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ネクスト Research Memo(10):既存事業の強化を軸に海外展開や新規事業開拓といった施策を推進

注目トピックス 日本株
■成長戦略

ネクスト<2120>は中期戦略のスローガンとして、DB+CCS(データベース+コミュニケーション&コンシェルジュ・サービス)でグローバルカンパニーを目指すことを掲げている。具体的には、暮らしにまつわるあらゆる領域の情報(データベース)を活用して、各利用者に最適な情報を提供していくサービス(コミュニケーション&コンシェルジュ・サービス)を展開していく。その実現に向けて、既存事業の強化を軸に、海外展開や新規事業の開拓といった4つの事象(図表参照)に対応した施策をそれぞれ進めていく方針だ。

特に、国内の「HOME'S」への再投資による圧倒的No.1の確立と、不動産会社向け業務支援サービスの拡充による不動産業界ビジネスプラットフォームの構築が当面の戦略の柱となっている。引き続き不動産関連事業を基盤としながら、海外展開や新規事業による上乗せを図っていく計画である。また、経営指標の数値目標としては営業利益率25%を掲げている。

既存事業はユーザーシェア拡大と加盟店数の拡大で強化を目指す。ユーザーシェア拡大は、これまでの集客力強化に加えて、前期より開始したリノベーションやトランクルームなど、新たな分野へのサービス拡充により集客の間口を広げる。また、一度訪問した利用者を再度訪問に導くマーケティング手法の導入(最適なコンテンツ提供による誘引やメールマーケティングなど)や、住み替え後のコミュニケーションツールの提供などにより、利用者が会員として残るサービスを構築することなどを進めている。同社は、人々が最適な生活を送るためにもっと気軽に(頻繁に)住み替えができる環境づくりや生活提案を目指しており、それによって同社の成長余地も拡大していくものと考えている。

また、加盟店数の拡大にも取り組む方針で、直販営業の効率化や営業代行業者の活用などで新規開拓のペースを加速する。

不動産業界ビジネスプラットフォームとは、不動産会社の業務に不可欠となるソリューションを提供するものである。これまでのサイトを通じた集客機能に加えて、追客、内見・来場、成約に至るまでの顧客管理(CRM)のほか、業界初となる不動産オーナー向けのCRM支援を行う。同社の誇る圧倒的な集客力を中心に、その上流と下流の業務プロセスにソリューション領域を広げ、一体として提供するところに価値創造が期待でき、他社との差別化が図れると考えられる。

集客から追客へのソリューション提供では、賃貸事業者向けのCRMサービス「レンターズネット」の導入店舗数が、既に2014年3月期末で1,213店舗(前期比37.4%増)と伸びている。

また、不動産会社向けの接客営業支援iPadアプリ「内見プロ」や、不動産事業者と不動産のオーナー間の業務を管理するCRMサービス、不動産事業者向けSNSサービス「HOME'S Pro」等の提供を前期に開始した。今後、更なるサービス領域の拡充により客数及び客単価の向上を目指す。

新規事業に関しては、既存事業との親和性の高い家具・インテリアECサイト「HOME'S Style Market」を2014年4月より開始した。同社初のECサイトの運営となるが、在庫リスクを極力負わない仕組み(受注後、商品の手配を行う)により、住まい探しのアフターマーケットの拡充を図っていく。

海外展開については、いずれ国内市場が飽和し縮小に向かうことを見据えて、5年〜10年の長期スパンで取り組んでいる。ネット普及率や不動産市場の状況などを踏まえ、これまで培ってきたSEO技術をベースに、Google検索エンジンが強く、1言語当たりの人口が多い国をターゲットとしている。もっとも、現地拠点を原則置かずにローコストで強みを活かせる地域でWebサイトを展開する戦略のため、投資リスクを抑えつつ、試行錯誤を繰り返しながら育成していく方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)


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