2014 年11 月期の第2 四半期累計(2013 年12 月-2014 年5 月) の連結業績は、売上高が前年同期比80.7% 増の1,982 百万円、経常利益が同221.5% 増の258 百万円と大幅な増収増益となった。エレクトロニクス事業の売上高が半導体装置の市況回復によって、前年同期比113.6% 増と急回復したことが主因。営業利益ベースでは既存3 事業すべてで増益となっており、また、新たに子会社化したKYA の業績も、売上高で253 百万円、営業利益で17 百万円の上積み要因となった。主力のエレクトロニクス事業に関しては、受注額に関しても、前年同期比31.7% 増の1,140 百万円と順調に拡大した。
■2014 年11 月期の業績見通し
同社では通期業績見通しの公表を行っていないが、第2 四半期累計までの収益状況、並びに今後の受注動向などを考慮して、弊社では、売上高で前期比43.5% 増の3,700 百万円、経常利益で同49.1% 増の350 百万円程度は達成可能とみている。
エレクトロニクス事業は、パワー半導体の生産数量増加により、収益柱である消耗品の売上増が期待される。自動車のなかでもパワー半導体が多く搭載されるハイブリッドカーの生産拡大が見込まれるほか、白物家電についてもインバーター化の流れが中国など海外市場で進み始めており、パワー半導体の需要をけん引する。また、日系半導体メーカーによるアジアでの設備投資計画もあり、装置本体の売上も堅調な推移が見込まれる。さらには、半導体製造用真空リフロー装置の売上も自動車半導体メーカー向けに拡大し、同事業の通期売上高は前期比で約4 割増の2,300 〜 2,400 百万円が見込まれる。
SI 事業に関しては、中国の代理店経由でEMI テスタの受注獲得が見込まれている。中国ではスマートフォンメーカーが急速に成長しており、機器の設計に当たってEMI テスタの需要が現地でも高まってきていることが背景にあるとみられる。特に、最近では複数の周波数帯域を利用可能なマルチバンド化が進んでおり、ノイズ対策も含めた機器の設計は困難となってきているだけに、今後も中国を含めたアジアでの受注拡大が期待される。
■新製品の開発状況
同社では経済産業省から補助金を受けて3 つの製品を開発している。1 つ目はEMI テスタの進化版で、近傍ノイズを計測するだけで、10m ほど離れた距離でのノイズを高精度に推測する世界初の計測システムとなる。2 つ目の案件は半導体外観検査測定器となる。ワイヤボンディング後の端子の接続状態を検査する際に用いられるもので、従来の目視検査工程を自動化し、検査効率や品質の向上につながるものとして期待されている。3 つ目はペリテックで開発している、ハイブリッドカーや電気自動車に用いられるリチウムイオンバッテリーを制御するバッテリーマネジメントシステムの開発で必要となる充放電試験装置である。
ほか、今後の成長が期待される新商材としては、半導体素子を基板に実装する際のはんだ付け工程で用いられる半導体製造用真空リフロー装置が挙げられる。自動車向けでは高い耐久性が求められるため、はんだ付け工程ではんだ溶融の際に素子と基板の間にボイド(気泡) が混入するのを防ぐため、真空リフロー装置が用いられるのが一般的となっている。同社が手掛けている方式の最も大きい利点は、洗浄せずにはんだ付けを実現できることになるほか、ランニングコストの低減が可能となる。
株主還元策
株主還元策としては、配当金に加えて、株主優待制度を導入している。配当政策としては、配当性向で30% 程度の水準を目安に配当を行っていく方針。株主優待制度に関しては、毎年11 月末段階で1 単元(100 株) 以上を保有している株主に対して、QUO カード3,000 円分を一律贈呈している。2014 年11 月期の予想配当金は前期並みの27 円を予定しており、2014 年7 月1 日現在の株価水準(終値1525 円) をベースとした総利回りは3.7%程度と高水準となっている。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■注目ポイント
パワー半導体関連の中小型成長株として注目したい。パワー半導体は依然として日本勢が優位を保っており、「日の丸半導体の最後の砦」として政策支援の動きなども期待される分野となっている。さらに、20日にはインフィニオンがパワー半導体大手のインターナショナルレクティファイアを買収で合意と発表している。買収金額は時価に50%程度のプレミアムが付与される水準であり、パワー半導体関連銘柄への評価の高まりに今後つながっていく可能性が高いと考える。
■会社概要
テクノアルファ<3089> は、半導体製造装置の輸入商社から出発。パワー半導体用ワイヤボンダの国内シェアが約5 割とトップクラス。M&A に積極的で、2011 年9 月に計測・検査システム機器のペリテックを子会社化したのに続き、2014 年1 月に理化学機器メーカーのケーワイエーテクノロジーズ(以下KYA) を子会社化し、事業領域の拡大を進めることでさらなる成長を目指している。
事業内容
事業セグメントは、パワー半導体用ワイヤボンダを中心としたエレクトロニクス事業、マリン・環境機器事業、子会社のペリテックで手掛けるSI事業に加えて、2014 年1 月に子会社化したKYA のサイエンス事業が新たに加わっている。2014 年11月期の第2 四半期累計の事業別売上構成比を見ると、エレクトロニクス事業が62.8%、マリン・環境機器事業が13.3%、SI 事業11.1%、サイエンス事業が12.8% となっており、エレクトロニクス事業が同社の主力事業となっている。
■2014 年11 月期の第2 四半期業績
2014 年11 月期の第2 四半期累計(2013 年12 月-2014 年5 月) の連結業績は、売上高が前年同期比80.7% 増の1,982 百万円、経常利益が同221.5% 増の258 百万円と大幅な増収増益となった。エレクトロニクス事業の売上高が半導体装置の市況回復によって、前年同期比113.6% 増と急回復したことが主因。営業利益ベースでは既存3 事業すべてで増益となっており、また、新たに子会社化したKYA の業績も、売上高で253 百万円、営業利益で17 百万円の上積み要因となった。主力のエレクトロニクス事業に関しては、受注額に関しても、前年同期比31.7% 増の1,140 百万円と順調に拡大した。
■2014 年11 月期の業績見通し
同社では通期業績見通しの公表を行っていないが、第2 四半期累計までの収益状況、並びに今後の受注動向などを考慮して、弊社では、売上高で前期比43.5% 増の3,700 百万円、経常利益で同49.1% 増の350 百万円程度は達成可能とみている。
エレクトロニクス事業は、パワー半導体の生産数量増加により、収益柱である消耗品の売上増が期待される。自動車のなかでもパワー半導体が多く搭載されるハイブリッドカーの生産拡大が見込まれるほか、白物家電についてもインバーター化の流れが中国など海外市場で進み始めており、パワー半導体の需要をけん引する。また、日系半導体メーカーによるアジアでの設備投資計画もあり、装置本体の売上も堅調な推移が見込まれる。さらには、半導体製造用真空リフロー装置の売上も自動車半導体メーカー向けに拡大し、同事業の通期売上高は前期比で約4 割増の2,300 〜 2,400 百万円が見込まれる。
SI 事業に関しては、中国の代理店経由でEMI テスタの受注獲得が見込まれている。中国ではスマートフォンメーカーが急速に成長しており、機器の設計に当たってEMI テスタの需要が現地でも高まってきていることが背景にあるとみられる。特に、最近では複数の周波数帯域を利用可能なマルチバンド化が進んでおり、ノイズ対策も含めた機器の設計は困難となってきているだけに、今後も中国を含めたアジアでの受注拡大が期待される。
■新製品の開発状況
同社では経済産業省から補助金を受けて3 つの製品を開発している。1 つ目はEMI テスタの進化版で、近傍ノイズを計測するだけで、10m ほど離れた距離でのノイズを高精度に推測する世界初の計測システムとなる。2 つ目の案件は半導体外観検査測定器となる。ワイヤボンディング後の端子の接続状態を検査する際に用いられるもので、従来の目視検査工程を自動化し、検査効率や品質の向上につながるものとして期待されている。3 つ目はペリテックで開発している、ハイブリッドカーや電気自動車に用いられるリチウムイオンバッテリーを制御するバッテリーマネジメントシステムの開発で必要となる充放電試験装置である。
ほか、今後の成長が期待される新商材としては、半導体素子を基板に実装する際のはんだ付け工程で用いられる半導体製造用真空リフロー装置が挙げられる。自動車向けでは高い耐久性が求められるため、はんだ付け工程ではんだ溶融の際に素子と基板の間にボイド(気泡) が混入するのを防ぐため、真空リフロー装置が用いられるのが一般的となっている。同社が手掛けている方式の最も大きい利点は、洗浄せずにはんだ付けを実現できることになるほか、ランニングコストの低減が可能となる。
株主還元策
株主還元策としては、配当金に加えて、株主優待制度を導入している。配当政策としては、配当性向で30% 程度の水準を目安に配当を行っていく方針。株主優待制度に関しては、毎年11 月末段階で1 単元(100 株) 以上を保有している株主に対して、QUO カード3,000 円分を一律贈呈している。2014 年11 月期の予想配当金は前期並みの27 円を予定しており、2014 年7 月1 日現在の株価水準(終値1525 円) をベースとした総利回りは3.7%程度と高水準となっている。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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