ネクスト Research Memo(4):独自の収益モデルとサイト集客力、組織力が強み
[14/09/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(3)企業特徴
「HOME'S」の最大の特徴は、総掲載物件数No.1を誇るところにある。掲載物件数No.1の地位を確立したことで、利用者をひきつけ、それにより加盟店数や総掲載物件数がさらに増えるという好循環が成立しており、これがネクスト<2120>の業績をけん引している。なお、総掲載物件数No.1を確立できたのは、2011年から3年間かけて実践してきた4P戦略、すなわちプライス戦略(課金形式の変更)、プロダクト戦略(サイトリニューアル)、プロモーション戦略(ブランディングプロモーション)、プレイスメント戦略(営業戦略)によりビジネスを進化させてきたことが大きい。特に、1)「独自の収益モデル」と、2)「集客力の高さ」は、独特のマネジメントによる組織力に裏打ちされたものと考えられ、同社の優位性を形成している。
1)問合せ数に応じて課金する「独自の収益モデル」
総掲載物件数が拡大するきっかけとなったのは料金体系の見直しである。利用者の利便性を高めるとともに掲載物件数で他社との差別化を図るため、ボリュームゾーンである「賃貸・不動産売買」の課金方式を業界で一般的な掲載物件数に対する課金から利用者からの問合せ数に対する課金に変更した。これが総掲載物件数を飛躍的に増やすことにつながった。加盟店としてみれば、一定の基本料金を払えば物件情報を何件掲載してもコスト増にはならないため、少しでも多くの物件を掲載しようとする誘因となっている。また、総掲載物件数の拡大とともに集客力を高めていく「HOME'S」にはネットワーク外部性※が働いており、同社と加盟店の双方の利害が合致したところに成功の理由があると考えられる。
なお、この「問合せ課金」は対象物件の家賃に一定の料率をかけて算出されるが、2014年10月に「賃貸・不動産売買」の課金料率の一部見直しを予定している(業績への影響は軽微)。
2)ブランディングやSEO対策による「集客力の高さ」
同社は、積極的なブランディングプロモーションや精度の高いSEO対策を通じて、認知度や集客力の強化にも注力している。売上高の25〜30%を目安として広告宣伝費を先行投資的に投下する戦略を継続しており、それが認知度を高めてきた要因となっている。
SEO対策については、社内に設置した専門チームが外部パートナーと連携を図りながら、総掲載数No.1の情報量とサイト統合等のリニューアル効果などにより、主要キーワード※による検索結果の平均順位で1位を継続している。その結果、訪問者数でも業界No.1を誇っている(Nielsen NetView2012年8〜2013年2月度データ家庭および職場のPCからのアクセスより)。また、利用者の利便性向上にも注力しており、Gomez不動産情報(賃貸・売買)サイトランキング(2013年12月発表)では、使いやすさNo.1に選ばれている。
3)独特のマネジメントスタイルによる組織力
同社の強みの源泉は、共通の価値観と挑戦する風土、徹底したPDCA管理の3つを掛け合わせた独特のマネジメントスタイルによる組織力にあると考えられる。特に、価値観の共有は採用時点から重視しており、高いレベルでのチームワークとモチベーション、パフォーマンスの向上に結び付いている。加えて、様々な試行錯誤を通じて得られた経験則やデータベースは、同社の組織資本として蓄積されており、マーケティングの精度向上や新たなビジネス展開にも活かされている。
また、プランナーやエンジニア、デザイナー、マーケターなど、プロダクティブ(生産性の高い)スタッフの構成比率が高い点も特徴だ。内製化へのこだわりの中で、専門性の高いスタッフを育成することで組織資本の強化を図り、特にマーケティングの上流領域で強みを形成してきた。この点は、海外を含めた同業他社と比べて大きな差別化要因になっていると考えられる。
※ネットワーク外部性とは、会員数が増えるほどそれぞれの会員の利益が大きくなること
※主要キーワードとは、「賃貸」、「賃貸マンション」、「マンション」、「中古マンション」、「アパート」、「新築マンション」、「一戸建て」、「新築一戸建て」を選定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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(3)企業特徴
「HOME'S」の最大の特徴は、総掲載物件数No.1を誇るところにある。掲載物件数No.1の地位を確立したことで、利用者をひきつけ、それにより加盟店数や総掲載物件数がさらに増えるという好循環が成立しており、これがネクスト<2120>の業績をけん引している。なお、総掲載物件数No.1を確立できたのは、2011年から3年間かけて実践してきた4P戦略、すなわちプライス戦略(課金形式の変更)、プロダクト戦略(サイトリニューアル)、プロモーション戦略(ブランディングプロモーション)、プレイスメント戦略(営業戦略)によりビジネスを進化させてきたことが大きい。特に、1)「独自の収益モデル」と、2)「集客力の高さ」は、独特のマネジメントによる組織力に裏打ちされたものと考えられ、同社の優位性を形成している。
1)問合せ数に応じて課金する「独自の収益モデル」
総掲載物件数が拡大するきっかけとなったのは料金体系の見直しである。利用者の利便性を高めるとともに掲載物件数で他社との差別化を図るため、ボリュームゾーンである「賃貸・不動産売買」の課金方式を業界で一般的な掲載物件数に対する課金から利用者からの問合せ数に対する課金に変更した。これが総掲載物件数を飛躍的に増やすことにつながった。加盟店としてみれば、一定の基本料金を払えば物件情報を何件掲載してもコスト増にはならないため、少しでも多くの物件を掲載しようとする誘因となっている。また、総掲載物件数の拡大とともに集客力を高めていく「HOME'S」にはネットワーク外部性※が働いており、同社と加盟店の双方の利害が合致したところに成功の理由があると考えられる。
なお、この「問合せ課金」は対象物件の家賃に一定の料率をかけて算出されるが、2014年10月に「賃貸・不動産売買」の課金料率の一部見直しを予定している(業績への影響は軽微)。
2)ブランディングやSEO対策による「集客力の高さ」
同社は、積極的なブランディングプロモーションや精度の高いSEO対策を通じて、認知度や集客力の強化にも注力している。売上高の25〜30%を目安として広告宣伝費を先行投資的に投下する戦略を継続しており、それが認知度を高めてきた要因となっている。
SEO対策については、社内に設置した専門チームが外部パートナーと連携を図りながら、総掲載数No.1の情報量とサイト統合等のリニューアル効果などにより、主要キーワード※による検索結果の平均順位で1位を継続している。その結果、訪問者数でも業界No.1を誇っている(Nielsen NetView2012年8〜2013年2月度データ家庭および職場のPCからのアクセスより)。また、利用者の利便性向上にも注力しており、Gomez不動産情報(賃貸・売買)サイトランキング(2013年12月発表)では、使いやすさNo.1に選ばれている。
3)独特のマネジメントスタイルによる組織力
同社の強みの源泉は、共通の価値観と挑戦する風土、徹底したPDCA管理の3つを掛け合わせた独特のマネジメントスタイルによる組織力にあると考えられる。特に、価値観の共有は採用時点から重視しており、高いレベルでのチームワークとモチベーション、パフォーマンスの向上に結び付いている。加えて、様々な試行錯誤を通じて得られた経験則やデータベースは、同社の組織資本として蓄積されており、マーケティングの精度向上や新たなビジネス展開にも活かされている。
また、プランナーやエンジニア、デザイナー、マーケターなど、プロダクティブ(生産性の高い)スタッフの構成比率が高い点も特徴だ。内製化へのこだわりの中で、専門性の高いスタッフを育成することで組織資本の強化を図り、特にマーケティングの上流領域で強みを形成してきた。この点は、海外を含めた同業他社と比べて大きな差別化要因になっていると考えられる。
※ネットワーク外部性とは、会員数が増えるほどそれぞれの会員の利益が大きくなること
※主要キーワードとは、「賃貸」、「賃貸マンション」、「マンション」、「中古マンション」、「アパート」、「新築マンション」、「一戸建て」、「新築一戸建て」を選定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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