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アバント Research Memo(7):今期は成長に向けた基盤づくりに投資、来期以降に再び2ケタ増収増益基調へ

注目トピックス 日本株

■決算動向

(3)2015年6月期業績見通し

2015年6月期の連結業績は、売上高が前期比13.2%増の9,400百万円、営業利益が同30.2%減の760百万円、経常利益が同30.5%減の750百万円、当期純利益が同30.2%減の435百万円と増収減益を見込んでいる。

企業のIT投資拡大を背景に、連結会計ソリューションサービスを中心としたアバント<3836>の受注環境は引き続き良好な状況が続く見通し。ただ、一方でコンサルティング・サービスなど人的リソースが不足気味になっているのも事実である。同社では売上規模の拡大に対応するため、今期も90名ほどの人員増を計画しているが、やみくもに採用人員を増やすわけではなく、専門的な知識を持ち、かつ同社の経営理念と価値観を共有できる人財を採用することを基本としている。昨今のIT業界における労働環境は売り手市場になっているだけに、予定どおり人員の採用が進まないリスクも多分にある。同社では従来、年率20%の売上成長目標を掲げており、今期もその目標に変更はないが、売上計画については人的リソースが不足するリスクを考慮したものとみられる。なお、事業形態別では情報検索サービスを前期比横ばいでみているほかは、すべての事業で2ケタ成長を見込んでいる。

一方、利益ベースでは5期ぶりの減益に転じる見通しとなっている。これは来期以降の成長に向けた人財投資や情報化投資、新製品の開発投資などに積極的に資金を投下していくことが要因となっている。リーマンショック以後、十分な企業体力が備わっていなかったことを理由に投資活動を抑えて来た様だが、現行の中期計画で目標であった営業利益額10億円以上を達成したことを契機に方針転換をしたとのことである。具体的には、人員の増強による人件費増や採用費、教育研修費など人件費関連の費用で約630百万円の増加を見込んでいるほか、採用した人員が戦力になるまでの期間にかかる外注費の増加で約570百万円を見込んでいる。また、前期から一部ずれ込んでいたグループ内の情報化投資や営業・販売活動に資する戦略的IT投資などで160百万円(うち75百万円は純粋な新規投資)の費用を投下する計画となっている。なお、このうち人件費関連については、前期同様、予定の人員が採用できなければ、費用減につながり増益要因となる。

今期は成長に向けた基盤づくりをする投資の期間となるため、一時的に減益となるが、来期以降についてはこうした費用増も一巡するため、再び2ケタ増収増益基調に戻るものと弊社ではみている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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